高分子(こうぶんし)または高分子化合物(こうぶんしかごうぶつ)(英: macromolecule、giant molecule)とは、分子量が大きい分子である。国際純正・応用化学連合(IUPAC)の高分子命名法委員会では高分子macromoleculeを「分子量が大きい分子で、分子量が小さい分子から実質的または概念的に得られる単位の多数回の繰り返しで構成した構造」と定義し、ポリマー分子(英: polymer molecule)と同義であるとしている[1]。また、「高分子から成る物質」としてポリマー(重合体、多量体、英: polymer)を定義している[2]。すなわち、高分子は分子であり、ポリマーとは高分子の集合体としての物質を指す[3]。日本の高分子学会もこの定義に従う。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2017年5月) 高分子はその由来によって、自然界の産物である天然高分子(英: natural macromolecule)と、人工的に合成された合成高分子(synthetic macromolecule)、天然高分子から化学的に誘導された半合成高分子(semisynthetic macromolecule)に分類される。さらに、高分子を構成する分子によって有機高分子(organic macromolecule)と無機高分子(inorganic macromolecule)にそれぞれ分けられる。天然の有機高分子は生物によって合成されるため、生体高分子とも呼ばれる。これらの分類方法とは別に、特に生体高分子において繰り返し構造の規則性での分類もある。ただ1種の構成単位が単一の連結法で繰返された構造を持つ化合物を規則性高分子(regular macromolecule)という。2種以上の構成単位の繰返しからなる構造をもつ、あるいは構成単位の連結法が単一でない構造をもつ高分子を不規則性高分子(irregular macromolecule)という。
目次
1 高分子の種類
2 構造
2.1 位置規則性
2.2 立体規則性
2.3 幾何異性体
2.4 共重合体の構造
3 大きさ
4 分子量
5 合成法
6 高分子に関するノーベル賞
7 関連項目
8 出典
9 外部リンク
高分子の種類
天然高分子
有機かつ規則性高分子
ポリアミン、一部の脂質、セルロース、アミロース、デンプン、キチン、天然ゴム
有機かつ不規則性高分子
ポリペプチド、タンパク質、DNA、RNA、一部の脂質、リグニン、アスファルテン
無機高分子かつ規則性高分子
二酸化ケイ素(水晶、石英)、雲母、長石、石綿、天然由来の炭素同素体(ダイヤモンド、黒鉛)、閃亜鉛鉱、ウルツ鉱
合成高分子
有機かつ規則性高分子
合成樹脂(プラスチック)(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フェノール樹脂など)、シリコン樹脂(シリコンゴム、シリコンオイル)、合成繊維(ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラートなど)、合成ゴム
無機かつ規則性高分子
ポリシロキサン、ポリホスファゼン
また、共重合体の単位構造配列による分類方法もある。
ランダム共重合体
交互共重合体
ブロック共重合体
グラフト共重合体
高分子の分岐の程度で以下のように分ける[3]。
線状高分子 (liner macromolecule)
実質的または概念的に、相対分子質量の小さい分子(単量体など)に由来する単位が線状に数多く繰返された構造をもつ高分子
星型高分子 (star macromolecule)
1個の分岐点から線状分子鎖(腕)が出ている高分子。