シロアリ
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シロアリ
イエシロアリ Coptotermes formosanus
分類

:動物界 Animalia
:節足動物門 Arthropoda
:昆虫綱 Insecta
上目:網翅上目 Dictyoptera
:ゴキブリ目 Blattodea
下目:シロアリ下目 Isoptera




ムカシシロアリ科 Mastotermitidae

レイビシロアリ科 Kalotermitidae

オオシロアリ科 Termopsidae

シュウカクシロアリ科 Hodotermitidae

ミゾガシラシロアリ科 Thinotermitidae

ノコギリシロアリ科 Serritermitidae

シロアリ科 Termitidae

シロアリ(白蟻)は、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ下目 (Isoptera) 、あるいはシロアリ目の昆虫の総称(詳細は分類の項を参照)。

主に植物遺体を食べる社会性昆虫である。いわゆる蟻塚のほとんどは、シロアリによって作られる。アリとはまったく異なる系統の昆虫だが、アリのように女王シロアリを中心としたコロニーを形成し、コロニーには数百から数百万の個体が生息する。

シロアリにはヤマトシロアリ、イエシロアリのような下等シロアリとキノコシロアリのような沖縄以南に分布する高等シロアリがある。家屋に被害を与えるのは下等シロアリである[1]

木造家屋などに棲みつき木材(場合によってはコンクリートプラスチック動物の死骸なども食い荒らすこともある[2])を食い荒らす害虫として忌み嫌われるが、自然界においてはセルロースの分解に携わる重要な働きを持つ。近年ではシロアリの消化器官内の共生菌によるセルロース分解プロセスがバイオマスエタノールバイオガスの製造に役立つ事が期待され、研究が進められる[3][4][5][6][7]
特徴

白「蟻」と名がつけられているが、アリハチ目の昆虫で、翅を欠く社会性のハチであるのに対し、シロアリは朽木などの植物遺体を食べるゴキブリの中から社会性を著しく発達させた系統の昆虫である。不完全変態のため、幼虫成虫とほぼ同じ姿である。そして、ある程度成長すればニンフ(擬蛹)という段階を経て生殖虫(いわゆる羽アリで成虫に該当する)となって巣外へ出て行く。この生殖虫の翅は細長くて柔らかく、4枚がほぼ同じ大きさをしている。「等翅類」という名称は、この4枚ともほぼ同じ大きさをしている翅に因んだものである。この翅は折り重なるように畳んで背中に平らに寝かせることができる。ただし飛行後間もなく根元で切れて脱落する。によって異なるが、それ以外の兵蟻や職蟻は終世翅を持たない。

触角は数珠状。口器は咀嚼型。頭部、胸部、腹部はその間でくびれない。腹部は膨らんで柔らかい。日本産のものは巣内にとどまるので白っぽく、足が短く不活発なものが多いが、熱帯のキノコシロアリ類や餌を野外に探しに行くシュウカクシロアリ科の種類では、7mの穴を掘り水脈を探し、体色が白ではなく茶褐色や黒っぽいものもいる。それらでは手足も長く活発な種も多い。

林や草原における枯木や落葉などの16?60%が、シロアリの身体を通ることで一般の動植物が再利用できるものに変えられ、生態系維持に重要な役割を果たす[1]
社会

シロアリはすべてが真社会性である。シロアリは巣から有翅の雌雄の生殖虫が飛び出し、群飛後地上に降り、雌雄がペアになって巣作りを始める。雌雄は女王、王となり、交尾、産卵を繰り返す。女王は卵巣の発達とともに次第に腹が膨らみ、種によっては元の大きさの数倍に達する。生まれた子供は親と同じ姿で、ある程度成長すれば職蟻として、王、女王を助け、巣を作るなどの作業を行う。職蟻は雌雄両性があり、それらは成長してゆくにつれ、一部のものが兵蟻、ニンフ、有翅虫(羽蟻)、副女王や副王(複数おり生殖虫がコロニー内に居る限り生殖は行わない)に分化する。兵蟻は繁殖をしないが他階級は生殖階級(女王、王)に分化可能である。
副女王は女王のクローンであることが近年多くの種で確認されている。なお、上記でもわかるとおり、姿の似たアリでは職蟻は成虫であるが、シロアリでは幼虫である。このことから、専門的な文脈では職蟻ではなく擬職蟻(偽職蟻は誤り)と表記することが多い。兵蟻も幼虫とされているが職蟻と違い、通常は他階級には分化できない。職蟻がどの齢まで他のどの階級に分化可能かは種によって異なる。巣の規模が小さい間は職蟻と兵蟻だけであるが、大きくなってくると、ニンフを経て羽蟻、副女王、副王が現れる。羽蟻は特定の時期に巣外に出て群飛し、新天地にコロニー創生する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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