ジヌー
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彼らサイエントロジーの的、ジヌーのコスプレをした批評家サイエントロジー教祖のL・ロン・ハバード と Thomas S. Moulton(1943年)

ジヌー(XenuあるいはXemu(発音は/?zi?nu?/[1][2][3]))は、サイエントロジーの創設者でSF作家L・ロン・ハバードによると、「銀河連合」のかつての独裁者で、七千五百万年前に何十億[4]という市民をダグラス DC-8に似た宇宙船で地球に連れて来て、火山のふもとに積み上げて、水素爆弾で殺した。サイエントロジーは「殺害はしたものの、これら多くの人々の精は残っており、現代になって生じてきた人間は、元からいた人間たちにスピリチュアルな害を与えている」ということを信じている[1][5]サイエントロジー教会のメンバーはジヌーの物語を広く否定し、隠そうとしている[6][7]

これらの出来事はサイエントロジー内では「IncidentII」(第2の出来事)として知られており[8]、そのトラウマ的な出来事は「炎の壁」と関係している。このジヌーの物語は、地球外文明と、地球初期の出来事のエイリアンによる侵略についてのサイエントロジーの教義の一部であり、ハバードはその教義を全体として「スペースオペラ」と表現した。ハバードはオペレイテリング・セイタン・レベルV(教会内のランク付けのひとつ;略記 OT III)に1967年、明らかにしたのだが、その資料を解析しようとするものは肺炎その他で死ぬと警告した[9][10]

ジヌーの物語はサイエントロジー教会の極秘の「上級技術」[8]の1部であり、ふつうはもうすでに多額の金を教会に貢いだものにしか明かされない[11]。教会はジヌーに公の場で言及することを避け、著作権や企業秘密に基づいた訴訟を含む物語の守秘を保つための相当な努力をしてきた[12]にもかかわらず、多くのジヌーに関する資料が法廷の文書や、ハバードのノートのコピーや、インターネットを通じて漏洩してきている[6]
概要2004年のDC-8型飛行機。ハバートはジヌーの宇宙船をDC-8の「ファン」(エンジンの意味)の無い外見をしているものとして描いた[13]

ジヌーの物語はOT IIIで扱われている。OT IIIとはサイエントロジーにおける秘密の「上級技術」教義で、多くの高額なオーディティングを終え、クリアーと呼ばれる状態に至ったものにのみに教えられる[8][11]。物語は1968年10月3日に行われた内密な「補助」講義と、脚色された『星々の反乱(原題:Revolt in the Stars)』(ハバートによる1977年の映画脚本)により詳しく描写されている[8][14]

ハバードは次のように書いた。七千五百万年前、ジヌーは26の恒星と76の惑星からなる銀河連合の支配者だった。惑星の中には地球も含まれ、そのときには「ティージーアック」という名前で知られていた[4][10]。惑星は人口過剰に苦しんでおり、その人口は平均千七百八十億人にも上った[1][5]。銀河連合の文明は我々のそれと比較することができ、エイリアンたちは「服を着て歩き回り、その服は驚くほど現在の我々のものと似ていて」、そして車や列車、そしてボートを用いていたが、それらは1950?1960年代の地球とまったく同じ外見をしていた[15]

ジヌーは権力から追いやられようとされていて、彼は過剰な人口を領地から消し去る計画をたくらんだ。精神科医の手助けによって、所得税の調査と偽って、彼は何十億人もの市民を呼び出した[4]。次に市民の魂を捕らえるために彼らを麻痺させ、アルコールグリコールを混ぜたものの中へ冷凍した。さらわれた人々は宇宙船に積み込まれ、絶滅の地・ティージーアック(地球)へと運ばれた[4]。これらの宇宙船の外見は、後にそれとなくダグラスDC-8のデザインだと表現されている。ただ1つの違いは、「DC-8はファンとプロペラがあったが、宇宙船には無かった」ことである[13]。それらがティージーアック/地球にたどり着いたとき、麻痺した人々は世界中の火山のふもとに下ろされた。[4][10] そのとき水素爆弾が火山という火山の中に沈められ、同時に爆発した[10]。ほんのわずかなエイリアンの肉体だけが生き延びた。ハバードはこの場面を彼の映画脚本、『星々の反乱』で以下のように表現している:いっせいに、埋め込まれていた爆発物が噴火した。水爆の爆風がロアの、ヴェスヴィオの、シャスタ の、ワシントンの、フジヤマの、エトナの、そしてそのほかのたくさんの火口からキノコ雲を上げた。弓なりに高く高く、上へ外へと、そそり立つ雲はキノコ状に広がり、炎と荒廃、そして核分裂が入り混じっていた。すさまじい風が地球の表面を荒れ狂うように駆け巡り、崩壊の物語を広げていった。... ? L. ロン ハバード 『星々の反乱』[8]

もはや非肉体化された被害者たちの「魂」は(ハバードはこれをセイタンと呼ぶのだが)、爆発によって風の中に吹き払われた。それらはジヌーの使う「電気リボン」(「それはまた定常波の一種であるのだが」)の力によって捕らえられ、世界中の「真空地帯」に吸い込まれた。何千億[4]ものセイタンはある種の映画に連れて行かれ、そこで彼らは無理やり「3次元の、超巨大映画」を36日間見させられた。このことは無力なセイタンたちの記憶にハバードが言うところの「さまざまな誤ったデータ」を埋め込み(正確な用語はR6 implant)、「それはや悪魔や、スペースオペラや、そのほかにまつわるものだった」。これは世界宗教を含み、ハバートは特にローマ・カトリックキリストの磔刑のイメージの性質がジヌーの影響下にあると考えた。ハバートが言う2つの「埋め込みの場所」は、ハワイと、カナリア諸島ラス・パルマス県にあると言われている[16]

新たな信仰をセイタンたちに埋め込むことに加え、映像は彼らの自己同一性の感覚を奪った。セイタンたちが上映場所から去ったとき、彼らは数千のグループに集まっていき、お互いの違いを認識する能力を失っていた。各々のセイタンの集まりは爆発を生き延びた肉体のひとつに集まった。これらはボディ・セイタンとして信者に知られるものになり、それらは必要な段階を踏みボディ・セイタンを取り除いたサイエントロジー信者以外のものにしがみつき、悪影響を与えていると言われている[10]

ロイヤル・オフィサーとして知られる政府の派閥はジヌーと彼に味方する反逆者たちを屈服させ、いまだ逃れられていない「電気の山の罠」に閉じ込めた[6]。ジヌーの居場所は時々ピレネー山脈にあるといわれるものの、これはハバードが他の場所で太古の「火星人の報告基地」として挙げた場所である[17][18]。 ティージーアック/地球はそれ以降銀河連合から見捨てられ、下層の「監獄惑星」として今にいたっているが、エイリアンによる「侵略攻撃」に繰り返し苛まれている[4][19][20]

この秘密の数々をサイエントロジー教会から知るためには1988年において3,830UKポンドまたは3,500アメリカ合衆国ドルが必要で[21][22]、OT IIIの適任者になるための、100,000ドル以上する可能性がある先立つ金額とは別料金である。[6] ジヌーとボディ・セイタンを信じることは、サイエントロジー信者がさらに上級の「完全なる自由へのブリッジ」に進むための必要条件である[23]
サイエントロジーの教義

サイエントロジーの中では、ジヌーの物語は「炎の壁」か「第2の出来事」として言及されている[8][10]


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