ジカルボン酸(ジカルボンさん、dicarboxylic acid)は、2つのカルボキシ基をもつ有機化合物のことである。ジカルボン酸の分子式は HOOC?R?COOH と書くことができる(Rはアルカン、アルケン、アルキンなどから誘導される2価の置換基)。ジカルボン酸はナイロンやポリエチレンテレフタラートのような高分子の共重合に使われる。 一般にジカルボン酸は、モノカルボン酸と同じような化学的性質や反応性を示す。しかし、ひとつのカルボキシル基がイオン化すると、もうひとつカルボキシル基のイオン化は比較的起こりにくくなる。これは、生成するカルボキシラートイオンどうしの静電気的な反発によるものである。また、構造上2つのカルボキシル基が接近している場合は分子内脱水縮合反応を起こし、環状のカルボン酸無水物をつくる。 慣用名IUPAC名示性式構造式 典拠管理データベース: 国立図書館
性質
主なジカルボン酸
シュウ酸エタン二酸 HOOC − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-COOH}}}
マロン酸プロパン二酸 HOOC − CH 2 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-CH2-COOH}}}
コハク酸ブタン二酸 HOOC − ( CH 2 ) 2 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-(CH2)2-COOH}}}
グルタル酸ペンタン二酸 HOOC − ( CH 2 ) 3 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-(CH2)3-COOH}}}
アジピン酸ヘキサン二酸 HOOC − ( CH 2 ) 4 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-(CH2)4-COOH}}}
ピメリン酸ヘプタン二酸 HOOC − ( CH 2 ) 5 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-(CH2)5-COOH}}}
スベリン酸オクタン二酸 HOOC − ( CH 2 ) 6 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-(CH2)6-COOH}}}
アゼライン酸ノナン二酸 HOOC − ( CH 2 ) 7 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-(CH2)7-COOH}}}
セバシン酸デカン二酸 HOOC − ( CH 2 ) 8 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-(CH2)8-COOH}}}
フタル酸ベンゼン-1,2-ジカルボン酸
o-フタル酸 C 6 H 4 ( COOH ) 2 {\displaystyle {\ce {C6H4(COOH)2}}}
イソフタル酸ベンゼン-1,3-ジカルボン酸
m-フタル酸 C 6 H 4 ( COOH ) 2 {\displaystyle {\ce {C6H4(COOH)2}}}
テレフタル酸ベンゼン-1,4-ジカルボン酸
p-フタル酸 C 6 H 4 ( COOH ) 2 {\displaystyle {\ce {C6H4(COOH)2}}}
関連項目
酸無水物
カルボン酸無水物
ドイツ