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この項目では、疾患・症候としてのショックについて説明しています。その他の用法については「ショック (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ショックまたは循環性ショック(じゅんかんせいショック)とは、主に血圧が下がり、瀕死の状態になる急性の症候群のこと。放置すれば死亡する可能性が高い。医学用語としての「ショック」は、単にびっくりした状態、急に衝撃を受けた状態、という意味ではない。より正確には、身体の組織循環が細胞の代謝要求を満たさない程度にまで低下することによる重要臓器の機能障害と細胞死によって引き起こされる、重度かつ生命の危機を伴う病態のこと[1]。ただし、明らかな血圧低下を認めない事もある[2]。
日本語では末梢循環不全あるいは末梢循環障害といい、重要臓器の血流(特に微小循環)が障害されて起こる急性の疾患群のことを指す。細胞障害を生じるため、末梢血管の虚脱、静脈還流量の減少、心拍出量の低下、組織循環能力の低下等の循環機能障害を呈する。 古典的には5P'sといわれる症状が有名である。これは顔面蒼白 (pallor)、虚脱 (prostration)、冷汗 (perspiration)、脈拍触知せず (pulseless)、呼吸不全 (pulmonary insufficiency)が生じるとされている。血圧低下や頻脈、徐脈も良く見るが、頭蓋内出血によるものであれば血圧・脈拍は正常の範囲であることが多い。血圧の低下ではなく循環動態のパラメーターを重視する考え方もある。ショックが重篤であったり、遷延すると意識障害、代謝性アシドーシス、高乳酸血症 ショックの原因と分類[2] 外科的・外傷・腹腔臓器出血・消化管出血等が主原因。急速な出血(.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄3程度以上)や過度の血管拡張[1]のため循環血液量が減少し、十分な血圧が保てなくなったためにショックに陥る。治療は、アドレナリン投与、急速な輸液、あわせて輸血を行う。慢性的な出血の場合は代償的に組織から水分が血管内に流入するためショックとはならず貧血になる。 熱または化学薬品による重症熱傷の際、毛細血管の浸透性が亢進して血漿が組織へ流出してしまい、細胞外液が致命的に不足するためにショックに陥る。急速輸液と、血漿成分の輸血を要する。輸血に関しては、初期から輸血してもすぐ流出しまうため、超急性期を過ぎてから行う場合も多い。また、熱中症による大量発汗(細胞外液逸失)でもショックは起こりうる。 細菌の全身感染症によって起こる細菌性ショックと、ある一定の細菌(グラム陰性菌)が放出する菌体毒素(エンドトキシン)によるエンドトキシンショックに分類される。エンドトキシンショックは毒素によって血管平滑筋が麻痺して末梢血管抵抗が低下し、静脈還流が減少するためにショックに至る。起因菌に対し有効な抗生物質を投与し、大量輸液を要する。 心タンポナーデや心筋梗塞等で心臓から送り出される血液量が低下しているために、十分な血流を保てずショックに陥る。原因が鬱血性心不全である場合は利尿剤を投与する。ジギタリス等の強心剤は心機能低下を一時的に改善できる可能性があるが、長期予後はむしろ悪い。なお、利尿剤により循環血液量減少が生じると循環血液量減少性ショックに至る可能性もある。 I型アレルギー反応の一つ。外来抗原に対する過剰な免疫応答が原因で、好塩基球表面のIgEがアレルゲンと結合して血小板凝固因子が全身に放出され、毛細血管拡張を引き起こすためにショックに陥る。ハチ毒、食物、薬物[3]等が原因となることが多い。アナフィラキシーの症状としては全身性の蕁麻疹と以下のABCD(喉頭浮腫 蕁麻疹以外の症状代表的な症状 肺塞栓症やアジソン病、糖尿病性アシドーシス、不適合輸血(異なったABO血液型の輸血)[4]などでも、ショックを引き起こす。 以下の内容は、鈴木昌(2011)「ショック」[2]より引用し改変 なお、β遮断薬などの投薬の影響や迷走神経機能の異常と頻脈が同時発生し、見かけ上の脈拍が正常範囲内に見えることがある。 スコア収縮期血圧(mmHg)脈拍数(回/min)BE(mEq/l))尿量(ml/h))意識 小川のショックスコア[5]では0-4点は非ショック、5-10点を中等症ショック、11-15点を重症ショックと判定している[6]。
症状
原因
心原性ショック(cardiogenic shock)
心筋性(心筋梗塞,心筋症)機械性(弁膜症,心筋症)不整脈性
循環血液量減少性ショック (hypovolemic shock)
詳細は「循環血液量減少性ショック」を参照
出血性ショック脱水
血液分布異常性ショック (distributive shock)
感染性ショック(septic shock)アナフィラキシーショック
閉塞性ショック (obstructive shock)
心タンポナーデ緊張性気胸肺塞栓症
出血・血管拡張「出血」および「血液」も参照
熱傷
重症感染症(敗血症)
心不全
アナフィラキシー(薬物過敏症等)「アナフィラキシー」も参照
A (air way)喉頭浮腫
B (breathing)喘息
C (circulation)ショック
D (diarrhea)下痢、腹痛
その他の疾患
診断
血圧低下収縮期血圧 90 mmHg以下
平時の収縮期血圧が 150 mmHg以上の場合:
平時より 60 mmHg以上の血圧下降
平時の収縮期血圧が 110 mmHg以下の場合:
平時より 20 mmHg以下の血圧下降
小項目(3 項目以上を満足)
心拍数 100回/分以上
微弱な脈拍
爪床の毛細血管のrefilling遅延(圧迫解除後 2 秒以上)
意識障害(JCS2 桁以上またはGCS10 点以下)、不穏、興奮状態
乏尿・無尿(0.5 ml/kg/hr以下)
皮膚蒼白と冷汗、または 39℃ 以上の発熱(感染性ショックの場合)
頻呼吸 (呼吸数 > 22回/分、動脈血二酸化炭素分圧〔PaCO2〕 < 32torr)[2]
脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)が、30以下
血圧低下と小項目 3 項目以上でショックと診断する。(JCS:Japan Coma Scale,GCS:Glasgow Coma Scale)
0100 ≦ SBPPR ≦ 100-5 ≦ BE ≦ 550 ≦ UV清明
180 ≦ SBP < 100100 < PR < 120±5 ≦ BE ≦ ±1025 ≦ UV < 50興奮または反応遅延
260 ≦ SBP < 80120 < PR < 140±10 ≦ BE ≦ ±150 ≦ UV < 25重度の反応遅延
3SBP < 60140 < PR±15 ≦ BE0昏睡
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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