『シンデレラ』(ロシア語: Золушка(ゾールシカ)、英語: Cinderella)は、ソ連の作曲家セルゲイ・プロコフィエフが作曲したバレエ音楽である。台本はニコライ・ヴォルコフによるもので、フランスの詩人ペローの童話集の中の童話『シンデレラ』に基づく。バレエ音楽からプロコフィエフ自身によって、管弦楽組曲3つないし4つとピアノ独奏用組曲2つ、その他の編曲が作られている。
1940年、『ロメオとジュリエット』の成功を受けてキーロフ劇場から作曲の依頼が行われたが、ドイツのソ連侵攻やオペラ『戦争と平和』の作曲によって作業は中断され、完成は1944年、初演は1945年までずれ込んだ。初演は成功し、1946年にプロコフィエフは交響曲第5番、ピアノソナタ第8番などと併せてスターリン賞を受けた。
『ロメオとジュリエット』同様に、複数のライトモティーフを使用した場面描写や登場人物の性格描写が行われている。一方、『ロメオとジュリエット』と比較して劇的な要素の少ない脚本ということもあって、プロコフィエフはチャイコフスキーの系譜を継ぎ[1]、「踊りの要素で満たされた」、クラシック・バレエの伝統を意識した作曲を行った。ゆえに抒情的なナンバーが多く、パ・ド・ドゥ、ヴァリアシオンが多く配置され、またガヴォット、パスピエ、ブレーなどの古風な舞曲を複数含んでいる。
目次
1 バレエ
1.1 『シンデレラ』 Op.87
1.1.1 編成
1.1.2 構成
2 演奏会用組曲(管弦楽)
2.1 『シンデレラ』組曲第1番 Op.107
2.2 『シンデレラ』組曲第2番 Op.108
2.3 『シンデレラ』組曲第3番 Op.109
2.4 ワルツ組曲 Op.110
3 ピアノ組曲
3.1 バレエ『シンデレラ』からの3つの小品 Op.95
3.2 バレエ『シンデレラ』からの10の小品 Op.97
3.3 バレエ『シンデレラ』からの6つの小品 Op.102
4 その他
4.1 アダージョ Op.97bis(チェロとピアノのための)
5 脚注
バレエ
『シンデレラ』 Op.87の振付、ウィリアムス
委嘱元のキーロフ劇場での初演は、1946年4月8日にセルゲーエフの振付で行われた。
編成
木管楽器: ピッコロ(第3フルートを兼ねる)、フルート2、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、バス・クラリネット、ファゴット2、コントラファゴット
金管楽器: トランペット3、ホルン4、トロンボーン3、チューバ