ジキル_(テレビドラマ)
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『ジキル』(Jekyll)は、Hartswood FilmsとStagescreen Productionsが制作し、BBC Oneで2007年6月から7月まで放送されたテレビドラマシリーズ(ミニシリーズ)。スティーヴン・モファットの脚本により、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説『ジキル博士とハイド氏』の続編として制作された。
放送

『ジキル』は、イギリスのBBC Oneで土曜日夜9時に放送されていた。ただし、7月7日はLive Earthチャリティライブがその時間帯に放送されたため、第4話の放送が第3話の放送2週間後になってしまった。BBCアメリカでは、8月4日からスーパーナチュラル・サタデーの一環として放送された。オーストラリアでは、2008年3月2日からABC1で毎週2話ずつという形で放送された。カナダでは、2007年8月末からショウケースで放送された後、2008年3月26日から、毎週水曜日夜10時よりBBCカナダで放送された。また、2009年2月11日からは香港の明珠台でも11時55分より放送され[1]、同年夏からはオランダの会員制ケーブルチャンネル13th Streetでも放送された。イギリスで放送される際、土曜日夜9時という時間枠の関係もあって、不適切な言葉を一部差し替えるという事態が起きた。たとえば、ハイドのWho the fuck is Mr Hyde?というせりふは Who the hell is Mr Hyde?に差し替えられた[2]。なお日本では、WOWOWで字幕版が放送され、DVDも字幕版のみ収録された。いずれも吹き替え版は存在しない。
制作
企画

Stagescreen Productionsのジェフリー・テイラーは、 1990年代半ばから現代版『ジーキル博士とハイド氏』をつくりたいと考えていた[要出典]。彼はそれをアメリカで3度試みたが、様々な理由で失敗した[要出典]。プロデューサーのエレイン・キャメロンがテイラーに超自然的なスリラー作品を作らないかと持ちかけた際、彼はそれを受け入れ、アメリカ合衆国西海岸からイングランドに戻り、Hartswood Films に参加した[3][4] 。それからキャメロンはプロデューサのスティーヴン・モファットにスクリプトを打診する形で接触し、2005年11月にはBBCのジェーン・トランター(en:Jane Tranter)とジョン・ヨーク(John Yorke)の2人によって、全6話のミニシリーズとして制作されることが決定した[5]。翌年2006年3月にはBBCアメリカが共同制作の契約を結んだ[6]

プロデューサーたちは定期的にモファットが開催したブレインストーミングに参加した。キャメロンの助手がやり取りをメモし、それを皆で読み再び話し合うというやり方だった[3] 。プロデューサーたちはモファットに、後で内容を整理するから何でも書いてほしいと頼み込んだ。しかし、書きとめたメモを読んで整理するという作業ははかどるものではなかった[3]。第1話の時点で主人公であるジャックマンは”自分の中にあるもう一人の自分”の存在について認識している。このようにキャラクターが発展した状態から話が始まったため、ジャックマンを演じたジェームズ・ネズビットは、第2シーズンから話が始まっているように感じたと振り返っている[3]

モファットは、 この番組を単なる『ジーキル博士とハイド氏』のドラマ化としてではなく、続編としてえがいている。ゆえに番組の世界においてジーキル博士は実在の人物として描かれており、主人公であるジャックマンは「現代において同じ悩みを抱える子孫」として描かれている[7]。『ジーキル博士とハイド氏』(Jekyll and Hyde)というフレーズはありふれたものであり、モファットは番組のタイトルをつけるのに苦労したが、ジーキル博士(Jekyll)といったら、ハイド氏( Hyde)が連想されやすいため、番組名は『ジキル』(Jekyll)にきまった[2]。なお、最終話の番組の原題は Jekyll with Hydeとなった[8]。プロデューサーのエレイン・キャメロンは一語の番組名はシリーズをより現代的なものに見せていると話している[9] 。モファットは当初主人公の名前をジーキル(Jekyll)のままにしようかと考えていたが、番組中でなぜ『ジーキル博士とハイド氏』の書籍が存在しないかということを説明するのが難しいとわかったため[2] 、本の存在を説明する代わりに主人公の名前をジャックマンに変更した。また、キャメロンは、ジャックマンがハイドと化した時、彼は何が起こっているかを理解できないために彼がとぼけた存在に見えてしまったと感じていた[3]

最終話においてトムとキャサリンの仲は少しずつ深まっていき、モファットは第2シーズンでその絆を発展させるつもりだったが[8] 、2011年現在第2シーズンの話は上がっていない。2007年8月に行われたThe Star-Ledgerのアラン・セピンウォールとのインタビューにおいて、モファットは、この番組の続編のアイデアが出来上がっており、BBCが興味を示してくれるだろうと話した[10]。なお、『ジキル』放送終了後、 スティーヴン・モファットは『SHERLOCK』というテレビドラマの共同脚本の担当者の一人に入っている。『ジキル』同様、このミニシリーズも、歴史上の架空の人物が21世紀の現代に生きるという内容である。(なお、『SHERLOCK』において、シャーロック・ホームズはコンサルタント業を兼任しているという設定になっている)
キャスティング看護師キャサリンを演じたミシェル・ライアンは、実際に英国王立精神医学会(en:Royal College of Psychiatrists)の指導を受けた上で演技を行った

2006年にMurphy's Lawの放送を控えていたジェームズ・ネスビットと彼のエージェントは、2005年後半ジェーン・トランターと会議を行った。会議の終盤、トランターは『ジキル』のスクリプトを渡し、もしこの役が気に入ったら教えてほしいと話した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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