シラビソ
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シラビソ
シラビソの葉
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))

分類

:植物界 Plantae
:裸子植物門 Pinophyta
亜門:マツ亜門 Pinophytina
:マツ綱 Pinopsida
亜綱:マツ亜綱 Pinidae
:マツ目 Pinales
:マツ科 Pinaceae
:モミ属 Abies
:シラビソ A. veitchii

学名
Abies veitchii Lindl.
和名
シラビソ、シラベ
変種

本文参照

シラビソ(白檜曽、学名:Abies veitchii)は、マツ科モミ属の常緑針葉樹で、日本固有種である。別名はシラベ。
特徴.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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日本本州四国にのみ生育する[1]。具体的には山形・宮城県境の蔵王から中部山岳地帯紀伊半島大峰山系、四国の剣山石鎚山まで分布する。ウラジロモミより更に上部、海抜1,500メートルから2,500メートルの亜高山帯に分布する。四国に分布するものは、シコクシラベ Abies veitchii var. reflexa という変種として扱われる(詳細は#シコクシラベを参照)。関東から中部地方にかけての亜高山帯林において、オオシラビソと混生するが、比較すると太平洋側のの少ない山岳ではシラビソが、日本海側の多雪地ではオオシラビソが比較的優勢である。

球果は4-6センチメートルとかなり小型で、成熟すると暗青紫色になる。樹高は大木では35メートル以上に達する場合もあるが、自生地が標高の高い山岳地帯であるため、多雪・強風・土壌の貧弱など過酷な自然環境により、大木となることはかなりまれである。また、寿命も数十年程度と、樹木としては比較的短い場合が多い。混生することが多いオオシラビソとはよく似ているが、枝からの葉の生え方に違いがあり、上から見ると、シラビソは枝がよく見えるのに対して、オオシラビソは葉が枝を隠すように生えていることで区別ができる。また、球果の先端がオオシラビソでは丸みを帯びているのに対して、シラビソでは先端が尖っている。

八ヶ岳北横岳縞枯山では、同一地域のシラビソとオオシラビソが一斉に枯死 → 稚樹が一斉に成長 → 同じくらいの寿命で再び一斉に枯死というサイクルを繰り返し、白い枯れ木と緑の樹木が帯状に連なっているため、「縞枯現象」と呼ばれる。この「縞」は、木の生長のサイクルに従って、数十年単位で山頂方向にゆっくりと移動している。

北海道・千島列島・樺太に分布するトドマツと近縁で、最終氷期、またはそれ以前の氷期に本州まで南下してきたトドマツが、氷期の終了とともに本州中部の山岳地に取り残されたものの子孫と考えられる。大量の積雪に弱いため、現在の東北地方の日本海側にはまったく分布せず、太平洋側でも蔵王より北には分布しない。この分布パターンやそれに至る経緯は、トウヒ属のトウヒエゾマツに類似している。
変種、品種

シラビソの変種品種として下記のものがある[2]

Abies veitchii Lindl. シラビソ

var. veitchii

f. komagatakensis (Hayashi) Yonek. コマガタケシラベ

f. olivacea (Shiras.) Kusaka アオシラベ


var. reflexa シコクシラベ(syn.: var. shikokiana)

f. viridis (Kusaka) Kusaka アオシコクシラベ



シコクシラベ笹ヶ峰のシコクシラベ群落

四国におけるシラビソの分類をめぐっては様々な紆余曲折を経ている。1916年、小泉源一は Abies veitchii var. reflexa を記載し、タイプ産地を四国の剣山および石鎚山とした[3]。その一方で小泉は1925年、徳島県剣山にチョウセンシラベ(Abies koreana E.H.Wilson[注 1]が見られるとした[5]。1928年、中井猛之進はモミ属の新種として Abies sikokiana を記載し、高知県の山地でS・ウエタにより採取された標本[注 2]タイプとされた[6]。なおこの際に Koidzumi (1925) のチョウセンシラベがこの新種の誤同定であったとされ、新種の比較対象としてもチョウセンシラベが選ばれた[6]。この新種に対する和名「シコクシラベ」の使用は遅くとも翌1929年7月には既に見られた[7]。1954年に草下正夫(スペイン語版)は葉の形態の比較を根拠としてシラビソの変種 Abies veitchii var. sikokiana とした[8]。なおこの際に「シラビソの苞鱗の超出して反巻する型に対しては小泉源一博士により Abies Veitschii var. reflexa Koidzumi なる学名が付されているので, その性質を重視する場合には小泉博士の学名を用いねばならない」とも述べられている[8]。分布域は石鎚山系二ノ森、石鎚山周辺)、笹ヶ峰剣山系(剣山、一ノ森周辺)の標高約1,700メートルより上部の極限られた領域である。

しかし、1957年に矢頭献一長野県西駒ヶ岳奈良県大峰山脈(頂仙岳、弥山)そして四国は石鎚山のシラビソの毬果や葉の解剖的性質の比較を行い、四国産のものと本州のものを区別する必要はないと発表した[9]。山中'"`UNIQ--templatestyles-00000011-QINU`"'二男(つぎお)も1981年に四国と紀伊半島のシラビソを比較して、区別の必要はないとの見解を示している[10]。山中はさらに1991年、A. sikokiana 記載時に A. veitchii var. reflexa に関する言及は一切ないものの、A. sikokiana のパラタイプである小泉採取の石鎚山産や剣山産のものやJ・二階により採取された剣山産のもの計3点に関して、A. veitschii var. reflexa 記載時に触れられた剣山産および石鎚山産標本と異なるものであるとは考えにくいとする見解も表明している[11]。また、四国産のシラビソに関して Nakai (1928) より後に「苞鱗の相違がとりあげられた例はな」いとし、A. veitschii var. sikokiana という学名を用いることには問題があるとも述べている[11]


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