シャドウ・イン・クラウド
Shadow in the Cloud
監督ロザンヌ・リャン
『シャドウ・イン・クラウド』(Shadow in the Cloud)は2020年のアメリカ合衆国・ニュージーランドのサスペンスアクション映画。監督はロザンヌ・リャン(英語版)、主演はクロエ・グレース・モレッツ。第二次世界大戦中のニュージーランドを舞台に、大型爆撃機に取り付いた空の魔物「グレムリン」と女性航空隊将校の死闘を描いている[3]。 第二次世界大戦の真っ只中である1943年8月のある夜、婦人補助空軍の士官モード・ギャレットは機密書類が入った鞄を携えて、オークランドからサモアへ向かう大型爆撃機、B-17「フールズ・エランド号」に乗り込んだ。機内でただ1人のよそ者、しかも女性ということもあって、モードはクルーたちから舐めた態度を取られ、狭い下部銃塔に押し込められる。唯一、書類鞄を預かったクエイド軍曹だけは彼女に親切であった。モードは飛行中の機体の外に未知の怪物の姿を目撃するが、同じく怪物を見たベッケル一等兵を除いては、クルーたちから信用されない。モードはようやく機内に上がる許可を得たが、銃塔のハッチが故障し開かなくなる。すると、先ほどの怪物が銃塔に閉じ込められたモードを襲い傷を負わせる。その後無線連絡が入り、モード・ギャレットなる士官は存在せず、同乗者名簿にも載っていないと判明。このことを問われたモードは、自ら銃塔に閉じこもってしまう。そこへ日本軍機が攻撃を仕掛けてきた。モードは迎撃に加わり、敵を撃墜するという大功を挙げた。 男性クルーたちはようやくモードのことを認め始め、あらためて事情を問い質す。モードは応じようとしないが、先刻の怪物が機体を壊そうとしているのを目にする。もう一人のクルーもその姿を見たが、やはり他の者たちは信用しない。機体の不調を怪しんだ機長が命じて彼女の書類鞄を開かせると、その中には書類ではなく赤ん坊が隠されていた。モードは遂に真実を語り出す。既婚者である彼女は夫からひどい虐待を受けており、そんな中関係を持ったクエイドとの間に子供を授かり、彼にも内密に産んだ。夫の手から逃れるため、彼女は赤ん坊を連れて飛行場に来て、偶然目にしたフールズ・エランド号に公務を装って乗り込んだ。彼女が名乗ったギャレットはみずからの旧姓だった。 機長がオークランドへ戻るべく変針すると、3機の日本軍機に襲われる。さらに怪物が現れ、クエイドに傷を負わせると赤ん坊を鞄ごとさらってしまう。モードが機体の外へ身を乗り出して拳銃を撃ち込むと、怪物はいったん退散したが、残された鞄がエンジンナセルに引っかかってしまう。主翼の下を伝って、何とか赤ん坊を機内へ連れ戻したモードだが、怪物の襲撃と日本軍機との戦闘とによって、クルーたちが次々と殺されてゆく。
ストーリー