ジャイロセンサー
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航空機用のジャイロスコープ

ジャイロスコープ(英語: gyroscope)とは、物体の角度(姿勢)や角速度あるいは角加速度を検出する計測器ないし装置。ジャイロと略されることもある(ジャイロセンサと呼ばれることもある)。
目次

1 概要

2 歴史

3 原理

4 ジャイロスコープの種類

4.1 機械式

4.1.1 回転型

4.1.2 振動型


4.2 流体式

4.2.1 ガス型(ガスレートジャイロ)


4.3 光学式

4.3.1 光ファイバージャイロ (fiber optic gyro, FOG)

4.3.2 リングレーザージャイロ (ring laser gyro, RLG)


4.4 量子式 (Quantum gyroscope)

4.4.1 量子ジャイロスコープ



5 性能の評価

6 主な応用先

7 関連項目

概要 ジャイロスコープ ジャイロスコープの動作

航空機ロケットの自律航法に使用される。最近ではカーナビゲーションシステムや自動運転システム、慣性航法装置ロボットスマートフォンデジタルカメラ無人偵察機などでも用いられている。マルチコプターでも活用されており、ラジコン玩具として一般に市販されたものとしては初期のもののひとつであるキーエンスの「ジャイロソーサー」は同社の超小型ジャイロを応用した製品であった。ジャイロとはギリシャ語 gyros で、対応する日本語は「輪」である。近年ではMEMSにより小型化が進み、応用分野が広がっている。
歴史

こまを利用するものを発明したのは1817年ドイツのヨハン・ボーネンベルガー(英語版)で、1832年にウォルター・R・ジョンソンが「ロタスコープ (rotascope)」と名付けた。1836年、スコットランドの数学者エドワード・サング(英語版)が地球自転の検出に使うことを提言した。その後、1852年にフランスレオン・フーコーが地球の自転を証明しようと実験した際に呼んだ「ジャイロスコープ」の方が一般に広まったため、フーコーの発明品だとする記述もあるが、彼が発明したのはあくまで「名称」である。地球の自転の検出の方は製作技術の不足で失敗に終わった。ジャイロスコープが実用に至ったのは後の研究者によるもので、1865年頃の実験器具カタログに記載が見られる。ジャイロスコープのメカニズムに加えて、ジャイロモーメントによって常に一定の方位を示すような仕組みのあるジャイロコンパスができたのは1908年である。

20世紀には、こま以外の各種の方式(次節)が発明された。
原理 出力軸、入力軸、スピン軸 アニメーション

角(加)速度を検出する方法は大きく2つにわけることができ、

機械力学的な効果を利用する方法として、

いわゆるジャイロ効果を利用するもの(回転型)

放射方向への振動やガス流に対する「見掛けの力」であるコリオリ力による影響を利用するもの(振動型、ガス型)

光学的な干渉を利用する方法として

サニャック効果(光学式)

がある。
ジャイロスコープの種類

ジャイロスコープの種類としては角運動量保存の法則コリオリの力を利用する機械式と流体式、またサニャック効果を利用する光学式のものがある。
機械式
回転型

いわゆる「こま」、フライホイールを用いた方式である。回転する物体はその回転状態を維持する(慣性の法則角運動量保存の法則)。こまの回転面を傾けるような外力が加わると、元の状態を維持しようとするため慣性力が発生する。この回転するこま(物体)に加わる慣性力を検出することで、外力によって発生した物体の角速度を検出する。大きな(重い)サイズのこまを用いることで、分解能が向上し、安定性も向上させることができる。しかし、この大きさがもっとも重大な欠点ともなる。大きいほど起動時間が長くなり、こまの駆動のための消費電力が大きくなる。また、ベアリングの摩耗などのために定期的なメンテナンスが必要である。最も古くから使われている。

ドライ・チューンド・ジャイロまたはダイナミカリー・チューンド・ジャイロ (DTG) とは、内部の回転体がある高速回転速度に達した時に回転軸への機械的拘束力が極小になる設計としたもので、ジャイロ1個で2軸の角速度検出が行える。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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