イギリスの政治家ジェフリー・アーチャーJeffrey Howard Archer
2012年9月16日、オスロブックフェスティバル
ウェストン=スパー=メアのアーチャー男爵ジェフリー・ハワード・アーチャー(Jeffrey Howard Archer, Baron Archer of Weston-super-Mare、1940年4月15日 - )は、イギリスの政治家、小説家。一代貴族の貴族院議員でもある。
大ロンドン議会議員、庶民院議員(3期)、保守党副幹事長などを歴任した。 1976年に発表した処女作 "Not a Penny More, Not a Penny Less" (日本語版タイトル『百万ドルをとり返せ!』)が大ヒットし、借金を完済する。作家活動の一方、1985年には政界復帰し、党副幹事長などを務めるが、翌1986年にスキャンダル[2]をすっぱ抜かれ、そのタブロイド新聞を訴えて勝訴した。その後、一代貴族爵位「カウンティ・オブ・サマーセットにおけるマークの、ウェストン=スパー=マーレのアーチャー男爵」(Baron Archer of Weston-super-Mare, of Mark in the County of Somerset)に叙され、貴族院議員に列する。 1999年には、首相経験者であるマーガレット・サッチャーとジョン・メージャーからの支援を受け、新設されたロンドン市長選挙の保守党候補に決定。三たびの政界復帰を視野に活動していたが、友人が1986年の名誉毀損裁判でのアリバイ証言を嘘だったと告白。その結果、偽証罪と司法妨害罪 一人または複数の主人公の生涯を描きだす長編小説(サーガ)、サスペンスやミステリー形式の作品、および短編集と3種類の形態で作品を発表している。これらの作品の中でジェフリー・アーチャーは、複数の登場人物の観点から出来事を記載する手法をよく用いている。特に、同じ出来事を別人物の観点で描くことにより、登場人物の性格を浮き立たせたり(『チェルシー・テラスへの道』)、物語の奥行きを深める効果(『ケインとアベル』と『ロスノフスキ家の娘』)を持たせている。
来歴
生い立ち) にあった旧ロンドン市産科病院 (en) で生まれた[1]。生後2週間で越したイングランド南西部ノース・サマセットのウェストン=スーパー=メアで幼少期以降を過ごしている。ウェリントン・スクールからオックスフォード大学へ進む。在学中はビートルズを呼んでチャリティ・コンサートを開いたり、短距離走の選手として大学記録を打ち立てたり、保守党に入党して政治活動を行ったりと活躍した。卒業後にアロー・エンタープライズを設立、ロンドンに住む。
政界入り(英語版)の死去にともなう庶民院(下院)議員補欠選挙に立候補し、最年少議員として当選する。以降、1970年6月の総選挙、1974年2月の総選挙と、ラウス選挙区で連続当選を果たす。しかし、1973年に北海油田の幽霊会社に投資したことから全財産を失い、1974年10月の総選挙には出馬せず政界を退く。ラウス選挙区では、代わりにマイケル・ブラザトン(英語版)が保守党から立候補し、当選している。
作家デビュー以降
作風
著作2012年9月16日、オスロブックフェスティバル
訳者は永井淳訳[3](処女作から2009年まで)
2010年『遥かなる未踏峰』以降は、戸田裕之訳。各・新潮文庫
Not a Penny More, Not a Penny Less(1976) - 『百万ドルをとり返せ!』(1977年)
Shall We Tell the President?(1977) - 『大統領に知らせますか?』(1978年)
Kane and Abel(1979) - 『ケインとアベル』(1981年)
A Quiver Full of Arrows(1980) - 『十二本の毒矢』(1987年)
The Prodigal Dangher(1982) - 『ロスノフスキ家の娘』(1983年)
First Among Equals(1984) - 『めざせダウニング街10番地』(1985年)
A Matter of Honour(1986) - 『ロシア皇帝の密約』(1986年)
Beyond Reasonable Doubt(1987) - 『無罪と無実の間』(1988年)
Shall We Tell the President? New edition (1987) - 新版『大統領に知らせますか?』(1987年)
A Twist in the Tale(1988) - 『十二の意外な結末』(1988年)
Exclusive/劇台本 (1989) - 『最後の特ダネ』(1993年)
As the Crow Flies(1991) - 『チェルシー・テラスへの道』(1991年)
『ジェフリー・アーチャー日本を糺す』(講談社、1993年)
Honour Among Thieves(1993) - 『盗まれた独立宣言』(1993年)
Twelve Red Herrings(1994) - 『十二枚のだまし絵』(1994年)
The Fourth Estate(1996) - 『メディア買収の野望』(1996年)
The Eleventh Commandment(1998) - 『十一番目の戒律』(1999年)
To Cut A Long Story short(2000) - 『十四の嘘と真実』(2001年)
Sons of Fortune(2002) - 『運命の息子』(2003年)
A Prison Diary(2002-2004) - 『獄中記 地獄篇』(2003年)『獄中記 煉獄篇』(2004年)、※本作のみ田口俊樹訳(新版・ゴマブックス、2016年)
False Impression (2006) - 『ゴッホは欺く』(2007年)
Cat O'nine Tales (2006) - 『プリズン・ストーリーズ』(2008年)
The Gospel According to Judas(2007)
A Prisoner of Birth(2008) - 『誇りと復讐』(2009年)
Paths of Glory(2009) - 『遥かなる未踏峰』(2011年)
And Thereby Hangs a Tale (2010) - 『15のわけあり小説』(2011年)
"Stuck On You" 「君に首ったけ」 - 宝石店での窃盗手口。