シボレー・ノヴァ
[Wikipedia|▼Menu]

シボレーノヴァ(Nova )またの名をシボレー・シェビーII は、1962年から1979年、および1985年から1988年モデルイヤーで5世代にわたってGMで生産し、シボレーブランドで販売されていた小型乗用車である。
概要

1961年にシボレーのコンパクトカーとしてデビューする。当時ヒットしていたコンパクトカーであるフォード・モーターのファルコンに対抗して企画された。当初はコルベットと同じV8エンジンを搭載していたことや、ハイパフォーマンススポーツの「SS」(Super Sportsの略)などが設定されていたおかげでヒットを飛ばすが、シボレー・カマロなどとの競合や度重なるオイルショックの影響によって徐々に販売を落としてゆき、1979年まで製造された後、一旦はシリーズを終了する。

その6年後の1985年にノヴァは復活する。しかし以前のモデルとは繋がりの無いトヨタ・スプリンター(E80)ベースとなり、シボレー内最廉価のサブコンパクトとなった。しかし一代限りでノヴァは「ジオ・プリズム」へ代替された。

なお本車はデビュー当初から1968年までは「シェビーII」を名乗っており、「ノヴァ」は2代目までシェビーIIのグレード名のひとつに過ぎなかった。

Novaはスペイン語では「動かない」を意味する。そのため、スペイン語圏での売れ行きは思わしくなかったといわれている。これはマーケティングの教科書などにも出てくるほどの有名な話であるが、都市伝説に過ぎないと言われている。
初代(1961年-1965年)

シボレー・シェビーII(初代)
ノヴァ・SS
概要
販売期間1961年 - 1965年
ボディ
ボディタイプ2ドアクーペ
2ドアハードトップ
4ドアセダン
2ドアコンバーチブル
5ドアステーションワゴン
駆動方式FR
パワートレイン
エンジン327cu.in.(≒5359cc) Small-Block V8
変速機4MT/3MT/2AT
前F:ウィッシュボーン
R:リーフ
後F:ウィッシュボーン
R:リーフ
テンプレートを表示

1961年に「シェビーII」としてデビュー。シボレーのコンパクトカーとして誕生した。スペシャルティー要素の強かったシボレー・コルヴェアに対してのコンベンショナルシリーズとして企画された。開発にはフォード・ファルコンのヒットも大きく影響しているといわれ、実際GM内ではシェビーIIのベンチマークモデルとしてファルコンが使用され続けていた。

コルヴェアではリアエンジン・リアドライブのレイアウトを採用していたが、ファルコンの影響を色濃く受けたシェビーIIはFRレイアウトを採用。

ボディスタイルはクーペセダンハードトップワゴンコンバーチブルが、グレード展開は最もベーシックな「100」、上級モデルの「300」、最上位グレードで直6専用モデルの「400ノヴァ」がそれぞれにラインナップされた。オプションの範囲が限られていた100/300に対して、400ノヴァは多くのボディタイプやV8エンジンが選択できるなど、差別化が図られた。

1962年にはディーラーオプションでシボレー・コルベットに設定されていた「327キュービックインチ スモールブロック V8」を搭載するモデルが設定され、1964年にはノヴァシリーズに「SS」(スーパースポーツ)が追加された。「SS」は通常モデルのノヴァと比べ専用設計品が多数投入されたものであった。

コンパクトなボディにV8エンジンの組み合わせはサンデーレーサー等に受け、シェビーIIはヒットを飛ばした。

クーペ

セダン

ステーションワゴン

SSコンバーチブル

2代目(1966年-1967年)

シボレー・シェビーII(2代目)
ノヴァ400 SS
概要
販売期間1966年 - 1967年
ボディ
ボディタイプ2ドアクーペ
2ドアハードトップ
4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
駆動方式FR
パワートレイン
エンジン327cu.in. Small-Block V8
変速機4MT/3MT/2AT
前F:ウィッシュボーン
R:リーフ
後F:ウィッシュボーン
R:リーフ
テンプレートを表示

1966年にシェビーIIは2代目へとモデルチェンジする。基本的なコンポーネントは先代モデルから受けつがれており、主な変更点は外装のフェイスリフトとエンジン出力の向上となっている。なお、その中でもクーペの外装は1964年にGMが発表したコンセプトカー「スーパーノヴァ・コンセプト」に基づいたファストバックテイストのものとなっている。

ラインナップは先代同様のボディに対し、「シェビーII 100」と「シェビーIIノヴァ400」が設定されていた。ただしコンバーチブルはカタログ落ちしている。またV8モデルが標準ラインナップとして設定された。

また先代モデル同様にハイパフォーマンススポーツモデルの「SS」がラインナップされた。SSは通常モデルのノヴァに対して多くの専用部品が奢られ、アルミニウムデッキカバーなどの外装が差別化された。またボディには「シェビーII」のネームが入らず、代わりに「NovaSS」のバッジがつけられた。

1967年にマイナーチェンジ。法令変更に従ってパーツが見直され、衝撃吸収ステアリングや軟性樹脂の内装パーツを用いるなどの変更を受け、従来よりも安全性を高めた。

1967年にポニーカーであるシボレー・カマロが発売されると、顧客の一部はカマロへ流れていくようになっていった。

「SS」のバッティングはあったものの、通常のNovaの廉価版直6モデルが売れていたおかげで、2代目モデルも総じて販売成績は安定していた。

セダン

3代目(1968年-1974年)

シボレー・ノヴァ(3代目)
Third generation Chevrolet Nova
SS

概要
販売期間1968年 - 1974年
ボディ
ボディタイプ2ドアクーペ
4ドアセダン
駆動方式FR
パワートレイン
エンジン327cu.in. Small-Block V8
350cu.in. V8
396cu.in. V8
402cu.in. V8
変速機4MT/3MT/3AT/2AT
車両寸法
ホイールベース2,820mm
テンプレートを表示

1968年にモデルチェンジされ3代目へと移行する。モデルチェンジした際に段階的に「シェビーII」の名前が消滅していき、1969年には従来サブネームであった「ノヴァ」へと名前が統一された。また従来設定されていた2ドアハードトップと5ドアセダンはラインナップ縮小によりカタログ落ちしている。

本車としては初めて大規模なモデルチェンジが行われた。シェベルよりも短かったホイールベースを見直し、Xプラットフォームを採用したことで110インチから111インチへと延長している。また従来モデルから足回りが見直され、カマロと同様のフロントサスペンションをサブフレームに接合する機構を採用した。エンジンもスモールブロックV8を中心に、直4、直6とさまざまなタイプのエンジンが設定され、オプションで「M-20」4速マニュアルを中心とした様々なミッションを組み合わせることができた。

また販売施策のてこ入れとして1971年にはラリーキットを組み込んだ「ラリー・スポーツ」が販売された。

先代から引き続き本モデルにも「SS」が設定された。ディスクブレーキやM-21/22ミッション、375馬力を発生する396Ci V8エンジンなど、その内容はよりポニーカーとして過激なものとなっていた。

しかし既に当時は主な購買層だったサンデーレーサーのユーザーの多くをカマロに奪われており、コンパクトな4ドアのSSが一部には受けたものの、全体としての売り上げは芳しいものではなかった。ベーシックな直6モデルが先代同様に安定して売れていたため、全体としてみれば収益を上げていた。しかしそれも70年代前半までで、1974年オイルショックが始まると、高出力エンジンを採用していたがゆえに燃費に劣っていたノヴァの売り上げは、極端に落ち込んでいった。1971年にポンティアック・ヴェンチュラ、1973年からはビュイック・アポロ、オールズモビル・オメガも加わります。アルゼンチンではChevrolet Chevy Malibuの名で販売した

クーペ

セダン


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:29 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef