シロザケ
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「鮭」はこの項目へ転送されています。漫画家については「鮭 (漫画家)」を、高橋由一の絵画については「鮭 (高橋由一)」をご覧ください。

この項目では、魚について説明しています。飲み物については「」を、コンゴ民主共和国東部の都市については「サケ (コンゴ民主共和国)(英語版)」をご覧ください。

サケ
オスどうしの争いや河川への遡上で背と腹の肉の一部がむき出しになり、ウイルスや細菌により白く変色した産卵期のオス(上)。下はメス。
分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱:魚上綱 Pisciformes
:硬骨魚綱 Osteichthyes
:サケ目 Salmoniformes
:サケ科 Salmonidae
:サケ属 Oncorhynchus
:サケ(またはシロザケ) O. keta

学名
Oncorhynchus keta
Walbaum, 1792
英名
Chum salmon、Salmon
孵化したての卵黄嚢仔魚サケ。腹部の卵黄嚢(卵のう、egg envelope)はやがて吸収される。0歳の稚魚(2004年5月 札幌市豊平川さけ科学館)遡上する鮭(2005年11月)海生時と産卵時のピンクサーモンの成魚(オス)。顎にKype(英語版)という変化が見られる。産卵後の死骸。生息個体が特に多い小規模河川の河口部では、産卵期に多数見られる。ホッチャレとも呼ばれる。

サケ(切り身、生)[1]100 gあたりの栄養価
エネルギー120 kcal (500 kJ)

炭水化物0 g
食物繊維0 g

脂肪3.77 g
飽和脂肪酸0.84 g
一価不飽和1.541 g
多価不飽和0.898 g

タンパク質20.14 g

ビタミン
ビタミンA相当量(4%) 30 μg
チアミン (B1)(7%) 0.080 mg
リボフラビン (B2)(15%) 0.180 mg
ナイアシン (B3)(47%) 7.000 mg
ビタミンB6(31%) 0.400 mg
葉酸 (B9)(1%) 4 μg
ビタミンB12(125%) 3.00 μg
ビタミンC(0%) 0 mg
ビタミンE(7%) 1.09 mg

ミネラル
ナトリウム(3%) 50 mg
カリウム(9%) 429 mg
カルシウム(1%) 11 mg
マグネシウム(6%) 22 mg
リン(40%) 283 mg
鉄分(4%) 0.55 mg
亜鉛(5%) 0.47 mg

他の成分
水分75.38 g
ビタミンA99 IU
コレステロール74 mg


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

サケ(鮭、石桂魚、C、年魚[2]、Oncorhynchus keta)は、サケ目サケ科サケ属の。狭義にはとしてのO. keta の標準和名であるが、広義にはサケ類一般を指すことが多い。

ここでは種としての「サケ」、通称「シロザケ」について解説する。
名称

生鮮魚介類として流通する場合にはシロサケ、アキサケ、アキアジ(アイヌ語の「アキアチップ(秋の魚の意味)」に由来する[3]。)などの名称も用いられる[4]。このほかの別名としてイヌマス、サーモン、メジカ、トキシラズ、岩手県では南部鼻曲り鮭、ブナ(いずれも河川に遡上したものを指す)などがある。トキシラズ(時知らず)は産卵期以外の時期に取れる季節外れの鮭の呼称。産卵のために栄養が使われておらず、のものより美味いとも言われる。

上記呼称を含めて地方名も多く、アキザケとアキアジは北海道青森県秋田県、トキシラズとナツザケとラシャマスは北海道で使われる。なお、一部ではシャケとも称される[5]が、シャケとサケの関係については諸説ある。

「サケ」の語源については「サケ類」も参照のこと。

漢字では「C」の字が使われていたが、生臭いという意味があったため、明治時代になると「鮭」が使われるようになった[6]。中国で「鮭」はフグを指し、サケという意味は日本での国訓である[7]

北海道の方言では、ふるさとの川に帰って産卵を終えた鮭のことを「ほっちゃれ」と呼ぶ[8]
生態

遺伝的には地域差より河川毎の差が大きく、同一河川での年級毎(年ごと)の差は小さい。これは、高い母川回帰性のため河川間の交雑が起き難く、回帰個体の年齢にバラツキがあり年ごとの交配が行われていることを意味する[9]

飼育下では標津サーモン科学館淡水でのメスの成熟にも成功し、次世代を得たことがあり、2009年(平成21年)には千歳サケのふるさと館が2例目の淡水でのメス成熟と産卵の成功例となった。また、2012年(平成24年)には富山県立滑川高等学校が国内3例目の成功例となる淡水でのメス成熟と成熟卵の抱卵を確認するなど、生態の研究が進められている。
分布

生息域は北太平洋ベーリング海オホーツク海日本海を含む)と北極海の一部[5]。日本国内でサケが遡上する川として有名なのは石狩川や、豊平川などである。日本近海のサケの圧倒的多数は、安定した漁業資源確保のために北海道東北地方を中心に人工的に採卵・放流される孵化場産シロザケが占めている。稚魚の放流が行われず、自然産卵のみのサイクルが維持されている河川も北海道、北陸近畿山陰地方にいくつか存在する[注釈 1]

日本で定常的に遡上が認められる南限の河川は、日本海側は島根県江の川の支流濁川であり、太平洋側は千葉県九十九里浜に注ぐ栗山川で、「(サケ)は銚子(ちょうし)に限る」ということわざ語呂合わせから南限は銚子付近といわれる。なお、栗山川に回帰するサケは1957年(昭和32年)までは自然遡上していたが、両総用水房総導水路の取水堰(横芝堰)のため自力では遡上できなくなっていた。その後、1976年度(昭和51年)より行われたサケ増殖事業(カムバックサーモン運動)により稚魚放流され回帰が復活[10][注釈 2]、2007年(平成19年)に竣工した横芝堰の改修に伴い魚道が設置され、堰上流への遡上も復活した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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