シュペールエタンダール
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シュペルエタンダール

空中給油を受けるアルゼンチン海軍のシュペルエタンダール

用途:攻撃機

分類:艦上攻撃機

製造者:ダッソー・ブレゲー

運用者


フランスフランス海軍

アルゼンチンアルゼンチン海軍

イラク(イラク空軍)


初飛行:1974年10月29日

生産数:85機

運用開始:1978年6月(フランス海軍)

運用状況:現役
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シュペルエタンダール(Super Etendard)は、フランスダッソー・ブレゲー社が開発した遷音速艦上攻撃機フランス海軍アルゼンチン海軍が採用した。1978年より実戦配備され、総生産機数は85機。
目次

1 概要

2 機体構成

3 採用国

3.1 フランス軍以外での活躍

3.1.1 アルゼンチン海軍

3.1.2 イラク空軍



4 派生型

5 諸元

6 登場作品

7 関連項目

概要

フランス海軍1970年代エタンダールIVの後継機として開発を要求したものである。当初はSEPECAT ジャギュアの採用が予定されたが、要求された性能を満たせず計画は中止となり、ダッソー社から独自に提案されていたエタンダールIV Mの改良発展型の採用を1973年に発表した。対艦ミサイルエグゾセ」と同時に開発が進められ、原型機は1974年10月28日に初飛行し、量産型初号機は1977年11月24日に初飛行した。1978年6月からフランス海軍への引き渡しが開始され、1983年に生産終了となっている。

なお、最高速度が遷音速域(M1.3程度まで)にとどまる本機は、専用の空対空レーダーも備えておらず、空戦能力は限定的であるため機種としては攻撃機に分類される場合が多い。しかし、実際には兵装搭載量が2.1tと、純粋な作戦機としては少なく、また、航続性能にも難があり、増槽の携行を必須とする。そのため、アメリカ海軍艦上攻撃機に比べても打撃力は非常に小さなものとなっている。導入初期には核兵器の運用能力を有していなかったが、1985年にダッソー社から提案された近代化改修計画によって、核弾頭搭載の巡航ミサイルASMP」の運用能力が付与された。現在では、戦略原潜と並んでフランス海軍の核戦力の1つとなっている。

なお、フランス海軍のシュペルエタンダールは2016年7月13日退役、マルチロール機ラファールMへ更新された。
機体構成

シュペルエタンダールの機体フレームエタンダールIVと90%近い共通性が持たされている。主翼前縁は完全に設計変更され、後縁フラップも大型化したため、エタンダールIVと同等の離着艦性能を維持している。エンジン推力強化型のスネクマアター 8K-50 ターボジェットエンジンに変更され、総重量も増加した。これに伴い、主翼の高揚力装置も大幅に強化されている。 編隊飛行をするフランス海軍のシュペルエタンダール アメリカ海軍空母ロナルド・レーガン」に着艦するアルゼンチン海軍のシュペルエタンダール

各種アビオニクス類も完全にアップグレードされており、機首レーダーにはトムソンCSF社とダッソー・エレクトロニク社が共同開発したアゲブI バンド・モノパルス・レーダーを搭載し、サジェム/キアフォット社製ETNA航法/攻撃システム、サジェム/キアフォット社製SKN602慣性航法装置なども搭載されている。このほかにも、クローゼ66 エア・データ・コンピュータと航法表示装置および兵装管理システム、トムソンCSF社製VE-120 HUD戦術航法装置(TACAN)、電波高度計などを装備し、コックピット前方には空中給油用プローブの装着も可能になっている。

1985年にダッソー社が発表した改修計画案では、艦載運用以外に不必要な一部器材を撤去し、その空きスペースを利用して最新の高性能攻撃/航法システムを搭載するものとしていたが、フランス海軍からは、それよりもさらに攻撃能力の向上が要求され、1986年から近代化改修が開始された。この近代化改修計画での最大の主眼は、核弾頭を装備可能なASMP巡航ミサイル携行能力の付与で、胴体中心線下に1発が携行できるようになった。また、レーダーもダッソー・エレクトロニク製アネモネ・レーダー(フランス語版)が搭載され、対地/対洋上モードやグラウンド・マッピング・モードが強化されている。さらに、コックピットにはHOTAS概念が導入され、HUDも22度の広視野型となり、TVあるいは赤外線画像の表示可能なラスター・スキャン型になっている。

航法装置ではサジェム/キアフォット社製慣性プラットフォームが追加され、兵装およびエア・データ・コンピュータはUAT90に変更されて演算能力が高められ、レーダー警戒受信装置、VCN65電子戦表示装置の装備などによって自己防御能力も強化された。機体フレームの強化も合わせて実施され、寿命飛行時間が6,500時間に延ばされた。

この改修型シュペルエタンダール初号機は1990年10月5日に初飛行し、ダッソー社ではさらに2機の試作改修機を製作して実用化への飛行試験を実施し、1993年から量産改修作業が開始された。改修予定機数は当初、40機程度が予定されていたが、ラファールMの実用化が遅れたことから、54機に追加された。

なお、2003年には前方赤外線監視装置(FLIR)、地形参照航法装置を装備し、夜間作戦能力を向上させるスタンダード5仕様へのアップグレードが計画され、一部の機体への改修作業が開始された。
採用国

アルゼンチン

フランス

イラク

フランス軍以外での活躍
アルゼンチン海軍


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