ジェームズ・ボンド_(架空の人物)
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ジェームズ・ボンド
ジェームズ・ボンド』のキャラクター
ジェームズ・ボンドを演じるショーン・コネリー(1971年)
初登場『カジノ・ロワイヤル』 (1953)
作者イアン・フレミング
詳細情報
性別男性
職業諜報部員
肩書き中佐 (イギリス海軍予備員)
家族アンドリュー・ボンド (父親)
モニク・デラクロア・ボンド (母親)
配偶者トレーシー・ボンド (未亡人)
子供ジェームズ・スズキ (キッシーとの息子)
親戚ジェームス・ボンド・ジュニア(甥)
チャーミアン・ボンド (叔母)
マックス・ボンド (叔母)
国籍 イギリス
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ジェームズ・ボンド(James Bond, CMG, RNVR)は、1953年にイギリスの元スパイ小説家イアン・フレミングが創作した架空のイギリスのスパイであり、『ジェームズ・ボンド』シリーズの主人公である。 フレミングは彼を主人公とする12の小説と2つの短編小説を著した。
概要

ジェームズ・ボンドは秘密情報部(MI6)で国際的に活動するエージェントであり、コードナンバーは007。ロンドンに居住している。フレミングが第二次世界大戦中の海軍情報部隊での任務中に知った数名のコマンド部隊メンバーを基にした合成キャラクターであるが、フレミングは自身のスタイルや趣味に基づいてさまざまなものを加えている。フレミングは、ボンドの名前は同じ名前のアメリカの鳥類学者から借用したと述べているが、フレミングと一緒に働いていたウェールズのエージェント、ジェームズ・C・ボンドから名前を取ったという説もある[1]。ボンドは車、美食、アルコール、恋愛、そして1日60本のカスタムメイドのタバコを吸うことなどが趣味であり、こうした特性は本の至る所で一貫して見受けられる。

1964年8月のフレミングの死以来、小説14作とノベライゼーション2作を書いたジョン・ガードナーや、小説6作、ノベライゼーション3作、短編小説3作を著したレイモンド・ベンソンを含め、他の作家がボンドを題材とする公認作品を書いた。 その他に、キングスリー・エイミス (ロバート・マカーム名義)、セバスチャン・フォークス、ジェフリー・ディーヴァーウィリアム・ボイドアンソニー・ホロヴィッツなどがボンドの作品を著した。さらに、若き日のボンドを描く小説、『ヤング・ボンド』がチャーリー・ヒグソンによって著された。

オリジナル作品のスピンオフとして、ボンドがアメリカのエージェントとして描かれた、テレビ版『カジノ・ロワイヤル』が作られた。 また、コミック・ストリップシリーズもデイリー・エクスプレスに掲載された。

ボンド映画はこれまでに26本製作され、 7人の俳優がボンドを演じている。
コンセプト

イアン・フレミングの作品の中心人物は、秘密情報部(MI6)の架空のエージェントであるジェームズ・ボンドである。 ボンドはコードナンバー007で知られ、イギリス海軍予備員の中佐だった。

第二次世界大戦中、フレミングは友人に、スパイ小説を書きたいと語っていた[2]。フレミングは1952年2月17日にジャマイカのゴールデンアイ邸で彼の最初の著書である『カジノ・ロワイヤル』を1か月ほどで書き上げた[3]。フレミングは合計12作のボンド小説と2つの短編小説を書き続け、1964年8月12日の朝に亡くなった[4]。彼の最後の2冊 ―『黄金の銃をもつ男』(1965)と Octopussy and The Living Daylights (1966)― は死後に出版された。
インスピレーション

フレミングは、ボンドが第二次世界大戦中に遭遇した秘密諜報員とコマンドをモデルにしたとしている[5]。モデルの中には、フレミングが崇拝していた兄のピーター・フレミングも含まれた。兄のピーターは、戦争中にノルウェーギリシャでのライン作戦に関与している[6]

兄の他にも、フレミングが1930年代にキッツビュールで出会ったスパイであるコンラッド・オブライエン=フレンチ、戦時中第30コマンド部隊で功績を残したパトリック・ダルゼル・ジョブ、パリのMI6局長だったビル・ダンダーデールなどがモデルになったとされる。ダンダデールは、カフリンクスと手製のスーツを身に着けており、ロールス・ロイスを運転していた[5][7]。その他に、フィッツロイ・マクリーン卿、MI6の二重スパイだったドゥシャン・ポポヴもモデルになったといわれている。

2016年、BBCラジオ4のドキュメンタリーは、ジェームズ・ボンドの性格が20世紀の作家のフィリス・ボトメが著した、1946年の小説 The Lifelineから取られたと報じた。 The Lifeline の主人公、Mark Chalmers とボンドの明確な類似点が、スパイライターのルパート・アラソンによって強調されている[8]
名前の由来

ボンドの名前は、 カリブ海の鳥の専門家であり、図鑑『Birds of the West Indies』の作者であるアメリカの鳥類学者ジェームズ・ボンドの名前に由来している。熱心なバードウォッチャーであるフレミングはボンドの図鑑を1部持っていた。彼は後にこの名前が簡潔で、平凡、アングロ・サクソン人っぽく、なおかつ非常に男らしく、まさに自分が求めていたものだとピンと来たんだ。そして2人目のジェームズ・ボンドが生まれた

と、妻に語った。 ボンドの名前の由来となった鳥類学者ジェームズ・ボンド

別の機会にフレミングは、「私は、最も簡潔で、鈍く、明白な響きの名前が欲しかった。私が見つけた 『ジェームズ・ボンド』は 『ペレグリン・カールーザーズ』のような名前よりも面白く、ずっと良かった。エキゾチックなことが彼の周りで起きるが、彼は中立的な人物、つまり政府機関に用いられる、匿名で率直な道具として存在する」と語っている[9]。フレミングは鳥類学者本人とその妻に会った後、「このあたりの冗談全部を楽しんでくれている魅力的なカップル」と表現した[10]。カジノ・ロイヤルの最初の草稿では、ミッション中に、ジェームズ・セクレタンという名前をボンドの偽名として使用していた[11]

2018年、イギリスやアメリカの多くのWebサイトで、実際の秘密諜報員から名前が浮かんだ可能性があるというレポートが取り上げられた。 公表された軍事記録によると、ジェームズ・チャールズ・ボンドというウェールズの元学童擁護人の男が、特別作戦執行部(SOE)においてフレミングのもとで働いていた[12]。このウェールズ出身のボンドの戦争記録に関する文書は、2014年に公開された[1]

ボンドのコード番号である007は、 第一次世界大戦のイギリス海軍諜報機関の主要な成果の1つであるドイツ外交コードの解読の話を参照してフレミングが考えた[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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