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シャクナゲ亜属
シャクナゲ
分類
約140種(詳細は本文参照)
シャクナゲ (石楠花、石南花) は、ツツジ科ツツジ属(Rhododendron)無鱗片シャクナゲ亜属、無鱗片シャクナゲ節の総称である。
主に低木だが、高木になるものもある。
また、日本ではその多くのものがツツジと称される有鱗片シャクナゲ亜属のものを欧米では Rhododendron と呼んでいる。ただし、有鱗片シャクナゲのなかでも、ビレア(マレーシアシャクナゲ)の仲間は、カワカミシャクナゲのように、日本でもシャクナゲと呼んでいる。 Rhododendron としては主として北半球の亜寒帯から熱帯山地までのきわめて広い範囲に分布し、南限は赤道を越えて南半球のニューギニア・オーストラリアに達する。特にヒマラヤ周辺には非常に多くの種が分布する。 いずれも派手で大きな花に特徴がある。花の色は白あるいは赤系統が多いが、黄色の場合もある。 シャクナゲは葉にロードトキシンことグラヤノトキシンなどの痙攣毒を含む有毒植物である。摂取すると吐き気や下痢、呼吸困難を引き起こすことがある。葉に利尿・強壮の効果があるとして茶の代わりに飲む習慣を持つ人が多く存在するが、これはシャクナゲに「石南花」という字が当てられているため、これを漢方薬の「石南(オオカナメモチ)」と同一のもの(この2つに関連性はない)と勘違いしたためであり、シャクナゲにこのような薬効は存在しない。 シャクナゲは常緑広葉樹にもかかわらず寒冷地にまで分布している。寒冷地に分布する種類のなかには、葉の裏側を中にした筒状にして越冬するハクサンシャクナゲなどがある。日本にも数多くの種類のシャクナゲが自生しているが、その多くは変種であり、種のレベルでは4種または6種に集約される。 このほか、園芸用品種として数多くの外国産のシャクナゲが日本に導入されており、各地で植栽されている。 野生状態でも変種が数多く、また園芸植物としても数多くの品種がある。そのため、種類数は定義によって大きく異なるが、おそらく数百種類はあると思われる。
分布
特徴
主な種
東アジア広域
キバナシャクナゲ R. aureum Georgi -シベリア東部・満洲・朝鮮半島北部・樺太・千島列島・カムチャツカなど東アジアの寒冷地に広く分布する。北海道から中部地方までの高山帯から亜高山帯上部にかけて自生する高山植物である。淡い黄色の花を咲かせる。
ヤエキバナシャクナゲ R. aureum Georgi f. senamense (Y.Yabe) H.Hara) -八重咲き品種。
ゴシキシャクナゲ R. aureum Georgi f. albiforum S. Watan. -花の白い品種。
ハクサンシャクナゲ R. brachycarpum G. Don -北海道・本州・四国と朝鮮半島北部の亜高山帯から一部はハイマツ帯まで分布する。花は白から淡い紅色で、内側に薄い緑色の斑点がある。亜高山帯の暗い針葉樹林内を彩る代表的な花である。以下のような変種がある。
ネモトシャクナゲ R. brachycarpum D.Don ex G.Don f. nemotoanum (Makino) Murata -八重咲きの品種。根本莞爾にちなむ。
日本
アズマシャクナゲ Rhododendron degronianum Carriere -東北地方から中部地方までの山地・亜高山帯に分布する。花は淡い紅色。以下のような変種がある。
アマギシャクナゲ Rhododendron degronianum Carriere var. amagianum (T.Yamaz.) T.Yamaz. -静岡県伊豆半島の山地に分布する。
ツクシシャクナゲ Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. japonoheptamerum -紀伊半島以西の本州・四国・九州の山地に分布する。樹高
ホンシャクナゲ Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. hondoense (Nakai) Kitam. -中部地方以西の本州と四国の山地に分布する。花は赤紫から白まで変化に富む。
キョウマルシャクナゲ Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. kyomaruense (T.Yamaz.) Kitam. -長野県南部と静岡県北部の南アルプス南部の山地に分布する。