シャイニング_(映画)
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シャイニング
The Shining

監督スタンリー・キューブリック
脚本スタンリー・キューブリック
ダイアン・ジョンソン(英語版)
製作スタンリー・キューブリック
製作総指揮ヤン・ハーラン
出演者ジャック・ニコルソン
シェリー・デュヴァル
スキャットマン・クローザース
ダニー・ロイド
音楽バルトーク・ベーラ
クシシュトフ・ペンデレツキ
リゲティ・ジェルジュ
ウェンディ・カルロス
アル・ボウリー
撮影ジョン・オルコット
編集レイ・ラヴジョイ
配給ワーナー・ブラザース
公開 1980年5月23日
1980年12月13日
上映時間143分(北米公開版)
119分(国際版)
146分(プレミア上映)
製作国 イギリス
アメリカ合衆国
言語英語
製作費$12,000,000
興行収入$94,984,856
配給収入 4億6000万円[1]
次作ドクター・スリープ
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『シャイニング』(The Shining)は、スタンリー・キューブリックが製作・監督し、小説家のダイアン・ジョンソンと共同脚本を務めた、1980年公開のサイコロジカルホラー映画。原作は1977年に出版されたスティーヴン・キング同名小説。出演は、ジャック・ニコルソンシェリー・デュヴァルスキャットマン・クローザースダニー・ロイド

1980年5月23日にアメリカで、ワーナー・ブラザースから公開された。劇場公開版にはいくつかのバージョンがあり、それぞれが前のバージョンよりも短くカットされ、合計で約27分がカットされた。公開当時の反応は賛否両論で、スティーヴン・キングは小説との乖離を理由にこの映画を批判した。しかし、現在ではホラー映画の中でも最も偉大で影響力のある作品の一つとされ、ポップカルチャーの定番となっている。

2018年、本作は「文化的、歴史的、または美学的に重要である」として、米国議会図書館によってアメリカ国立フィルム登録簿に保存された。 39年後の2019年11月8日には、続編の『ドクター・スリープ』が公開された。
あらすじ

コロラド州ロッキー山中にある人里離れた歴史あるホテル、オーバールック・ホテル。小説家志望であり、アルコール依存症を患っているジャック・トランスは、雪深く冬期には閉鎖されるこのホテルへ、閉鎖時の管理人としての職を得て、妻のウェンディ、一人息子のダニーを引き連れて訪れた。

支配人のアルマンは、「このホテルは、以前の閉鎖時の管理人であるチャールズ・グレイディが、孤独に心を蝕まれたあげく家族をで惨殺し、自殺したといういわく付きの物件だ」と語るが、ジャックは気にも留めず、家族3人で広大なホテルに住み込むことを決める。幼い息子のダニーは不思議な能力「シャイニング」(テレパシー)を持つ少年であり、この場所で様々な超常現象を目撃する。

ホテル閉鎖の日、料理長であるハロランはダニーと母親ウェンディを伴って、ホテルの中を案内する。自身も「シャイニング」の能力を持つハロランは、ダニーが自分の同類だと気付き、「この古いホテルもシャイニングを持っている」とダニーに語る。そして、猛吹雪により外界と隔離されたオーバールック・ホテルで、親子3人だけの生活が始まる。

生活の中、ジャックと家族らは「存在しないはずの何か」の存在への恐怖によって精神を蝕まれていく。そんな中、ジャックは謎の存在と旧知の仲のように会話をするなど、ホテルの力の影響を強く受けていく。そして彼は狂気に落ちる。

ジャックは謎の存在に命じられるまま、妻と息子を手に掛けようとする。遠いマイアミに居ながらホテルでの異変に気付き駆けつけたハロランをジャックは殺害するが、息子ダニーの機転によって庭の広大な迷路園に誘い込まれ、脱出できずに凍死する。ウェンディとダニーは雪上車に乗り、ホテルを後にする。

ジャックらが遭遇した存在は何だったのかははっきり示されないまま、1921年7月4日のオーバールックホテルの舞踏会を記録したモノクロ写真に、ジャックと瓜二つの男が写っている事が示され、エンディングを迎える。
キャスト
ジャック・トランス
(英語版)
演 - ジャック・ニコルソン作家志望の男。アルコール依存症を患っている。「管理人」の職を求めて、家族と共にオーバールック・ホテルに訪れた。
ウェンディ・トランス(英語版)
演 - シェリー・デュヴァルジャックの妻。
ダニー・トランス(英語版)
演 - ダニー・ロイドジャックとウェンディの一人息子。「シャイニング」の能力を持つ。
ディック・ハロラン(英語版)
演 - スキャットマン・クローザースホテルの料理長。終盤、ジャックによって殺害される。
スチュアート・アルマン
演 - バリー・ネルソンホテルの支配人。
デルバート・グレイディ
演 - フィリップ・ストーン
ロイド
演 - ジョー・ターケルバーテンダー
医師
演 - アン・ジャクソン(英語版)
ラリー・ダーキン
演 - トニー・バートン(北米公開版のみの出演)
浴室の若い女
演 - リア・ベルダム
浴室の老女
演 - ビリー・ギブソン
グレイディの娘
演 - リサ・バーンズ、ルイーズ・バーンズ
作品解説

ジャケットにも採用された、この映画の象徴ともいえる「叩き割ったドアの裂け目から顔を出したジャック・ニコルソンの狂気に満ちた表情」を撮るためにキューブリックはわずか2秒程度のシーンを2週間かけ、190以上のテイクを費やした。

本作の舞台となるオーバールック・ホテルの外観として使用されたのは、アメリカオレゴン州にあるフッド山の南側に建つティンバーライン・ロッジ(英語版)である。内装は、カリフォルニア州ヨセミテ国立公園のアワニー・ホテル(英語版)[注 1]をモデルとしている。外観に使われた当ロッジは原作通りの217号室が実在するため、号室の変更を要求し、映画では237号室に変更された。
技術

キューブリック作品は1957年の『突撃』など早くから移動撮影で知られていたが、本作では開発されたばかりのステディカムを導入。用法は効果的で、この撮影装置の知名度を飛躍的に高めた。

また撮影時にフィルムの映像をビデオチェックできる技術が使われた最初の映画である。それまでは現像されるまでチェックできなかった。
エクソシスト2

キューブリックの元には同時に『エクソシスト2』の制作の依頼も来ていたが、最終的にこちらの制作を選んだ。ただし『エクソシスト』第一作で悪魔に憑かれる少女リーガンが統合失調症を疑われ夥しい検査を受けるのと同様、霊魂、超能力「シャイニング」など科学で説明の付かない事象を説明の付く事象と曖昧に[注 2]描かれており、関与しなかったにせよ影響は少なくなかったと思われる。
ポスター案

本作のポスターは、ソール・バスに依頼された。300案の試行錯誤からキューブリックが選んだのは、THEの文字に少年の顔が点描された黒文字のロゴだった。しかし、これもワーナー・ブラザースに却下され、公開時にはドアから顔を出すニコルソンと恐怖に慄くデュヴァルの写真を使ったものが使用された[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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