ジュール・ヴェルヌ (ATV-001)国際宇宙ステーションに接近するATV-001
種類ATV
所属ESA
宇宙ステーションISS
ステーションメンバー第16次長期滞在
第17次長期滞在
主契約者EADS アストリアム (主)
タレス・アレーニア・スペース
アリアンスペース (LSP
ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne, ATV-001)は、欧州補給機(ATV)の初号機。フランスのSF作家ジュール・ヴェルヌにちなんで命名された[1]。2008年3月9日に打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に推進剤、水、空気、ドライ・カーゴを輸送した。
初のATVということで、ISSに一連のランデブーを開始する前に3週間のテストが行われた。4月3日にISSにドッキングを行い、4月25日にはISSの軌道を押し上げるためのリブーストが行われた[2]。ISSに5ヶ月ドッキングした後、9月5日にドッキングを解除して同月29日に太平洋上空で大気圏再突入を行った[3]。 初のATVは2002年4月9日に公式に「ジュール・ヴェルヌ」と命名された[4]。2003年1月末までにほとんどの部品は組み立てられていた[5]。これらの部品はそれぞれ異なる工場で作られた。 ドッキングおよび燃料供給システムはロシアのRSCエネルギアが作製し、与圧部はトリノのアレーニア・スパーツィオ、推進システムはブレーメンのEADS アストリアムが組み立てを行った[5]。推進システムはブレーメンで与圧部と結合し、その後機体は試験のためにNoordwijk アリアン5ESの処女飛行によってジュール・ヴェルヌは低軌道に投入された。発射台はフランス領ギアナのクールーにあるギアナ宇宙センターのELA-3が使用され、発射時刻は2008年3月9日4時3分4秒(UTC)。発射から1時間6分41秒後にロケットから機体が切り離され、続いて航行システムが起動した。2日後の3月11日にATVの4基のメインエンジンが初めて点火した[7]。打上げ段階において南アフリカ共和国のOverberg Test Range ATVの推進システムが軌道上で作動したその約2時間後、4基のパドル駆動電子装置(PDE、Propulsion Drive Electronics)の内2番目が燃料と酸化剤の間に予期しない混合圧力差を検知した[8][9]。問題の装置はATVのスラスターを25%制御する役割を担っていた。不具合が調査されている間、エンジンの燃焼は一時的に延期された。フランスのトゥールーズにあるATVコントロールセンターから推進システム全体のリスタートが行われた結果、問題は解決した。欧州宇宙機関(ESA)は仮に4基のスラスターの内1基が使用できなくてもミッションは継続可能だったと報告している[7]。
組み立て
打上げから初期運用
トラブル