シミエン国立公園
(エチオピア)
シミエン山地
英名Simien National Park
仏名Parc National du Simien
面積13600 ha
登録区分自然遺産
IUCN分類国立公園 (II)
登録基準(7), (10)
登録年1978年
危機遺産1996年 - 2017年
公式サイト世界遺産センター
シミエン国立公園は、エチオピア北部、アムハラ州ゴンダール地区にある1969年設立の国立公園。タナ湖の北東約110kmの一帯に広がるシミエン山地(英語版)を対象とする220km2に及ぶ国立公園であり、ユネスコの世界遺産に登録されている。
シミエン山地にはエチオピア最高峰(アフリカ大陸第4位)のラス・ダシェン山(標高4620m)をはじめとする高山が続き、「アフリカの天井」とも呼ばれている。この厳しい自然環境のなかで、独特の動植物たちが生息している。
国立公園指定のきっかけのひとつは、ワリアアイベックス(英語版)を保護することにあった。ワリアアイベックスは、ヨーロッパ大陸のアイベックス(ヤギ亜科)と同系統で、かつてヨーロッパとアフリカが地続きだったときに渡ってきたと考えられている。このほかの哺乳類や鳥類としては、ゲラダヒヒ、アビシニアジャッカル、アヌビスヒヒ、マントヒヒ、クリップスプリンガー、キンイロジャッカル、ブチハイエナ、サバンナダイカー(英語版)、ヒゲワシ、チョウゲンボウ(猛禽類)などが生息している[1]。
植物では、ジャイアントロベリアやヒペリカム(オトギリソウ属)などが見られる。
登録基準シミエンのゲラダヒヒ
この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。 この山地には、4000m地帯にすら暮らしている人々がいる。彼らは2000年前からこの地で細々と農耕を行ってきたとされるが、その農地拡大が環境の悪化に拍車をかける面が指摘された。また、1993年まで続いたエリトリア独立をめぐる内戦も環境を大きく損ねる原因となった。これらのことから、1996年に危機遺産に登録された。住民の多くは強制移住の対象となったが、対象とならなかった人々は今も山地で暮らしている。
(7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
(10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
危機遺産登録理由
^ ⇒Ethiopian World Heritage site, Simien National Park no longer in danger (Tuesday, 4 July 2017)(世界遺産センター、2017年7月5日閲覧)
参考文献
ユネスコ世界遺産センター(監修)『ユネスコ世界遺産 (12) 中央・南アフリカ』講談社、1997年
中川武 三宅理一 山田幸正(監修)『世界遺産を旅する・第12巻(エジプト・アフリカ)』近畿日本ツーリスト、1999年
表
話
編
歴
エチオピアの世界遺産
文化遺産
ラリベラの岩窟教会群
ゴンダール地域のファジル・ゲビ
アワッシュ川下流域
ティヤ
アクスム
オモ川下流域
歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル
コンソの文化的景観
自然遺産
シミエン国立公園
複合遺産
なし
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