イギリスの政治家ジェレミー・コービンJeremy Corbyn
生年月日 (1949-05-27) 1949年5月27日(74歳)
出生地 イギリス
イングランド
チッペナム、ウィルトシャ
所属政党労働党
配偶者あり
公式サイト ⇒Jeremy Corbyn MP
下院議員
選挙区イズリントン・ノース選挙区
当選回数9回
在任期間1983年6月9日 -
影の首相
在任期間2015年9月12日 - 2020年4月4日
その他の職歴
第21代 労働党党首
(2015年9月12日 - 2020年4月4日)
テンプレートを表示
ジェレミー・バーナード・コービン(英語: Jeremy Bernard Corbyn, 1949年5月27日 - )は、イギリスの政治家。第21代労働党党首を務めた。1983年以来、ロンドンのイズリントン・ノース選挙区選出英国庶民院議員 (MP) をつとめている[1]。
ソーシャリスト・キャンペーン・グループ、パレスチナ連帯キャンペーン、アムネスティ・インターナショナル、核軍縮キャンペーン、ストップ・ザ・ウォー・コアリションの一員であり、ストップ・ザ・ウォー・コアリションについては2011年6月14日から2015年9月12日まで議長を務めた。 ウィルトシャー州チッペナム出身。北ロンドン工科学校を中退し、全国公務員組合や全国仕立被服労働者組合で職員として勤務した後、1974年にハーリンゲイ・ロンドン特別区議会議員に当選。その後1983年6月9日にイズリントン・ノース選挙区選出の庶民院議員となって以来、現在に至るまで同選挙区で当選を重ね続けている。直近では2019年の総選挙で再選されている。 自他共に認めるTraditionalists(トラディショナリスト、伝統主義者。トニー・ブレアやゴードン・ブラウンら「第三の道」路線の「ニューレイバー」に対して「オールドレイバー」とも称される)かつ筋金入りの社会主義者であり、公共事業や鉄道の再国有化[2]、炭鉱の操業再開、企業の税金逃れ取り締まり強化、大学の学費負担をなくして学生補助金を再開させること、非核化とトライデント核兵器プログラムの中止、インフラ及び再生可能エネルギープロジェクトへの資金を供出する人々のための量的金融緩和政策、デーヴィッド・キャメロン政権が2010年以降行ってきた公共部門と福祉への予算カットを元に戻すことなどを政策として訴えている。 エド・ミリバンドの党首辞任を受け、2015年6月6日に党首選への出馬を表明した。当初は泡沫候補として扱われていたが、複数の世論調査で圧倒的な支持を得たことに加え、UNITE(イギリス最大の単一労働組合)など労働党と提携する労働組合の多数、更には提携のない組合3団体からも支援を得た[3]ことで一躍、最有力候補となった。 2015年9月12日、コービンは第1回投票において59.5%の圧倒的得票率で労働党党首に選ばれた[4][5]。2015年の総選挙において労働党は敗北を喫したが、その原因は中道寄りの政策を掲げたために保守党との違いが見えにくくなったためとする意見が若年層を中心に根強く、コービンの政治姿勢に共感が広がった。首相経験者のブレアやブラウンら「ニューレイバー」から強い批判があるが[6]、コービンの政治姿勢が2017年の選挙で保守党を過半数割れに追い込むことに繋がった。 2016年9月24日、イギリスのEU離脱決定を受けて再度行われた党首選において、対抗馬のオーウェン・スミス
概説
労働党党首(影の首相)2017年総選挙、グレーター・マンチェスタートラフォードにて、5月9日
2017年イギリス総選挙では、主に若者からの支持を得て保守党の議席を奪うなど30議席増の262議席を獲得し、保守党を単独過半数割れに追い込む予想外の健闘を見せたが、政権奪還には至らなかった。 2019年イギリス総選挙で、労働党は最大の争点となったEU離脱に対して立場を明確にしなかったことを批判され[8]、同党が歴史的な大敗を喫する見通しとなったため次回の選挙では党を率いないとコメントし、党首辞任を表明した[9]。 2020年10月29日に平等人権委員会
失脚
2023年2月15日、労働党党首のキア・スターマーは「ジェレミー・コービンは、今後の選挙で労働党の候補者として立候補することはない」と明言した[12]。 ノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツは、「労働党内でのコービンの台頭は驚くべきことではない」と述べる[13]。 緊縮財政政策に強く反対する世論があり、また所得格差が拡大する懸念がある時代に、エド・ミリバンドが代表を務める「新」労働党が公開した(2015年イギリス総選挙の)選挙公約は人々を失望させるものだった。保守党の緊縮財政と労働党のソフトな緊縮財政、これでは有権者は選びようがない。 スティグリッツは、緊縮財政批判に関して労働党が怖気づいていることを指摘する。 一方のコービンは反緊縮のアジェンダを提示し、人々の受け皿になることができたとスティグリッツは述べる[13]。 ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンは、「コービンが党首選で勝利したことは驚くべきことではない」と述べる[14]。 イヴェット・クーパーなどライバル候補が軒並み保守党の緊縮財政政策を暗黙に支持しており、候補者の中ではコービンだけが明確に緊縮財政に反対していたからである。
分析