シンセシスト
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出典検索?: "シンセサイザー奏者" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2019年5月)

シンセサイザー奏者(シンセサイザーそうしゃ、: Synthesist シンセシスト)とはシンセサイザーを演奏する音楽家のこと。他の楽器の奏者との違いは、実際に演奏用インタフェース(通常は鍵盤)を扱う技能だけではなく、音色作成機能を操作したり周辺機器を使用して音響効果を使うという技能が要求されること。また、他の楽器と違ってミュージックシーケンサーによる自動演奏機能があるため、必ずしも他の楽器に見られるような練達した楽器演奏を必要としてはいない。そのため、練達を必要とする他の楽器のプレイヤーから、時に否定的な発言を浴びせられることがある。しかし楽器の扱いについて基本が出来ていなくて大成することは、やはり無理であることは他の演奏者と変わらない。
音響的技能を併せ持つ演奏者

「シンセサイザー奏者」と一口に言っても、その能力的側面は二つに分けることができる。ひとつは鍵盤演奏の技術的能力(テクニック)に優れた能力。これはキーボーディスト、キーボード奏者、キーボード・プレイヤーと呼ばれる人たちが持っている能力と同じ能力である。そしてもうひとつは、ひとつの音楽を構成するパートの音や楽曲全体の鳴り響きをデザインする能力。

前者は音楽を演奏する中の一人の演奏者の役割を持つのに留まるが、後者は演奏する音のデザインはもちろん、作曲または楽曲全体のグランド・デザインを描くことまで含まれ、その楽曲のイメージを楽曲の複数のパートまたは全パートに至るまでシンセサイザーを使い音響技術的手法を駆使して創り上げる。その両方を兼ね備えている人もあれば、どちらか一方に主に長けている人もある。

シンセサイザーはその楽器の特徴として他の楽器の様に「固有の音」をまったく持たない。それゆえシンセサイザーは楽器という面の他に「音響装置」という面もある(1970年代後半にはシンセサイザーが楽器であるかどうかという論議も侃々諤々になされた)。そうしたシンセサイザー特有の性質もあって、演奏や作曲への活用には音響的なセンスと決定の能力が必要となる。そうした理由から、楽曲の進行と音響に関して総合プロデューサーアレンジャー、マエストロ(演奏指揮者)の様な能力を併せ持つことを要求される。こうした点からシンセサイザー奏者は他の楽器奏者とは異なる特徴を持つ。

例えば、シンセサイザーで演奏する音の性格ごとに大別したカテゴリーには、リードベースパッドパーカッション、エフェクツ(効果音)などに大別されている。このカテゴリーは1990年代に登場するシンセサイザーから徐々に定着し始めたものの、現在もなお画一的に定まっておらずサウンドを創るシンセサイザー奏者、サウンド・デザイナー、シンセサイザーのメーカーなどが音創りの際にそれぞれ必要に応じて任意にカテゴリーを分けているのに過ぎないが、その分類の根拠はどの人も音の性質や性格を考慮して定める傾向を持っている。このカテゴリーの分類判断とカテゴリーの中にある音の仕分け分類を見ても、シンセサイザーが音楽創作に多様で総合的な性質を持っていることが読み取れるのと同時に、シンセサイザー奏者がそうしたシンセサイザーの特徴や性質に対応できる幅広い音響技術的な能力が必要になることがわかる。
シンセサイザー特有の演奏方法

またシンセサイザーの演奏は人が演奏するだけに留まらず、人と機械の演奏を合わせてなされる演奏方法もあり、シンセサイザー奏者は機械が織り成す発音・演奏を考慮した演奏技能を持つことも要求される。

例えば、先のサウンド・カテゴリーのうち「パッド」と呼ばれるサウンドの中でも音の立ち上がりが遅く設定されているパッド音(例えばゆっくり音量が大きくなる弦楽器の様な音)を選んで演奏する場合には、フィルターの開き具合や音の立ち上がりを聞きながら演奏できなければならない。また曲のテンポが早くて音の立ち上がりがまるで追いつかないと感じる音色は音の立ち上がりが早い別の音色に選び変えるか、音の立ち上がりの早さを調整して設定を変える操作を行える判断と技能が要求される。音の調整はあらかじめ行う場合もあれば、演奏中にパネル上のつまみを操作して調整する場合もある。

現在(2006年)では発売されたシンセサイザーのほとんどは様々な音色をシンセサイザー本体に蓄積できる「サウンド・バンク」と呼ばれる機構を持つ。その音色数は一台のシンセサイザーあたり128音色以上(最大で1000を超えるものもある)にものぼり、シンセサイザー奏者が演奏中に音色を自由自在に変えたい場合にはこのサウンド・バンクの中の音色をシンセサイザーの機種ごとに記憶し、どの機種のどのナンバーにどの音色があるか、ということがおよそわかるまでそのシンセサイザーに慣れておくことを要求される。

さらに自動演奏(シーケンサー)機能が搭載されたシンセサイザーを演奏する場合では、「アルペジオ」と呼ばれる分散和音やリズムの演奏を聞きながら鍵盤を操作しなければならない場合もある。(分散和音の自動演奏に特化した機能は「アルペジエイター」とも呼ばれる)

シンセサイザーの鍵盤は当初、発音のための「スイッチ」の代わりとして本体に付属したため、その意義も演奏のためにつけられたものではないところから始まっている。かつてのシンセサイザーは発音のためのボタンがついており効果音を発する音響機器としての性質が強かった(この当時では「シンセサイザー」という呼び名はまだない)。鍵盤の付属が定着したのはロバート・モーグが開発し商品化したモーグ・システム・シンセサイザー以降のことである(モーグの発明したシステム・シンセサイザーは「モジュラー・シンセサイザー」「モジュール・システム・シンセサイザー」とも呼ばれる)。モーグはピアノ式の鍵盤以上に演奏しやすい新しい理想的なスイッチの形を長い間模索していたが、シンセサイザー開発の最後でその発音スイッチをピアノ式の鍵盤に選んだのには、どの音楽家にとっても馴染まれておりどの人にも音楽的な表現に対応するのにもっとも優れているスイッチが(ピアノ式の)鍵盤であったため、とかつてその根拠を語っている。(演奏しやすいピアノ鍵盤以外の鍵盤として現在では「クロマチック鍵盤」と呼ばれる蜂の巣状の鍵盤が考案され実用化されている)

シンセサイザーの鍵盤はピアノの様にハンマーで弦を叩くようにはなっていないので、重い鍵盤に慣れているピアニストがシンセサイザーの鍵盤を触ると軽すぎておもちゃの鍵盤の様に感じられたりする。また多くのシンセサイザーは鍵盤のオクターブの幅がピアノの様に広くないのでピアニストたちには弾きづらいと感じる様だ。他方シンセサイザー奏者にとってはこれらの問題は気にならない場合がほとんどだ。

さらに1970年代後半に発売されたシーケンシャル・サーキット社のプロフェット5(Prophet 5)の製造初期には、鍵盤を押すとほんの一瞬発音までの時間にブランクを感じるピアニストもあった(この一瞬のブランクはシーケンシャル・サーキット社が考案した独特の鍵盤部の発音機構から生じていたもの)。それでもシンセサイザー奏者はプロフェット5を使う際には発音タイミングのズレが気になる場合でも鍵盤を押さえるタイミングを少し前にずらすなどしてそれを弾きこなした。これらのエピソードから考えると、シンセサイザーの鍵盤が発音スイッチであることの前提に立つか立たないかということがそうしたシンセサイザーの鍵盤への馴染み具体に結びついているものと思われる。鍵盤をスイッチと思わないピアニストたちにとっては違和感があり、スイッチだと考えるシンセサイザー奏者たちにとってはどんな鍵盤でもひとまず受け入れられたのだろう。(「ひとまず」というのは、鍵盤楽器を音楽に使う以上理想的な発音タイミングはやはりジャスト・タイムで弾きやすい鍵盤であることの方が理想的だからだ。それでも目の前に優れたサウンドを出すシンセサイザーがあれば、シンセサイザー奏者たちは鍵盤の問題を差し置いてもサウンドの方を重視して弾いたのである)

この様にシンセサイザーは鍵盤の意義や使い方も他の鍵盤楽器と異なる一面を持っているのに加え、シンセサイザー奏者は演奏に音響的な調整とその技能に密接に関わりを持つため他の楽器奏者と異なる点が多いが、シンセサイザーを「音楽演奏のために音を鳴らすもの=楽器」として見た場合に他の楽器の演奏者とまったく同様に「?奏者」と呼ぶことが一般的となり今日に至っている。
キーボード奏者との違い

シンセサイザー奏者の技能の中にキーボード奏者と同じ要素が含まれることは先述の通りである。しかしキーボード奏者は必ずしもシンセサイザー奏者と同一ではない。なぜならキーボード奏者の弾きこなす楽器はハモンド・オルガンエレクトリック・ピアノも含み、演奏する楽器がシンセサイザーに限られない為である。キーボード奏者は、一曲の中でシンセサイザー以外の鍵盤楽器を弾く場合もある。

またキーボード奏者にとってシンセサイザーを使う場合でも、音色の自作はシンセサイザー奏者に比べてそれほど重要な要素ではない。たいていはシンセサイザーの本体に記憶された「プリセット」と呼ばれる音色を呼び出す程度で演奏され、音色を作り出すとしてもキーボード奏者の音創りはシンセサイザー奏者が行うそれに比べると少しの範囲に留まる傾向にある。音色を作り出す技能よりも鍵盤の演奏技能に比重を置くのがキーボード奏者である。
電子オルガン奏者との違い

なおシンセサイザー同様に機能が向上してきた電子鍵盤楽器に電子オルガンがある。シンセサイザー奏者と電子オルガン奏者の違いはライブ演奏ではどちらも電子楽器を主に使ってリズムを任意にスタートさせたり鍵盤を演奏するなどの点で大きな違いはないが、電子オルガン奏者は一度の演奏ですべてのパートを演奏する技能を求められる一方、音創りにおいては積極的に自作する能力は求められない。これに対し、シンセサイザー奏者は積極的な音創りがなされる能力を持たなければならないことと、パートをいくつも重ねて創る楽曲を構成できる技能、さらには録音スタジオにも匹敵する程の高度な電気的・電子的音響技術効果を駆使できる技能を持たなければならない。


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