ジェリー・フォーダー
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Jerry Alan Fodorジェリー・フォーダー
(2007年メリーランド大学の晩餐会にて)
生誕1935年
死没2017年11月29日
時代20世紀の哲学者
地域西洋哲学
学派分析哲学、合理主義、認知主義、機能主義 (心の哲学)
研究分野心の哲学言語哲学認知科学
主な概念心のモジュール性、思考の言語
影響を受けた人物:

ヒラリー・パトナムノーム・チョムスキージェローム・ブルーナー、フランツ・ジョセフ・ガル

影響を与えた人物:

アーネスト・ルポア、ゼノン・ピリシン、ジョージ・レイ、ムラト・アイデーデ、スティーブン・ピンカーダン・スペルベル、ディードル・ウィルソン

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ジェリー・アラン・フォーダー(英語: Jerry Alan Fodor、1935年 - 2017年11月29日[1])は、アメリカ合衆国哲学者であり認識科学者であり、現在、ニュージャージー州ラトガーズ大学で教鞭をとっている。心の哲学認知科学の分野で多くの著作があり、心のモジュール性や思考の言語仮説など、これら分野の基礎を築いた研究者である。

フォーダーは、心的状態(例えば信念と欲求)は個体と心的表象との関係である、と主張する。彼によれば、これら心的表象こそが、心の中で思考の言語(Language of Thought : LOT)によって正しく説明できる唯一のものである。さらに、この思考言語はそれ自身、有用な説明のツールであるだけでなく、脳の中で実際に体系化されて存在しているものである。フォーダーは、思考と他の心的なプロセスが、表象の文法に基づき行われる計算からうまれると主張して(この計算が思考の言語を作り上げるのであるが)、一種の機能主義者である一線を守ろうとする。

フォーダーにとって、心(例えば知覚的プロセスや言語プロセス)の主要な部分は、モジュールまたは「器官」として構築される。そして、モジュール/「器官」は、それらが果たす機能的な役割によって定義される。これらのモジュールは心の「主要な処理」の一部であり、互いに比較的独立している。そして、モジュールは、より広域的であったり、より限定的であったりする「領域特定性」という特徴をもつ。フォーダーが提示するのは次のことである:これらのモジュールがもつ性質のおかげで、外的対象とも因果関係が成立することが可能になり、このことが、心的状態が世界の事象に関係した内容を持つことを可能にする。一方で、中央の処理部分は、様々な内容の入力と出力の間の論理的な関係を担当する。

フォーダーは当初、心的状態が外部の事象によって因果的に決定されるという考えを否定していたが、近年は、心的内容に関する意味と指示の問題のために、言語哲学について多くの論文を書き研究を行っている。この領域で彼は、非対称的な指示の因果説について論じ、またクワインらが主張する意味の全体論を否定する多くの議論を行った。フォーダーは、心の還元主義的な説明に強く反対する。彼は、心的状態が多重実現可能であり、説明のレベルにおいて階層構造(ヒエラルキー)が存在すると主張する。たとえば心理学や言語学などの高次の理論の一般化および法則は、ニューロンシナプスの振る舞いといった低次の説明によっては捕らえることができないものである、と。目次

1 経歴

2 心的状態の本性

3 心の機能的構造物

4 志向の実在論(intentional realism)

4.1 フォーダーのデネットに対する批判

4.2 生産性、合成性と思考


5 内容の本質

5.1 アンチ・ホーリズム(全体論)


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