ショルダーキーボード
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ショルダーキーボード(ヤマハSHS-10)

ショルダーキーボードはシンセサイザーの鍵盤部分をギターのように肩からストラップで吊るして、演奏出来るようにした楽器の総称である。なお、ショルダーキーボードは和製英語であり、ローランドや英語圏ではkeytar(キーター)と呼ばれている。
解説ハービー・ハンコック による演奏

現行のものは大きく分けて、音源一体型と音源を内蔵しないコントローラーのみの機種の二つに分類される。音源部分は一般のシンセサイザー同様にアナログ音源、デジタル音源の機種がある。コントローラーのみの機種では、MIDI信号を発するための鍵盤とスイッチのみが装備される。従って本体のみでは楽器として発音させることはできない。MIDIケーブルにて(トランスミッターでワイヤレス化することも可能)外部に接続するMIDI対応音源モジュールに接続し、そこから発音させる仕組みになっている。なお、廉価版のモデルでは音源とスピーカーを内蔵していて単体で発音出来る製品もある。

基本的にどのモデルもギターの風貌をモチーフにした形状になっていて(一部据え置き兼用モデルもあり、こちらは通常のキーボードと同じ長方形の形状をしていて、グリップ部分がない)、ギターのネックやヘッドにあたる部分(グリップ)に各種エフェクト機能のスイッチ類が装備され、ボディにあたる部分に鍵盤が上向きに装備されている。ストラップもモデルによっては専用ストラップもあるものの、ギターベースの物を流用することが出来る。ドラマー同様に、通常は定位置に留まっている(大体はステージ後方)のキーボーディストも、ギタリストベーシストのように縦横無尽にステージを動き回ることが出来るため、過去多くのキーボーディストがキーボードソロが多い曲などで、コンサート歌番組にて良く使用した。

一時期、どのモデルもメーカーで製造されておらず絶版商品になっていたため、新規に手に入れる場合は中古楽器店、ネットオークションやリサイクルショップなどで探したり、既存のMIDIキーボードを改造して製作する必要があった。しかし、最近では[いつ?]ローランドやコルグで久々にニューモデルが発表されるなど、ショルダーキーボードは再び息を吹き返しつつある。

黎明期には、まだ既製品としてのショルダーキーボードが存在していなかった70年代前半にエドガー・ウィンターアープ2600用のコントローラーにストラップをつけショルダーキーボードとして使用していた。その後ユートピアに在籍していた元アープ社の社員だったロジャー・パウエル等により、シンセ用コントローラーのショルダーキーボード「プローブ」が開発され、のちにヤン・ハマーが自身が使いやすいようにカスタマイズしたものを使用するようになる。他には日本の電子楽器メーカーのヒルウッドより61鍵のキーボードにストラップをつけ立奏できるよう開発されたRB-1という製品が発売されたり、更に70年代末から80年代に入りクラヴィターやモーグ・リバレーションといったショルダーキーボードが発売され、ハービー・ハンコックジョージ・デューク等の使用によりショルダーキーボードが一般的にも認知されるようになった。ショルダーキーボードを弾いている女性、韓国にて
商標

ショルキーはヤマハの登録商標である[1]
主なモデル

YAMAHA

CS01

KX1

CS01II

KX5

DX100

SHS-10

SHS-200

VKB-100

SHS-300

SHS-500


ローランド

SH-101

AXIS

AXIS-1

AX-1

AX-7

AX-Synth

Lucina AX-09

AX-Edge


河合楽器製作所 ※他のメーカーとは違い、これらの機種は裏蓋側にストラップピンがある。

SPECTRA KC10

SPECTRA KC20

MIDI KEY MDK61

MIDI KEY II MDK61-2


KORG

RK-100

RK-100S

707

POLY-800

POLY-800II

microKORG + SC-MK1


CASIO

AZ-1

CZ-101

CZ-230

CZ-1000

SA-75 + SI-100 ※ベンド、モジュレーション、MIDI出力なし。


moog

LIBERATION


Lync

LN1

LN4

LN1000


ALESIS

VORTEX

VORTEX Wireless

VORTEX Wireless 2



主立った演奏者と使用機種
国内

深町純 CS01

小室哲哉 KX1・KX5

浅倉大介 KX5

木根尚登 DX100

前田耕陽 KX5

坂本龍一 KX5

松浦雅也 AZ-1・LN4

岡田徹 VORTEX・VORTEX Wireless 2

上田現 KX5

阿部義晴 SHS-200

国分太一 KX5・AX-1

松居慶子 CS01・KX5

ミッキー吉野 RK-100

向谷実 LIBERATION・KX1・KX5

伊東たけし LN1

和泉宏隆 KX5

大高清美 AX-09

中村建治(ナニワエキスプレス) ケンジター(ローランドSYSTEM100Mのコントローラー181にホイールを内蔵したギターのネックをつけた自作機)・KX5・AX-1

西脇辰弥 AXIS-1・AX-Synth

桃井はるこ KX5・AX-1・AX-7・SHS-10・AX-Synth

上田愛美 AX-1・SHS-10

野沢秀行 AX-1

幹てつや SHS-10

木村貴志 LIBERATION・AX-1

難波弘之 Remote Prophet(Prophet-5コントロール専用ショルダーキーボード)・RK-100・AZ-1(アーム付の特注仕様)

厚見玲衣 RK-100

永川敏郎 RK-100の上部にSHS-10を張りつけ2段鍵盤のようにして使用。

三柴理 AXIS・AZ-1・LN4・LN1000

D.I.E. AX-1

今野登茂子 707

丹野義昭 KX5

鈴木大輔 AX-Synth

河合奈保子 SH-101

黒坂優香子 AX-09

オレオレオナ (Gacharic Spin) AX-09

AYANO (Cyntia) RK-100S

H ZETT M RK100S

ポセイドン・石川 AX-Edge

海外

ハービー・ハンコック クラヴィター・AXIS-1・AX-7・AX-Synth・AX-Edge

ジョージ・デューク クラヴィター・KX1・AX-7

チック・コリア KX5

ヤン・ハマー KX5・Jan Hammer SIGNATURE EDITION(Lync LN4の本人用カスタマイズモデル)

パトリース・ラッシェン KX5

ジェフ・ローバー KX1・AX-1

トム・シューマン(スパイロ・ジャイラ)LIBERATION

ハワード・ジョーンズ KX5

トーマス・ドルビー KX5


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