ジャムセッション
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ジャムセッション(: jam session)とは、本格的な準備や、予め用意しておいた楽譜、アレンジにとらわれずに、ミュージシャン達が集まって即興的に演奏をすること[1]である。特にこれを重視するバンドジャム・バンドという[1]。類似語としてアドリブやインプロヴィゼーション(即興)がある[1]
概要

ジャム (: jam) の語源は、食品のジャムに由来していると推測されており、"something sweet, something excellent."(甘い感じ、素晴らしい感じ)を表した表現として1929年に生じた言葉とされている[2]。"short, free improvised passage performed by the whole band"(バンド全体による、短い、自由な掛け合い)と言及されている。言葉のこの使い方の由来はよくわかっていないが、他の新しく生まれ出た言葉、「hip」や「hep」や「hepcat」などのように、音楽ジャズから英語に入ってきたものだと見做されている。

ジャムという言葉は、広い意味では、ロックやジャズの演奏中のひらめきによる即興演奏の部分を指している。ジャムセッションという言葉は、新しいフレーズを探したり、感性に合ったアレンジを見つけたりする作業を指しても使われる。あるいは集まって演奏することや、一緒に練習したりすることを指しても使われる。
ジャズ・シーン

ニューヨークのジャズシーンは、閉店後のジャムセッションで有名だった。最も有名な閉店後のジャムセッションの1つは、1940年代から1950年代早期にMinton's Playhouseで行われていたものである[3]。Minton's Playhouse でのジャムセッション (Minton's jams) は豊かで、創造性に富んだ演奏の場で、ベン・ウェブスターレスター・ヤングなどのような今や認められているソロイストたちの実験場となっていた。そこに参加した若いジャズミュージシャン達は、やがてビバップムーブメントをリードする代表的な演奏家になっていった[1]。Minton's house のピアニストだったセロニアス・モンクや、チャーリー・パーカーディジー・ガレスピーらである。Minton's jams は、そのレベルの高い"カッティング・コンテスト/cutting contest"が伝説となっている。ソロイスト達は、Minton's house のバンドとの伴奏を維持しながら、互いに即興演奏を掛け合う技術を磨いた。
R&B/ファンク・シーン

ジェームス・ブラウンのJBs[注釈 1]、ブッカーT&MGズ[注釈 2]、ジョー・テックスのバック・バンド、バーケイズなどが、曲の間奏部分で優れたジャム/インプロヴィゼーションを披露している。
ロック・シーン

ポピュラー音楽やロック・ミュージシャンの楽器演奏の熟練度は、1960年代半ばから1970年代初期にかけて向上した。演奏の中でジャムをすること、ジャミング(jamming) はロックの演奏のなかで普通にフィーチャーされるようになった。クリーム[注釈 3]やThe Jimi Hendrix Experience、グレイトフル・デッドオールマン・ブラザーズ・バンド は、ライブのなかの要素の1つとして、15分以上のジャムを展開することもあった。録音された演奏(レコード)の例としては、エリック・クラプトンの1970年代早期のバンド デレク・アンド・ザ・ドミノスアルバム Layla and Other Assorted Love Songs25周年記念エディションが一つの例である。デレク&ドミノスと、オールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールマンのジャムだが、オールマンは秀逸なギター・プレイを披露している。

他の録音されたジャムとしては、ジョージ・ハリスンのオール・シングス・マスト・パスの追加トラック"Apple Jam"が挙げられる。1970年に発売されたジョージ・ハリスンのソロアルバムで、多くのセッションミュージシャンがフィーチャーされている。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 「パス・ザ・ピース」など、ファンクの傑作多数
^ 「グリーン・オニオンズ」はインストだが、ポップチャートでもヒットした
^ 「クロス・ロード」でのジャム、ギターソロは秀逸であると評判だった

出典^ a b c d アドリブ・ギター虎の巻?ジャズ/フュージョン編?、p8


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