ジェレミ・ベンサム
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ジェレミ・ベンサム
Jeremy Bentham
ジェレミ・ベンサム
生誕1748年2月15日
イギリスロンドン
死没 (1832-06-06) 1832年6月6日(84歳没)
イギリスロンドン
時代啓蒙時代
19世紀の哲学
地域西洋哲学
学派功利主義法実証主義自由主義エピクロス主義
研究分野政治哲学法哲学倫理学経済学
主な概念最大幸福原理
影響を受けた人物

プロタゴラスエピクロスジョン・ロックデイヴィッド・ヒュームモンテスキューエルヴェシウスホッブズベッカリーアアダム・スミスなど

影響を与えた人物

ジョン・スチュアート・ミルトーマス・ホジスキン、ウィリアム・トンプソン、ヘンリー・シジウィックミシェル・フーコーピーター・シンガージョン・オースティンロバート・オウエンハーバート・ハートフランシス・イシドロ・エッジワースアルバート・ヴェン・ダイシー、エティエンヌ・デュモンなど

署名
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ジェレミ・ベンサム(Jeremy Bentham、1748年2月15日 - 1832年6月6日[1])は、イギリス哲学者経済学者法学者功利主義の創始者として有名である。ジェレミー・ベンサム[2]、ベンタムとも(後述)。功利主義の理念は、19世紀前半、インドにおけるイギリス東インド会社の勢力圏で用いられた行政法体系に相当な影響を与えた[3]
人物

法学を専攻するもウィリアム・ブラックストンの講義を聴いて失望し、功利主義の立場から自然法を批判的に論じた。法典化を推奨し、後世の国際法に影響を与えた。これらの分野で使われている codify(法典化する)やinternational(国際的な)などはベンサムによる造語である。また、maximizeやminimizeなどの多数の造語をしており、これらの造語は既存の用語による先入観をできるだけ排除して新たな方法論を記述するための努力の結晶ともいえる。パノプティコンの提唱者としても有名。

彼の名前は、日本では「ベンサム」と表記発音され英語圏でも[?benθ?m]と発音されるのが一般的だが、語源から言えば古英語のbeonet(コヌカグサ)とham(村落)に由来するため[4]、tとhをつなげて読まずに[?bent?m]と発音する方が本来は正しいとされている[5]。日本でも特に法律学者は伝統的にベンタムと表記することが多いようである[6]が、これには強力な異論もある[7]。本項では一般的なベンサムという読みを採用する。
生涯

ロンドンのスピタルフィールズで富裕なトーリー党の家族に生まれた。幼少の頃から、父親の机に座って何巻もの英国史を読み耽り、神童として認識された。彼は三歳の時からラテン語を習った[8]

ベンサムはウェストミンスター・スクールに入学し、その後、1760年(12歳)には、父親によってオックスフォード大学のクィーンズカレッジに入れられ、そこで1763年に文学学士号を、1766年に文学修士号を修める事となった。ベンサムは、リンカーン法曹院で法律家として訓練され、1769年に弁護士資格を得た。富裕な弁護士である彼の父は、ベンサムを法曹にして後継ぎとして決め、息子がいつの日か英国大法官になる事は、確実だと思っていた。

しかし、すぐにベンサムは法曹界に幻滅した。ベンサムが、法曹界に幻滅した理由は、当時の主導的権威であるウィリアム・ブラックストン卿の講義を聴講した事による。彼が「誤魔化しの悪魔」 (Demon of Chicane) と呼んだイギリスの法典の複雑さを非常に不満に思い、彼は、法律を実践するのではなく、法律について著述する事を決め、彼の人生を法律への批判とその改良方法の提案に捧げた。1792年に父親が死亡したので、ベンサムは経済的に独立し、ウェストミンスターで著述家として身を立てた。40年近く、彼はそこで静かに暮らし、80歳になってさえ一日に10枚ないし20枚の原稿を書いた。法や社会の改革のためにベンサムが行った多くの提案の中には、彼がパノプティコンと呼んだ監獄建築の為の設計がある。それは、実際に建設はされなかったが、彼のアイデアは後の世代の思想家に示唆を与え、彼の設計はペントンヴィル刑務所の輻射状のデザイン等にも影響を与えた。

ベンサムは、しばしば、後にユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンとなるロンドン大学の設立に関連付けられるが、これは実際には真実ではない。ベンサムは大学が開設された1826年には78歳で、その設立に直接の関係はなかった。しかし、裕福であることと国教徒であることの両方がオックスフォード大学とケンブリッジ大学に入学するためには必須の要件だったのに対して、ユニヴァーシティ・カレッジは、人種信仰、政治的信念に関わらず入学を認めた最初の大学であったため、教育はより広く、特に裕福でないあるいは国教会に属していない人に対しても行われるべきであると強く信じていたベンサムの見解に調和していた。現在でも、ベンサムは建学の父と認識されており、その自己標本がユニヴァーシティ内に置かれている。ベンサムは、彼の生徒の一人であるジョン・オースティンが1829年に法理学(Jurisprudence)の初代教授として任用されるのを監督した。生涯独身であった彼の財産は、おい(弟の子)の植物学者 ジョージ・ベンサムが相続した。
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