ジェイアールバス関東
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ジェイアールバス関東株式会社
JR BUS KANTO CO.,LTD.

2021年に移転した東京支店構内にある新本社屋
種類株式会社
市場情報非上場
略称JRバス関東
本社所在地 日本
135-0043
東京都江東区塩浜二丁目18番13号
設立1988年3月3日
業種陸運業
法人番号1011001029621
事業内容乗合バス事業、貸切バス事業、旅行業他
代表者代表取締役社長 小塙 隆一
資本金40億円
売上高95億8100万円
(2023年3月期)[1]
営業利益▲11億1800万円
(2023年3月期)[1]
経常利益▲10億7900万円
(2023年3月期)[1]
純利益▲12億1000万円
(2023年3月期)[1]
純資産34億6300万円
(2023年3月期)[1]
総資産115億2600万円
(2023年3月期)[1]
従業員数883名(2023年03月31日現在)
主要株主東日本旅客鉄道 100%
主要子会社ジェイアールバステック
外部リンクwww.jrbuskanto.co.jp
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ジェイアールバス関東株式会社(ジェイアールバスかんとう、英語: JR BUS KANTO CO.,LTD.)は、東京都江東区に本社を置くJR東日本グループのバス事業者である。JRバスグループの一つ。

関東地方福島県長野県愛知県にわたる広域に拠点を持ち、東京と各地を結ぶ高速バスを中心に一般路線バス貸切バスも営業する。近年では市町村が運営するコミュニティバスの運行も数多く受託している。
概説

東日本旅客鉄道(JR東日本)が100%出資する完全子会社である。日本国有鉄道分割民営化に伴い1987年4月、関東・東北自動車局の全部と中部地方自動車局のうち伊那・下諏訪の両自動車営業所のバス事業がJR東日本に継承された。

その1年後の1988年にバス事業を分社化することになり、同年3月3日にジェイアールバス関東株式会社が設立された。同年4月1日、関東、信越地区の事業を引き継いで営業開始した。東北地区はジェイアールバス東北に継承された。但し、福島県内は両社が営業区域としており、おおむね磐越東線が境界のラインになっている。福島県内は一部路線は専用道路を走行しているものもある。このときの車両数は492両、社員数は888人、免許キロは約2,700 km、現業機関は13営業所9支所2派出所という体制であった。車両は、もともと関東管内はいすゞ(車体は帝国→日野で架装が多く、純正の川重→IK→いすゞと富士重の車体より多い)と日野が主体で高速バスは三菱ふそうが主力であったが、旧信越。中部管内に日産ディーゼルが多く、4メーカーを保有することとなった。

高速バス車両でスカニア社製の二階建てバスの導入が増えたことにより、スカニアとのパートナー関係が強化され、東京支店が同社製のバスに関する整備サービス(バスサービス、事故修理)、販売サービス(部品販売)の指定ディーラーとなった[2]

車両の整備については、中央道支店(現:伊那支店)に大規模な整備工場を構築し、自社で車両改造・リニューアル等の作業も行う。エンジンのオーバーホールやシャーシーの修繕をはじめ、シート生地の張り替えや座席配列の変更など大掛かりな仕様変更といったことまであらゆることを内製化している。最近では、その整備・施工のノウハウを土浦支店とも共有し、同支店でも中古購入車両の自社仕様への変更なども施工できるようになっている。

主な収益は高速バス事業であり、東京を拠点に関東地方・東北地方中部地方近畿地方四国地方の各方面へ近距離から長距離(夜行)まで及び長野県内と京都・大阪を結ぶ長距離(夜行)にて5,654.8 km(2023年3月31日現在)[3] の路線を持ち、車両数400両(2023年3月31日現在)[3] を保有する。バス事業者としては大手に数えられる規模である。
2013年時点では、車両数440両で、高速路線車が270台、一般路線車が122台、貸切44台、特定4台(白河の連節車)となっており、台数の過半を高速路線車が占めることでも象徴されるように、名実ともに長距離高速バスの代表事業者であり、JRバスグループの中でも路線数、車両数ともに中心的存在である[4]

東京の主要ターミナルには東京駅とバスタ新宿がある。東京駅八重洲南口のJRハイウェイバスターミナルの管理・運営を行っており、同バスターミナルに乗り入れる他社路線の発券、案内などを代行している。バスタ新宿は日本バス協会および当社をはじめとする11社の出資による新宿高速バスターミナル株式会社によって運営されている。同社には元会長の万代典彦が初代社長に就任し[5] バスタ新宿の運営の中核を担っている。自社管理のバスターミナルの他、栃木県佐野市から管理・運営を受託している佐野新都市バスターミナルのように地元自治体が設置して、当社のバスがメインに乗り入れているバスターミナルもある。

高速バスのインターネット座席予約システムは高速バスネットを採用しており、当社がジェイアール東海バス、西日本ジェイアールバスとともに開発し、中国ジェイアールバスを加えた4社共同で運営している。

一般路線バスは、概ね旧国鉄バス路線の一部を継承し、縮小傾向にあるが、関東地方の茨城県栃木県群馬県千葉県のほか、東北地方の福島県、中部地方の長野県の各一部地域にも路線を有している。福島県内については、おおむね磐越東線を境に北側がジェイアールバス東北にエリア分けされており、かつては磐越東線の南側に当社、北側にジェイアールバス東北の一般路線があった。

コミュニティバスの運行事業も展開しており、白河市那須塩原市佐野市古河市匝瑳市香取市草津町小諸市長和町諏訪市下諏訪町岡谷市伊那市南箕輪村箕輪町から運行を受託している。

貸切バスは、東京都(島しょ部を除く)、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、福島県の全域を事業区域としており、JR東日本の豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」の日光エリアでの「深遊探訪」メニューを巡るバスの運行も担当している。なお、四季島専用バスにはKEN OKUYAMA DESIGNがデザインした車両を使用されている。「ジェフユナイテッド市原・千葉」のチームバスの運行も請け負っており、選手輸送が無い日には一般貸切利用が可能である。JR東日本の新幹線・特急の駅や空港から定期観光バスを運行するなど、その先の魅力的な地域へ新たなブランドとなる商品開発にも取り組んでおり、2020年秋からは二階建オープントップバス「めいぷるスカイ」を使用した定期観光バスを季節に合わせたコースが各地で運行している。床下トランクに自転車を折りたたまずに収納できる専用ラックを装備し、自転車とともに乗れる「サイクリストの移動基地」がコンセプトのサイクリスト向けツアーバス「B.B.BASE」も運行する。また、自社の二階建てバスや引退する車両などを使用したバスファン向けの参加者募集型ツアーも多く催行されている。

この他に駐車場・駐輪場やコインランドリー、物販、飲食など各種の関連事業も行っている。

子会社のジェイアールバステックは、当社支店での車両整備や清掃業務の他、自社運行や当社からの委託による高速バスの運行も行っているが、もともとは駅での窓口業務受託、バスターミナル業務、清掃業務などの関連事業を行っていた日本交通観光社を系列化したもので、2000年に社名変更した。

2013年6月に「安全研修センター」を栃木県佐野市に設立し、高速バス対応「訓練専用車」も導入し[6] 安全教育の充実化を図っている。

2018年には長野県伊那市や福島県棚倉町で行われたバスの自動運転技術の実用化に向けた実証実験に協力している。佐野市や那須塩原市、伊那市、小諸市、新城市との間で公共交通や観光振興、定住促進などに関する包括連携協定を締結しており、コンパクトシティを志向し地域の活性化を目指す各市町村とともに、公共交通の活性化に積極的に取り組んでいる[7]

2018年7月の豪雨災害では、被災したJR西日本の広島地区の山陽本線呉線のバス代行輸送に車両、乗務員を派遣した(9月10日から12月下旬まで)[8]。また、中国ジェイアールバスの運行する夜行高速バス「ニューブリーズ号」(東京?広島線)を2018年8月2日から11月30日まで代替運行した[9](運行車両は同社から借用)。


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