ジャック・ドゥルーアン
Jacques Drouin
2017年カナダ、ケベック州モントリオールの映画館シネマテーク・ケベコワーズ(Cinematheque quebecoise
ジャック・ドゥルーアン(英:Jacques Drouin、フランス語: [?ak d?w??] ; 1943年5月28日[1] ? 2021年8月28日) [2]は、カナダ・ケベック人のアニメーター。
生涯に渡り、世界で最も稀有なアニメーション技法であるピンスクリーンアニメーションで制作をした。代表作「心象風景/マインドスケープ」はオタワ国際アニメーションフェスティバル特別審査員賞。画家が絵の中に足を踏み入れ、自身の心象風景に出会っていく物語を幻影的に描き出した。また、人形とピンスクリーンアニメーションをコラボレーションさせた「ナイトエンジェル」や、ピンスクリーンアニメーションをカラー化させた「狩猟レッスン」など様々な実験に取り組んだ。テレビスポーツ番組の映像や画像編集の仕事も務め、仕事で関わった作品も含め数多く受賞。1981 - 2004年はカナダ国立映画庁(NFB)の常勤取締役を務めた。退任後、ピンスクリーンアニメーションのマスタークラスを設立し、ミシェル・レミューへ技術を伝えた。2021年8月28日 、78歳で脳卒中によって亡くなる。現在NFBビル(Ilot Balmoral)モントリオール本部にある一室は、ジャック・ドゥルーアンの作品名にちなんで「マインドスケープ(Le paysagiste)」と名付けられている。 [1] ピンスクリーンアニメーションは、1930年代にアレクサンドル・アレクセイエフとクレア・パーカーによって開発された技法である。 二人は1965年にピンスクリーンの初期モデル(プロトタイプ)を完成させ、それから更にNFBで研究を重ね、1970年に新しいピンスクリーンを3つ作った。その内の1つをジャック・ドゥルーアンは「アレクセイエフのピンスクリーンに関する3つの演習(1974年)」から「インプリント(2004年)」まで、作品制作に使用した。それが、「nouvelecrand’epingles(NEC)ピンスクリーン」である。 NECは、剛性のあるフレームに保持されたビニールスクリーンを介して独自の穴に挿入された240,000本のピンで構成されている。 構成としては、まずフレームがあり、ピン(ピアノ線)を通したチューブがフレームに並べられている。一列並べたらその上にまたチューブを置いていき、並べ終わったら上から圧力を加えて固定して完成されている。 「チューブシステムの良いところは、すべてのピンに均等な圧力が加えられる点ですね。また、穴の部分は小さいから、撮影すれば目立たなくなって、問題にはなりません。」 「nouvelecrand’epingles(NEC)」は1972年にNFBに買収された。何十年もの間、世界で唯一機能しているピンスクリーンであった。 ジャック・ドゥルーアンの後継者、ミシェル・レミュー 「ピンスクリーンテクニックには作り手を触発する力がある。制作中にアクシデントが起こると、そこに自分の考えていなかった新しい発見をしたり。」 「そのなかで「これだ!」というもの(第3部「時の移ろい」)を作品にしたのが『風景画家』です。 「今(※2000年当時)使われているのはモントリオールの1台だけですね。同じタイプのピンスクリーンが3つ、パリにありますが、知る限りでは使われていないようです。作品の計画もあったんですが、それも20年前のことで、いまだに何も作られていません。」[3] また、ジャック・ドゥルーアンは1965年に開発された初期モデル(プロトタイプ)をデモンストレーション用に使った。[3]ジャック・ドゥルーアンと、初期モデルのピンスクリーン
作品視聴方法
ピンスクリーンアニメーション
nouvelecrand’epingles(NEC)
1972年、新しく開発したピンスクリーンがNFBに買収される
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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