ジエチルエーテル
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この項目では、エーテルの一種であるジエチルエーテルについて説明しています。エーテル一般の化学的性質については「エーテル (化学)」をご覧ください。

Diethyl ether



IUPAC名

エトキシエタン Ethoxyethane
別称Diethyl ether; Dether; Ethyl ether; Ethyl oxide; 3-Oxapentane; Ethoxyethane; Diethyl oxide; Solvent ether; Sulfuric ether
識別情報
CAS登録番号60-29-7 
PubChem3283
ChemSpider3168 
UNII0F5N573A2Y 
KEGGD01772 
ChEBI.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul{line-height:inherit;list-style:none none;margin:0;padding-left:0}.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol li,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul li{margin-bottom:0}

CHEBI:35702 

ChEMBLCHEMBL16264 
RTECS番号KI5775000
SMILES

CCOCC

InChI

InChI=1S/C4H10O/c1-3-5-4-2/h3-4H2,1-2H3 Key: RTZKZFJDLAIYFH-UHFFFAOYSA-N 

InChI=1/C4H10O/c1-3-5-4-2/h3-4H2,1-2H3Key: RTZKZFJDLAIYFH-UHFFFAOYAB

特性
化学式C4H10O
モル質量74.12 g mol?1
示性式CH3CH2OCH2CH3
又は (CH3CH2)2O
外観無色の液体
匂いpungent, sweetish odor[1]
密度0.7134 g/cm3, liquid
融点

?116.3 °C, 157 K, -177 °F
沸点

34.6 °C, 308 K, 94 °F ([2])
への溶解度69 g/L (20 °C)
蒸気圧440 mmHg (20°C)[1]
磁化率-55.1・10?6 cm3/mol
屈折率 (nD)1.353 (20 °C)
粘度0.224 cP (25 °C)
構造
双極子モーメント1.15 D (gas)
熱化学
標準生成熱 ΔfHo-271.2 ± 1.9 kJ/mol
標準燃焼熱 ΔcHo-2732.1 ± 1.9 kJ/mol
標準モルエントロピー So253.5 J/mol・K
標準定圧モル比熱, Cpo172.5 J/mol・K
危険性
安全データシート(外部リンク) ⇒External MSDS
主な危険性Extremely Flammable, harmful to skin, decomposes to explosive peroxides in air and light[1]
NFPA 704421
RフレーズR12 R19 R20/22 R66 R67
SフレーズS9 S16 S29 S33
引火点?45 °C (?49 °F; 228 K) ([4])
発火点160 °C (320 °F; 433 K) [4]
爆発限界1.9-48.0% [5]
許容曝露限界TWA 400 ppm (1200 mg/m3)[1]
最低致死濃度 LCLo106,000 ppm (rabbit)
76,000 ppm (dog)[3]
半数致死濃度 LC5073,000 ppm (rat, 2 hr)
6500 ppm (mouse, 1.65 hr)[3]
関連する物質
関連するエーテルジメチルエーテル
メトキシプロパン
関連物質ジエチルスルフィド
ブタノール (異性体)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジエチルエーテル(: diethyl ether)とは、エチル基とエチル基がエーテル結合した分子構造をしている有機化合物である。密度は0.708 g/cm3。特徴的な甘い臭気を持つ、無色透明の液体である。単にエーテルというときはこのジエチルエーテルのことを指す場合が多い。エチルエーテル、硫酸エーテルとも。IUPAC名ではエトキシエタンとも呼ばれる。溶媒や燃料として使われる。かつては吸入麻酔薬としても使われた。
利用
有機溶媒

溶媒抽出法に用いられる。にやや溶けやすく、オクタノール/水分配係数は0.89。比重が水より小さいため、有機層は水層の上に位置する。グリニャール反応などの有機金属化学溶剤としてもよく使われる。またアセチルセルロースなどの合成に使われる。
麻酔薬

有害性が問題視されたクロロホルムに替わる吸入麻酔薬として、医療用麻酔に用いられた。

特徴として、導入(意識を失うまでの所要時間)が遅く、筋弛緩作用が強く、呼吸器循環系への抑制作用は弱く、また7 - 10 %の気体濃度で使用するため酸素欠乏に陥りにくい[6]。さらに、麻酔深度の調節全域(マージン)が極めて広く、致死量が高いことから、導入に他の麻酔薬を適用し、維持麻酔薬として使う手法が確立されていた。

しかし、極めて引火点が低く、低い誘電率から静電気を帯びやすいため、密閉され電子機器が並ぶ近代的な手術室ではガス爆発リスクが高く、先進国では使用されなくなっている。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}発展途上国では現在も維持麻酔薬の主流であるが、新興国では手術室の改善が先行したがゆえの爆発死亡事故が複数生じている[要出典]。

副作用としては、刺激性が強いための原因となり、唾液腺気管支を刺激して多量に唾液などの分泌物を分泌させることがあり、吸引の準備が一般的である。
燃料

ジエチルエーテルは発火点が低く(160 ℃)、セタン価が85 - 96と高いことから、ディーゼルエンジンの燃焼助剤として利用できる。
飲用

19世紀から20世紀初頭にかけて、エタノールの代替品としてエーテルの飲用が行われることがあった。飲用の効果はエタノールとよく似ており、始めは上機嫌になり、そのうち酩酊して眠ってしまう。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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