シリア文字
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Unicodeのブロックについては「シリア文字 (Unicodeのブロック)」をご覧ください。

シリア文字

シリア文字によるヨハネによる福音書の冒頭。上からセルトー体(西方書体)、ネストリウス体(東方書体)、エストランゲロ体。
類型:アブジャド
言語:シリア語, アラム語, アラビア語(ガルシュニ(英語版))
時期:紀元前200年頃-現在
親の文字体系:原カナン文字

フェニキア文字

アラム文字

シリア文字



子の文字体系:

ソグド文字
   突厥文字
      ロヴァーシュ文字
   ウイグル文字
      モンゴル文字
ナバテア文字
   アラビア文字
グルジア文字(議論あり)
Unicode範囲:U+0700-U+074F
U+0860-U+086F
ISO 15924 コード:.mw-parser-output .monospaced{font-family:monospace,monospace}Syrc
Syre(エストランゲロ)
Syrj(セルトー)
Syrn(東方)
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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大秦景教流行中国碑(8世紀)のシリア文字エストランゲロ体の書物。9世紀セルトー体(西方書体)の写本。11世紀

音素文字の歴史


青銅器時代中期-原シナイ
前19-15世紀

ウガリット 前15世紀


原カナン 前14世紀

フェニキア 前11世紀

古ヘブライ 前10世紀

サマリア 前6世紀


アラム 前9世紀

ブラーフミー 前6世紀
インド系

チベット 7世紀

クメール 7世紀

ジャワ 9世紀
他多数


ヘブライ 前3世紀

シリア 前2世紀

ナバテア 前2世紀

アラビア 4世紀

ペルシア 7世紀

ウルドゥ 11世紀

ターナ 18世紀



パフラヴィ 前2世紀

アヴェスタ 4世紀


ソグド

突厥 5世紀

ウイグル 8世紀

(契丹小字 10世紀)

(女真小字 12世紀)


モンゴル 13世紀

満洲 16世紀

シベ 20世紀


トド 17世紀

ワキンダラー 20世紀




ギリシア 前9世紀

エトルリア 前8世紀

ラテン 前7世紀

ルーン 2世紀

オガム 4世紀

ゴート 4世紀



コプト 300年

グルジア 4世紀

アルメニア 405年

グラゴル 862年

キリル 10世紀



イベリア 前6世紀


南アラビア 前9世紀

ゲエズ 前5–6世紀


メロエ 前3世紀
カナダ先住民 1840年
注音 1913年

シリア文字(シリアもじ)は、シリア語で用いられる文字で、22文字からなるアブジャドである。アラビア文字ヘブライ文字などと同様に、右から左に書かれる。アラム文字から発達したが、文字はアラビア文字と同様につなげて書かれ、一部の文字は語頭・語中・語末・独立の4つの異なる字形を持っている。
言語

シリア文字がいつどのように発生したかは正確にはわからないが、エデッサ(現在のウルファ)を中心とする北メソポタミアに、西暦1-3世紀ごろの碑文が残る。文書としては、411年のものがもっとも古い[1]

本来は古典シリア語のために用いられる文字だったが、19世紀にヨーロッパの宣教師がシリア文字の東方書体を使って現代アラム語を記すための正書法を考案し、これが現在でも使われている[2]

5世紀以降、シリア文字のエストランゲロ体に近い文字が、パレスチナのキリスト教徒の用いる西アラム語(シリア語とは別)を記すのに使われた。また、シリア文字のエストランゲロ体に由来する文字はマニ教徒によって中世ペルシア語・パルティア語ソグド語バクトリア語などを記すために用いられた(マニ文字を参照)。一方東方書体(ネストリウス体)は、キリスト教徒によってソグド語を記すためにも用いられた[3]

また、インドのマラヤーラム語(マランカラ正教会(英語版))、およびガルシュニ(英語版)として知られるアラビア語(中東のキリスト教徒が用いる)でも用いられる。
書体

主要な書体には次の三種類がある。

エストランゲロ体(????????、もっとも古い書体。他の2書体の元になった)

ネストリウス体(??????、東方書体とも。
ネストリウス派で用いた)

セルトー体(????、西方書体とも。ヤコブ派マロン派で用いた)

ほかに、メルキト体[4]などがある。
母音の表記

シリア文字は原則として子音のみを表記するが、? で長い ?, ? を、y で ?, ay を、w で u, ?, o, ?, aw を表すことが行われた。
加点

シリア文字では、さまざまな目的のために文字の上下に点を打った。

まず、d と r の文字がほとんど同形になっていたので、区別のために d は文字の中に、r は文字の上に点を打つことで区別した。

また、名詞の単数形と複数形は母音でのみ区別され、綴りの上に違いが現れなかったので、複数形では上にトレマに似た点を打つことで区別した。ほかにも点を上に打ったり下に打ったりすることで同綴語を区別した。

後世には、母音をより正確に表すための記号が発達した。西方書体ではギリシア文字の母音(Α Ε Η Ο ΟΥ)に由来する記号を文字の上か下に小さく記した。東方書体では点の打つ位置と個数で母音を区別した。

ほかに、発音しない子音(黙字)を示す記号や、破裂音と摩擦音を区別するための記号が使われることもあった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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