シロナガスクジラ
シロナガスクジラ シロナガスクジラ Balaenoptera musculus
保全状況評価[1][2][3]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書I
分類
シロナガスクジラ(白長須鯨、Balaenoptera musculus、英語: Blue whale、藍鯨)は、哺乳綱偶蹄目ナガスクジラ科に分類される海洋哺乳類である。 現在の標準和名(シロナガスクジラ)は、国内における本種との混同が目立った[5]ナガスクジラとの区分を意識した命名になっているが、各種の和名が統一される以前は「ナガスクジラ」「ナガス」「ナガソ」「ニタリナガス」「シロナガソ」「ハイイロナガス」など多様な呼称が使われていた[7]。
名称
中国語で最も一般的に使われる表記の「??」は、英名の「Blue Whale」に準拠している。
分布スピッツベルゲン島にてチャンネル諸島(カリフォルニア州)にて
模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)はフォース湾であった[4]。
熱帯から寒帯にかけての沿岸や外洋域に分布し、多くの場合は季節的な回遊を行う[5]。その際、夏はオキアミ等が豊富な寒帯や極海の積氷の間際まで回遊し、冬には温帯から熱帯にかけての範囲で繁殖を行う。
外洋に生息する場合が目立つが、カリフォルニア湾やチリの沿岸など沿岸部に生息する個体群もおり[5]、浅い沿岸域やフィヨルドを利用する事もある[8][9][10]。捕鯨時代の以前には現在よりも沿岸に生息する個体も多かったと思われ、たとえば後述の通り、日本列島の沿岸でも短期間に大量に捕獲されており[11]、現在の品川区沖の東京湾に来遊した可能性のある記録も存在する[注 1][12]。
付属海や縁海にはあまり入らず、オホーツク海や地中海、日本海、東シナ海、ベーリング海などには分布しない[3][5][6]とされるが、過去にはオホーツク海[13][14]やベーリング海[15]や日本海[16]や黄海[11][7]や東シナ海[17][18]でも捕獲されていたり、2018年には紅海のアカバ湾に出現した[19]。
なお、2020年に台湾の長浜郷に漂着した個体は、キタシロナガスクジラではなく、北インド洋に生息するB. m. indicaであったと判明している[20]。
近年では、本種やピグミーシロナガスクジラのホットスポットまたは重要な生息域が従来の想定よりも多くの地域に点在する事が判明しており[21]、それらの中には中東、東アフリカ、中部アフリカ、南部アフリカ、西アフリカ[22]、チャゴス諸島、南タラナキ湾など、長年にわたって生息情報が途絶えていたり[23]、これまであまり注目されてこなかった海域も少なくない[24][25]。 海洋哺乳類学会(Society for Marine Mammalogy
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