映画については「ジェイソン・ボーン (映画)」をご覧ください。
ジェイソン・ボーン
Jason Bourne
初登場『暗殺者』(小説)
『ボーン・アイデンティティー』(映画)
最後の登場The Bourne Ascendancy
ジェイソン・チャールス・ボーン(Jason Charles Bourne)、本名:デイヴィッド・ウェッブ(David Webb)は、ロバート・ラドラムの小説『暗殺者』、およびマット・デイモン主演の映画『ボーン・アイデンティティー』に登場する架空の人物。小説・映画ともにシリーズ化され、複数の作品に登場する主人公である。 初出はロバート・ラドラムによって1980年に発表された小説『暗殺者』(原題:The Bourne Identity
概要
小説を元に映画化された「ボーンシリーズ」は、2002年に公開の『ボーン・アイデンティティー』を皮切りに、2004年の第2作『ボーン・スプレマシー』、2007年の第3作『ボーン・アルティメイタム』が製作された。映画版の「ボーンシリーズ」はシリーズが進むにつれて独自性の強いストーリーになっている。また、2012年公開の第4作『ボーン・レガシー』は、ラストベーダーによる小説と同題名であるものの、ジェレミー・レナー演じるアーロン・クロスを主人公とした映画オリジナルのまったく別のストーリーとなっており、同作にはジェイソン・ボーンは登場しない。 ジェイソン・ボーンの過去は謎に満ちており、それが生涯彼を苦しめることとなる。彼の本名はデイヴィッド・ウェッブ。米国国務省内の外交官のキャリアであり極東のスペシャリストであった。ボーン・アイデンティティー以前、ウェッブはDaoという名のタイ人の妻と子ども二人、JoshuaとAlyssaと共にカンボジアの首都、プノンペンに住んでいた。しかしベトナム戦争の最中、カンボジアに迷い込んだ飛行機が2発の爆弾を投下した上にメコン川付近を機銃掃射し、ウェッブの妻と子ども二人はそれらに巻き込まれて殺されてしまう。この件について、全ての国家は責任を負いたくないがために「その飛行機は自国のものではない」と口を揃えて否認した。全てを失ったウェッブは、ホーチミンに移りメデューサという名の特別極秘結社の訓練を受ける。この頃から、まわりの認識からウェッブという名前は消え、「デルタ・ワン」というユニット内の名前でしか知られていない。 政府の出資する極秘機関のメデューサはウェッブの人生において大きな意味を持つことになる。妻と子どもが死亡した後まだベトナム戦争が続く中、彼の友人でありCIA職員のアレキサンダー・コンクリンにメデューサへ誘われた。その時、ウェッブは激しい怒りを覚えており、どのような手段を使ってでも復讐したかった。メデューサに参加することで彼の家族を殺した北ベトナムに復讐する手段を見つけられると考えていた。 ところで、メデューサが極秘機関であった理由というのは、そのメンバーの多くがアメリカ政府が雇った犯罪者だったことにある。その目的は、北ベトナム軍に潜入し、ベトコンの幹部を殺すこと、そしてベトコンと深いかかわりがあり捕虜の脱獄の支援に加担していたとされる村長を殺すことにあった。彼らは「暗殺集団」として知られており、実際彼らは殺しを成功させることでアメリカ政府から自身の罪の刑罰の軽減をされていた。 ほとんどのメンバーは殺人・逃亡・密輸・武器商人・麻薬所有などの前科があり、彼らは「デルタ」と呼ばれる男によって統率されていた。彼は無情で残酷な人物として知られ、命令にあまり忠誠心を示さなかったものの、全ての任務において成功を収めた。しかし、「デルタ」がウェッブであるという事実はあまりにも多くの人に知られていた。「デルタ」をおびき出すため、彼の兄でありホーチミンに駐留している米陸軍中尉のゴードン・ウェッブが誘拐された。 メデューサのメンバーの一人に、ジェイソン・チャールス・ボーンという男がいた。ゴードン・ウェッブを救出する作戦の中、彼が二重スパイであったことが発覚する。ボーンは人身売買、麻薬取引、密輸、暗殺などの違法行為に関与していた。このことを知った「デルタ」は、1968年3月25日ボーンが救出作戦で危害にさらされている最中に処刑してしまう。アメリカ政府はメデューサの存在やメンバーを知られるわけにはいかないため、ボーンの死亡は報告せず、MIA(作戦の最中に行方不明になったこと)として処理した。 数年後、CIAは闇の武装組織「トレッドストーン 71」(Treadstone Seventy-One)を結成。これはニューヨークの71番ストリートにある建物の名前からとったもの。ウェッブはこの組織に、デイヴィッド・アボット(メデューサ及びトレッドストーンの創設者)から誘いを受ける。この時点でウェッブ(デルタ)は『ジェイソン・ボーン』という身分をMIAという立場、及び実際ボーンが残忍な人物であったことを利用して使用している。これら全ての目的とはジェイソン・ボーンという人物を彼そのものよりも大きく見せること:世界で名の通った人物から暗殺を請け負い、誰でも殺してしまうことにあった。暗殺者の暗号はケイン(Cain)。このような間違った考えを実行に移した理由とは、カルロス(Carlos the Jackal、本名 Ilich Ramirez Sanchez)という世界一敏腕そして有名な暗殺者のライバルを作ることにあった。 Cainという名は、ボーン自身の使命になぞらえてつけられた。ベトナム戦争の際、CainはNATOフォネティックコードのCharlieの代わりに使われていた(Charlieはベトコンを意味していたため)。そのため、ボーンはCainと名づけられた。スペイン語ではCharlieはCarlosである:カルロスはベネズエラ人。Cainを有名にする方法とは、アジアで起こった全ての有名な殺人についてボーンの犯罪にすること、そしてそれは状況を省みずにヨーロッパにまでも及んだ。こうすることでカルロスをCainの元におびき出して殺せると考えていた。さらにカルロスの名を汚すために、Cainが全く関係していないことであってもカルロスの犯罪にCainの関与をにおわせる細工をした。 その後、Cainはカルロスがリーランド大佐を暗殺しようとしていることを知り、武装しているリーランド大佐の元へ忍び込む。しかし不運なことにCainは頭1発を含む数発の銃弾を浴び、地中海沖に瀕死の状態のまま放り出されてしまう。後に漁船に救出されるも、おそらく頭部に受けた銃弾の影響であろう、目覚めたときには過去の記憶を喪失してしまっていた。 物語を通してボーンは彼の過去と自分が何者なのかを知るために戦い、同時にCIAとカルロスの手下に追われることになる。小説の中で、ボーンはホテルから脱出するために若い女性を人質に取る。この女性の名はマリー・St.・ジャックス(Marie St. Jacques)、カナダ政府の職員。ボーンとマリーはジェイソン・ボーンという暗殺請負人について一緒に調べる。マリーは、ジェイソン・ボーンとして知っている男が、調査からわかった残忍な殺人者とは考えにくいと思うようになる。物語を通じて、ボーンの頭の中で"Cain is for Charlie, and Delta is for Cain"(CainはCharlieを示し、DeltaはCainを示す)というフレーズが繰り返し流れ、彼らを目的へ近づけることになる。 『暗殺者』と『殺戮のオデッセイ』の間、ボーンとマリーは結婚し、米国メイン州にガード付きではあるものの定住。ボーンは地元大学でアジアについて教える助教授になろうと努力する。 『殺戮のオデッセイ』が始まると、マリーはアメリカ政府に囚われている。アメリカ政府は現在のボーンを以前の伝説のようなボーンに戻したかった。実際にマリーを捕らえたのはアメリカ政府であるのに、彼らは架空の中国の麻薬商人のせいにした。この企みはボーンを偽物のボーンの後に中国に送り込むことで実行に移された。ボーンが暗殺を実行すれば最悪の場合香港の統治権をめぐる紛争を起こす引き金になると極東諸国は考えていた。 カルロスは歳をとり、悪名高さにも陰りが出始めてきた頃、彼は死ぬ前に2つのことをすると決める:一つ目はジェイソン・ボーンを殺すこと。ウェッブの家族は、ボーンが友人でありCIA職員のアレキサンダー・コンクリンと共にカルロスを殺そうとしている関係でカリブ海に身を潜めることを強いられていた。ボーンはメデューサ作戦の幹部のように振舞っていた。それは、メデューサ作戦というものが今や経済界において絶対的な影響力を持っており、アメリカ国防総省の実権を握っているNATOの将校やニューヨーク証券取引所に上場している巨大な企業にまでもその力を持っていた。ボーンたちの作戦とは、メデューサを通じてカルロスとコンタクトをとることだった。カルロスの二つ目にやるべきこととは、ノヴゴロドにあるKGBの施設を破壊することだった。カルロスはここで訓練を受けており、彼の本性などのデータがまだ残ったままだったのである。ボーンはコンクリンの助けを受けカルロスの現在地を割り出し、ちょうどKGBの施設を破壊し始めたカルロスと対峙する。最終的に、ボーンはカルロスを倒し、カリブ海の家族のもとへ帰る。 ジェイソン・ボーンはジョージタウンの大学で再びデヴィッド・ウェブと名乗り、言語学の教授として暮らしていた。しかしながらこの静穏は長く続かず、暗殺者のカンの狙撃により沈黙が破られることとなった。 1988年、2部作のテレビ映画『スナイパー/狙撃者』が作られ、ABCで放送された。
小説での経歴
背景
メデューサ
トレッドストーン作戦
ロバート・ラドラムの小説
暗殺者
殺戮のオデッセイ
最後の暗殺者
エリック・ヴァン・ラストベーダーの小説
ボーン・レガシー
テレビ映画
Size:37 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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