ジャミラ_(ウルトラ怪獣)
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ジャミラ
ウルトラシリーズのキャラクター
初登場『ウルトラマン』第23話
作者成田亨(デザイン)
高山良策(造型)
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ジャミラは、特撮テレビドラマウルトラマン』をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する架空の怪獣。別名は棲星怪獣(せいせいかいじゅう)。
『ウルトラマン』に登場するジャミラ

諸元ジャミラ


JAMILA
[1]

JAMYRA[2]

JAMILAR[出典 1]

別名棲星怪獣
身長50 m[出典 2]
体重1万 t[出典 3]
出身地地球[10][11][注釈 1]

ウルトラマン』第23話「故郷は地球」に登場。

元々は、宇宙開発競争が頻発した時代に某国が打ち上げた人間衛星に乗る宇宙飛行士「ジャミラ」[注釈 2]であり、正真正銘の地球人であった[5]。事故に遭って水や空気のない惑星[注釈 3]へ不時着し、救助を待つ間にその異常な気候風土に身体が適応して皮膚が粘土質に変化した結果、ずっと欲していた水を不要として生きられる怪獣と化した[5]。ミッションの失敗を国際批判されることを恐れて事故を隠蔽し、救助を出さず自分を見捨てた母国へ復讐するため、修理・改造を施し常人には視認不可能な高速回転を可能とした見えないロケット[12](不可視の円盤[5])で地球へと帰還。国際平和会議の出席者たちを乗せた旅客機や船舶を乗機からの攻撃で次々と墜落させるが、科学特捜隊にスペクトルα、β、γ光線で乗機の位置を見破られて撃墜され、その姿を現す[5]。最大の武器は、口から吐く100万度の高熱火炎[出典 4](サッチファイヤー[5])と、インド象の5000倍の腕力[14][13]

前述の適応ゆえに火や熱には強いが、水が最大の弱点となっている[5]。アラン隊員を介して「ジャミラが元は人間だった事実を公表せずにあくまでも1匹の怪獣として倒せ」とパリ本部からの命令を受けた科特隊による人工降雨弾攻撃には苦しみながらも耐えぬいた。しかし、ウルトラマンのウルトラ水流には耐えられず、這いつくばって国際平和会議会場の万国旗を潰し、絶命する[5]

その後、国際平和会議会場の傍らには生前の功績を称えた後述の墓碑が建てられる[5]が、それを見たイデ隊員は「犠牲者(ジャミラ)に対する人間のエゴにすぎない」と唾棄し、最後にジャミラの鳴き声で本話は締められた[注釈 4]

スーツアクター:荒垣輝雄[出典 5]

名はアルジェリアの独立運動家であるジャミラ・ブーパシャから取られており[16]、彼女を扱ったノンフィクション『ジャミラよ朝は近い』[注釈 5]をヒントにしたという[18]。また、劇中でジャミラの正体を最初から知っていたのがアラン隊員のみである。ジャミラの墓碑銘がフランス語で綴られている[注釈 6]など、前述のヒントによって劇中での一連の件にはフランスが深く関与していたことが示唆されている。

ジャミラの断末魔の悲鳴は、人間の赤ん坊の泣き声を加工したもの[16]

番組終盤に一瞬写る墓碑銘の記載によれば、ジャミラの生没年は1960年 - 1993年とされている。

本話で監督を務めた実相寺昭雄は、後年に監督を担当した映画『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』にも組み込み、劇場公開されている。予告でのクレジットは「せい星怪獣 ジャミラ」。

デザイン担当は成田亨。頭部と同等の高さに配置された肩、変形させた人体のシルエットを崩したプロポーションや、干からびたイメージで構成された全身など、人が中身に入った着ぐるみにおける制約への挑戦を意図していたとされる[出典 6]。脚本では、頭部以外が鱗に覆われ、関節から炎が噴き出しているという描写であった[9][19]。特徴的な外見は、こぞって放送当時の子供たちが衣服の丸首の部分を頭に引っかけて真似されることがあった[11][20][注釈 7]

造型は高山良策が担当した[16]。第9話「電光石火作戦」に敏男役で出演していた山村哲夫は、フォームラバーの一枚成形であったと証言している[16]

準備稿ではウルトラマンとの戦闘中でもつれ合い、海中に落ちるという展開であった[16]

悲劇的なシナリオで知られる怪獣である反面、かつてジャミラを見捨てた某国とは無関係な人々の旅客機を墜落させる、民家を焼き払う、国際平和会議会場を破壊するなど、無差別の殺戮や破壊活動を行ったことは事実であり、その点からジャミラを一方的に被害者として扱うことには否定的な見解が語られることもある[注釈 8]。劇中でも、ジャミラの理不尽な破壊活動に憤ったイデの叫びに、ジャミラが一瞬我に返ったかのように破壊を止めて立ち止まるシーンが入っており、復讐によって「被害者」が「加害者」に転じる不条理をも描いている。

劇中でジャミラの目から光が消えるシーンは断線による想定外のアクシデントだったが、特技監督の高野宏一は「この方がジャミラの悲しみをより表現できる」と瞬時に判断し、撮影を続行した。


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