シュルクーフ級駆逐艦
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シュルクーフ級駆逐艦 (T-47型)
建造当初の「シュヴァリエ・ポール」の模型
基本情報
艦種艦隊護衛艦(Escorteurs d'escadre)
就役期間1955年 - 1991年
前級モガドール級
次級

デュプレ級 (T-53型)
※対潜艦

シュフラン級 (FLE-60型)
※防空艦

要目
基準排水量2,750トン
満載排水量3,740トン
全長128.6m
最大幅12.7m
吃水5.4m
ボイラー4缶 (35kgf/cm2, 385℃)
主機蒸気タービン×2基
推進器スクリュープロペラ×2軸
出力63,000馬力
速力34ノット
航続距離5,000海里(18ノット巡航時)
乗員347人
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シュルクーフ級駆逐艦(Escorteurs d'escadre de la Classe Surcouf)は、フランス海軍駆逐艦の艦級。計画艦型番号はT-47[1][2]
設計

本級は、第二次世界大戦で壊滅した駆逐艦戦力再建のための戦後初の国産駆逐艦として、1949?1952年度計画で12隻が建造された[1]。次世代空母の直衛などを想定した艦隊護衛艦であり、他の欧州諸国の駆逐艦よりも大型とされた。そのコンセプトを含めて、大戦期のル・アルディ級との類似性が指摘されている[2]

機関も戦前型の系譜に属し、ACB/アンドレ缶と、ラトー式タービンによる4缶・2機構成で出力63,000馬力の機関を搭載した[3]。蒸気性状は圧力35 kgf/cm2 (500 lbf/in2)、温度385 °C (725 °F)であった[3]
装備

対空・対水上兵装主体の汎用艦であり[1]主砲としてはModele 1948 54口径127mm連装砲を採用、艦首甲板に1基、艦尾甲板および上部構造物上に背負式に1基ずつの計3基を搭載した。Mle.1948はフランス製の両用砲であるが、アメリカ製の54口径5インチ単装速射砲と弾薬の互換性があり、最大発射速度18発/分、最大射程22,000 mの性能を備えていた[4]。高角砲としては、ボフォース社のM/50 60口径57mm連装砲を国産の砲塔と組み合わせたModele 1951が採用され、艦橋直前と中部上構上に1基ずつ配置された[2]

一方、対潜兵器については、当初計画ではごくわずかな配慮しかなされておらず、対潜爆雷の投下軌条が設けられたのみであった。対潜戦の要請の増大に伴い、イギリス製のヘッジホッグスキッドなど対潜迫撃砲の搭載も検討されたものの、結局は、対水上用の550mm魚雷発射管に対潜誘導魚雷の運用能力を付与するのみとなった[2]
改装

1960年代、本級は3グループに分かれて、それぞれ指揮統制能力・防空能力・対潜戦能力のいずれかを強化する改修を受けた[1]
指揮艦型指揮艦改修後の「シュルクーフ」
艦橋構造物が前方に延長されたほか、後部の魚雷発射管が撤去されている。

最初に改修が行われたのが指揮統制能力強化型であり、1960年代初頭、ネームシップを含む3隻が改修を受けた。艦橋直前の57mm砲を撤去、魚雷発射管も減じて、艦橋構造物の拡大および司令部用居住区画の新増設を行っている[2][1]
防空型

1962年から1965年にかけて、「ケルサン」以下4隻がターター・システム搭載改修を受けており、ケルサン級とも称される。52・53番砲を撤去してMk.13単装ミサイル発射機を、後部57mm砲を撤去してMk.74 ミサイル射撃指揮装置2基を搭載している。また後檣上のDRBV-11は、システムのメインセンサーとなるAN/SPS-39A 3次元レーダーに換装された。なおこのAN/SPS-39Aは、1968年以降の改修で、AN/SPS-52と同じプレーナアレイ・アンテナ(AN/SPA-72)を用いるAN/SPS-39Bに換装された[2]。この他、防空戦に対応して、SENIT-2戦術情報処理装置も搭載された[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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