ジャイアントロボ THE ANIMATION
-地球が静止する日
ジャンルバトル、アクション、ロボットアニメ
OVA
監督今川泰宏
アニメーション制作ムー・フィルム
『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』(ジャイアントロボ ジ・アニメーション ちきゅうがせいしするひ、英表記:GIANT ROBO THE ANIMATION -THE DAY THE EARTH STOOD STILL)は、日本のOVA作品。1992年から1998年まで、5年半にわたり全7話が発売された。
漫画・小説・テレビゲーム化されているほか、外伝として3作のOVAとCDドラマ1作がある。 横山光輝原作の特撮テレビ番組『ジャイアントロボ』を原案とし、主人公、主役機体もそちらから選ばれている。本作はロボットアニメに分類されるものの、超人格闘シーンも大きな魅力である。また、父と子の絆という点にドラマ性を持たせている。 スター・システムにより横山光輝作品の様々なキャラクターが登場し、ドラマを繰り広げるが原案からの敵味方関係の逆転が多く、元々善の主人公のバビル2世が敵首領「ビッグ・ファイア」になる一方、逆に敵役ヨミが主人公側トップ「黄帝・ライセ」になったり、十傑集の中では敵味方が協力する間柄になっていたりする。 音楽は天野正道が作曲し、常任指揮者を務めたワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団によりフルオーケストラで演奏され、のちに交響組曲「GR」として管弦楽・吹奏楽編成による編曲もされた。特に吹奏楽版『交響組曲第2番「GR」より』、『「GR」より シンフォニック・セレクション』などは、現在でも吹奏楽コンクールなどでしばしば演奏されている。全7作それぞれにすべて異なる楽曲が作られた一方、本編では一曲も主題歌・ポピュラー系挿入歌がない(クラシック系歌曲は数曲ある)。反面、作画及び音楽へのこだわりが資金面・製作時間的に完結まで長期間を要する原因となった[注 1]。 2007年に製作された『GR-GIANT ROBO-』とは原作が同じであるが直接的なつながりはない。 来るべき近未来。完全無公害・完全リサイクル可能な夢のエネルギー源、シズマドライブの恩恵で、人類は未曾有の繁栄のときを迎えていた。しかしその裏側では、世界征服を企む秘密結社BF団と、BF団を阻むために組織された国際警察機構がしのぎを削っていた。草間大作少年もまた、国際警察機構のエキスパートであり、史上最強のロボット・ジャイアントロボを操り、BF団と闘ってきた。 嵐の古城に集まった4人、BF団のエージェント幻夜・呼炎灼・衝撃のアルベルト・オロシャのイワン。彼らの前に黒いアタッシュケースは2つ、作戦の遂行にはもう1つのアタッシュケースの奪還が必要だった。 夜の南京にて、BF団のエージェントに追われているシズマドライブの発明者・シズマ博士を銀鈴、鉄牛は救助するが、BF団の怪ロボット維新竜・暁に追い詰められてしまう。あわやという時、貨物船から草間大作の声とともにジャイアントロボが現れ、維新竜を撃退した。シズマ博士は黒いアタッシュケースを抱えており、その中には一本のシズマ管のサンプルが収められていた。 同じ日、パリでは、市街地が円形に隆起し、エネルギー停止現象が観測される。それはシズマドライブの開発過程で起きた大事故「バシュタールの惨劇」に酷似していた。現場に駆け付けた国際警察機構パリ支部のエキスパート・村雨健二は、シズマドライブの共同発明者達の死体と、バシュタールの惨劇の元凶とされる科学者・フォーグラー博士を目撃する。 国際警察機構北京支部の中条長官・呉用に保護されたシズマ博士は、何かに怯え口をつぐんだままだった。 翌晩、北京支部はシズマ博士とサンプルの奪還を狙うBF団十傑集・衝撃のアルベルトと呼炎灼の襲撃を受ける。九大天王の戴宗がアルベルトを足止めしている隙に、大作・呉用・銀鈴・鉄牛はシズマ博士を連れて支部を脱出するが、彼らの前にBF団の怪ロボット・ウラエヌスが立ちはだかる。 草間大作の危機的状況にジャイアントロボの緊急システムが発動し、怪ロボット・ウラエヌスを急襲するが強力なバリアに全く手が出ない。窮地の戴宗のもとにも楊志・一清道人が助っ人に入り、アルベルト・呼炎灼を退ける。 大作を人質に取りサンプルを手にしたオロシャのイワンは、何も知らない大作に「バシュタールの惨劇」の史実を語る。 約10年前シズマドライブ開発チームの一人であったフォーグラー博士が功を焦って実験を強行、シズマドライブの実験炉心が暴走し、バシュタール公国全土を蒸発させてしまった、さらにその後・・ イワンの言葉を遮るようにシズマ博士はサンプルを奪い、乗ってきた車のエンジンを使いアンチ・シズマフィールドを発生させ、周囲はおろか北京中の電力を消失させてしまった。パリの2本のサンプルも影響を受けてしまったため、幻夜は作戦を早めて大怪球フォーグラーを浮上・起動させた。パリに現れたフォーグラー博士は全世界に「シズマドライブへの復讐」を宣言した。 北京中の電力が消失し、ウラエヌスも起動を止めた中、ジャイアントロボのみが影響を受けずイワンを捉える。銀鈴がサンプルを外しアンチ・シズマフィールドを解除すると、イワンは隙を突いてウラエヌスの頭部で、ジャイアントロボの追撃砲をかわし海中へ逃げ去った。 イワンに撃たれて虫の息になったシズマ博士は、贖罪しジャイアントロボと草間大作が大怪球フォーグラーを止める切り札だと語り息を引き取った。ジャイアントロボの動力源はシズマドライブではなく、旧世代に封印された原子力だった。 国際警察機構はBF団を辛うじて撃退するが、シズマ博士はBF団のエージェントに撃たれ、大作の目の前で息絶える。一方、欧州と北アメリカの主要都市を沈黙させた大怪球は、太平洋を渡洋して東アジアに接近する動きを見せる。エキスパートの呉学人は、大怪球は地球最後の油田・上海油田を狙うはずと推理し、上海で大怪球を迎え撃つ電磁ネット・ワイヤー作戦を立てる。しかし、九大天王の中条長官は、作戦への鉄牛と大作、そしてジャイアントロボの参加を認めず、硬式飛行船グレタ・ガルボで梁山泊に向かうよう命じる。納得のいかない大作は中条長官に食ってかかる。「今さらロボの原子力が怖いっていうんですか?」ジャイアントロボは原子力で動いていたのだ。シズマドライブの普及した今日、強力だが危険なエネルギー源である原子力は地上からほぼ廃絶され、BF団さえ放棄している。しかし、国際警察機構だけはジャイアントロボの動力源を秘匿し、BF団との戦いに投じてきた。大作は考える――。シズマドライブに頼っていないジャイアントロボなら、大怪球と戦えるはずだ。でも、もし戦えば動力源の秘密が世界中にばれてしまう。中条長官はそれを恐れているのかもしれない。 呉学人の予想は的中し、大怪球は上海に上陸する。戴宗たちは電磁ネット・ワイヤー装置で大怪球を捕獲し、電磁気の反発力で宇宙に放り出そうと試みるが、突如出現したウラエヌスに装置を破壊される。作戦が危機に瀕したそのとき、グレタ・ガルボが上海上空に現れ、ジャイアントロボを投下する。鉄牛と大作が中条長官の命令を無視し、駆けつけてきたのだ。ジャイアントロボはウラエヌスを撃破し、戴宗たちの危機を救う。しかし、シズマ博士の敵討ちにはやる大作は、戴宗と銀鈴の制止に構わず、大怪球に挑みかかる。ジャイアントロボは大怪球に鉄拳を放つが、その拳は無残に砕け散った。 大怪球フォーグラーに右腕を砕かれ上空から墜落して動けなくなったジャアントロボと草間大作。救助に向かった一清道人・銀鈴は、サンプル奪還を狙った幻夜・アルベルトを退け、銀鈴の命を削ったテレポーテーションで難を逃れる。
概要
あらすじ
Episode:1 黒いアタッシュケース
Episode:2 バシュタールの惨劇
Episode:3 発令! 電磁ネットワイヤー作戦 上海に墜つ…
Episode:4 豪傑たちの黄昏 ?勝利の鐘、未だ響かず?
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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