ジャワ語
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ジャウィ語」とは異なります。

ジャワ語

Basa Jawa
??????
話される国 インドネシア
マレーシア
スリナム
ニューカレドニア
地域東南アジア
話者数約7500万人
言語系統オーストロネシア語族

マレー・ポリネシア語派

スンダ・スラウェシ語群(英語版)

ジャワ語



表記体系ラテン文字
ジャワ文字
言語コード
ISO 639-1jv
ISO 639-2jav
ISO 639-3各種:
jav — ジャワ語
jvn — カリブ・ジャワ語
jas — ニューカレドニア・ジャワ語
osi — ウシン語
tes — トゥングル語
kaw — カヴィ語
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ジャワ語話者の分布(濃緑:主流、緑:少数)

ジャワ語(ジャワご、Basa Jawa、????、: Bahasa Jawa、: Javanese) は、オーストロネシア語族のスンダ・スラウェシ語群(英語版)に属している。古ジャワ語(英語版)を継承し、この語族の中で最長の文化的伝統と最多の使用者を持つ[1]

ジャワ語は、インドネシアジャワ島の中央部から東で話されている言語であり、その本拠地はジャワ島東部および中部である。これに対し西部の西ジャワ州では主としてスンダ語が用いられているが、バンテン州(Banten)の北方海岸地帯では再びジャワ語が用いられている。また19世紀以降行われた移民政策によって、ジャワ島以外にも、スマトラ島ランプン州(Lampung)、マレーシアニューカレドニア、南米のスリナム共和国などにジャワ語圏がある[1]

インドネシア共和国の全人口約2.55億人(2015年時点)のうち[2]、約1.37億人がジャワ島に住んでおり[3]、そのうち約7500万人もの人々が日常生活でジャワ語を使用している[4]。ジャワ語話者が公的な場面で意思疎通を行う場合、または異なる種族言語を話す者同士が意思疎通を行う場合、多くの場合で公用語であるインドネシア語が用いられている[5]
概要

本来ジャワ語はジャワ文字で記されるものであったが、20世紀後半からラテン文字に切り替えた。ジャワ語は、オーストロネシア語族マレー・ポリネシア語派のスンダ・スラウェシ語群(英語版)(西マレー・ポリネシア語群)のスンダ語群に属する[要出典]。言語学的に見て、マレー語スンダ語マドゥラ語バリ語と深い関係がある。また、スマトラ島ボルネオ島の諸語、マダガスカル語といくらかの関係がある。

ジャワ語は中央ジャワから東ジャワにかけて話されている。また、西ジャワの北海岸でも同じように用いられている。マドゥラ島バリ島ロンボク島、および西ジャワのスンダ語地域において、文語として用いられる。パレンバン、南スマトラでの宮廷では、18世紀の終わりにオランダによって侵略されるまで宮廷語であった。

ジャワ語は現在、どこの国の公用語でもないが、ジャワ語を母語として用いる人の数は、オーストロネシア語族の中で、断然一位である。およそ八千万人がこの言葉を話すかまたは理解する。少なくともインドネシアの総人口の 45% は、ジャワ語の家系であるか、ジャワ語が支配的な言語である地域に住んでいる。1945年以降、インドネシアの大統領の五人に四人までがジャワ語の家系である。従って、インドネシアの国語でありマレー語の新しい方言であるインドネシア語の発展に、ジャワ語が大きな影響を与えていることは、驚くべきことではない。

ジャワ語は、世界でも伝統のある言語のひとつと見ることができる。12世紀以上にわたって、多くの文学作品が書かれている。学者は、ジャワ語の発達を四つの段階に分けている。

古ジャワ語 - 9世紀以降

中期ジャワ語 - 13世紀以降

新ジャワ語 - 16世紀以降

現代ジャワ語 - 20世紀以降(この段階はあまり一般的でない)

敬語

ジャワ語は、日本語と同様に敬語が発達していることでも知られる。その特徴として挙げられるのが、普通体と丁寧体の区別である。ジャワ語の日常語は「Ngoko体」と名付けられるが、これは二人称代名詞koの重語形kokoからの派生語である。「Ngoko体」はごく親しい友人間や目下の者に対して、またジャワ人が独り言をいう場合等に用いられる。一方、丁寧体である「Krama体」は、改まった会話や目上の者に対して、貴人同士、時としては妻が夫に対して用いる言葉である[6]。すべての「Ngoko体」に対応する「Krama体」が存在するのではなく、大多数の語は「Ngoko体」と「Krama体」に共通して使われる「Ngoko・Krama共通語」である[7]

その他に「Krama Inggil語」と呼ばれる単語グループがあるが、これは日本語の尊敬語と謙譲語に当たる。単語としてのみ存在し、「Ngoko体」と「Krama体」の中で混ぜて用いられる[7]
方言

ジャワ語はいくつかの方言にわかれており、中でもa母音を持つ西部ジャワ語と?母音を持つ東部ジャワ方言の二大語群が主なものである[6]。西部ジャワ語はスンダ語に影響を受けており、東部ジャワ語と中央ジャワのジョクジャカルタやソロのジャワ語間にも一定の違いがみられる[5]。宮廷のある中部ジャワのソロ(Solo, スラカルタ Surakarta)、ジョクジャカルタの方言が最も純正なものと認められており[6]、新ジャワ文学の大部分はSoloで書かれている[1]

Tembung (jav-tem)

Jawa Halus (jav-jaw)

Pasisir (jav-pas)

Manuk (jav-man)

Indramayu (jav-ind)

音韻的特徴と発音

ジャワ語の音素は、7母音/a, ?, e, ?, i, o, u/と、20子音/p, t, ?, c, k, b, d, ?, ?, g, m, n, ny, ng, y, w, r, l, s, h/から成る[1]。母音・子音の音韻体系とその特徴は以下の通りである[8][9][10]
母音

前舌中舌後舌
[i][u]
半狭[e][?][o]
半広[(?)][(?)]
[a]

正書法では、/a/はa、/?,e,?/はe, e, e と書かれる。/a/は[a]のほか[?]をもつが、これは標準語の特色である。ただし、正書法では[a]と区別されない。

a: ジャワ語では語尾開音節の a は常に aと発音され、一つ手前の音節も a で終わっているときはその影響を受けて a の発音となる[1]。a は英語の water のa[?]に等しい。例えば、apa「何」は「オポ」、tampa「受け取る」は「トンポ」となる。ただしこの例外として、以下のものが挙げられる。 ora(オラ)(否定詞)、arta(アルト)「お金」、tanpa(タンポ)「?なしで」等。a は開音節では長く発音され、閉音節では短いが音節境界に鼻音がある場合は長化する。

e: 口の形を大体日本語の「イ」ないしは「エ」にして「ウ」と発音すると似た音が得られる。 例:baras(ブラス)「米」、kena(クノ)「?してもいい」、endi(ウンディ)「どこ」

e: 日本語の「エ」よりも少し口を横に開いて発音する。例:teken(テクン)「サインする」、yen(イェン)「?ならば」、seket(セクッ)「50」

e: 日本語の「エ」よりもずっと口を横に開いて発音する。例:meja(メジョ)「テーブル」、mepe(メペ)「干す」、suwe(スウェ)「長い間」

o: u のように区とをすぼめて突き出すようにして発音する。i 又はek が後続すると開音節では長短の中間意になる。その他のo は常に短く発音される。例:ora(オラ)(否定詞)、kono(コノ)「そこ」、ombe(オンベ)「飲む」

u: 例:kayu(カユ)「木材」、tugu(トゥグ)「塔」、tuku(トゥク)「買う」

i: 開音節では長く発音されるが、閉音節(但し鼻音閉じを除く)では短い。日本語の「イ」よりもっと横に口をあけて発音される。


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