シホテアリニ隕石落下
[Wikipedia|▼Menu]

座標: .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯46度9.6分 東経134度39.2分 / 北緯46.1600度 東経134.6533度 / 46.1600; 134.6533シホテアリニ山脈の位置 同山脈は沿海州の中軸、すなわちソビエト連邦領のうち、日本海最北部に面した土地に沿って延びている。隕石が落下したパセカの村は、地図上では北海道北端の宗谷岬とほぼ同緯度にあたる

シホテアリニ隕石落下(シホテアリニいんせきらっか)とは、1947年2月12日に、ソビエト連邦(現・ロシア連邦)のウラジオストクの440キロメートル北東、シホテアリニ山脈山中の上空で起こった隕石の落下に伴う天体爆発事件。
シホテアリニ大爆発隕石落下10周年を記念した切手(1957年発行)。この隕石落下を目にした画家のP.J.メドヴェージェフによる記録画

1947年2月12日朝10時半、シホテアリニ山脈の近隣の住人たちは、太陽よりも明るい火の玉が北の青空の41度の高さに輝き、ものすごい爆音がとどろくのを聞いた。その光と爆発音は半径300キロメートルにわたって観測され、火の玉が長さ30キロメートルにも及ぶ飛行機雲のような隕石雲を残して落下した。この隕石雲は数時間にわたって空に残った。

爆発の中心地はウラジオストクの440キロメートル北東、ルチェゴルスクの町に近いシホテアリニ山脈山中で、パセカ(Paseka、北緯46度9.6分、東経134度39.2分)の村の近くの1.3平方キロメートルの楕円形の地域を無数の隕石片が覆い、いくつかの破片はクレーターを作っているのが発見された。最大のクレーターは直径26メートル、深さ6メートルという大きさだった[1]
衝突した天体の軌道

後に、目撃証言からソ連科学アカデミーが行った軌道の調査から、この火球の正体は小惑星であり、そのもともとの太陽を周回する軌道楕円状で、遠日点(最も太陽から遠い位置)が小惑星帯に達していたことが明らかになった。

この小惑星が秒速14キロメートルで地球に衝突したものと見られ、地上に衝突する前に大気圏に突入して大爆発を起こして四散したと考えられる。
隕石の二つの種類シホテアリニ隕石の一つ 長さ約12センチメートル、質量約1.5キログラム。主にからなる鉄質隕石のうちニッケルを6%以上含むオクタヘドライトである。分類はIIAB。この標本は、オクタヘドライトとしてはニッケルが最も少ないもの。

落下物には2つの種類があった[2]。一つは溶発(大気圏突入時の空力加熱で表面が溶けて蒸発すること)して表面が完全に溶解しており、早い段階で隕石本体から割れて大気圏を落下した物と思われ、表面に指で押したような穴があいている。もう一つはばらばらの破片で、落下中に空中で爆散したか、地表との衝突で砕け散ったと思われる。後者のほとんどは地上5.6キロメートルで起こった隕石本体の爆発の結果によるものであると見られる。

この隕石(小惑星)の大きさは、90トン弱はあったと思われる。より新しい研究成果では100トン(100,000キログラム)とするものもある[3]。地上に残っていた最大の隕石標本は300キログラムほどのもので、モスクワで展示されることになった。そのほか無数の破片は鉱物コレクター市場に流通している。

指で押したような表面の隕石。重さ1.3キログラム、1立方センチメートルほど

しわのような一方向の模様ができた隕石。重さ179グラム

破片型の隕石。長さ6.5センチメートル

シホテアリニ隕石の隕石片

隕石の成分

シホテアリニ隕石は肌理の荒い隕鉄(Octahedrite、鉄とニッケルの合金)であった。構成は以下の通りである。

 93%以上

ニッケル 5.9%

コバルト 0.42%

リン 0.46%

硫黄 0.28%

ゲルマニウムイリジウムが少量。

また、テーナイト (taenite)、プレッサイト (plessite)、ラーバイツ (rhabites)、トロイライト(トロイリ鉱、troilite)、クロマイト(クロム鉄鉱、chromite)、カマサイト (kamacite)、シュライバーサイト (schreibersite) の結晶といった鉱物が含まれている。
脚注^ “ ⇒The Sikhote-Alin Meteorite”. 2013年11月3日閲覧。
^ “Sikhote-Alin” (1996年2月). 2001年4月15日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2013年11月3日閲覧。
^ Gallant, Roy (February 1996). “Sikhote-Alin Revisited”. Meteorite Magazine (Arkansas Center for Space and Planetary Sciences, University of Arkansas). ⇒オリジナルの2010-06-12時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100612144717/http://meteoritemag.uark.edu/604.htm. 

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、シホテアリニ隕石落下に関連するカテゴリがあります。

ツングースカ大爆発

2013年チェリャビンスク州の隕石落下

隕石

火球

外部リンク

Fersman Mineralogical Museum, Russian Academy of Sciences - Moscow, Russia

Meteoritical Bulletin Database: Sikhote-Alin










有史以降の主な隕石衝突
地球上

2000年以前

861年直方隕石

1492年エンシスハイム隕石

1516年南丹隕石

1632年南野隕石

1783年の流星物体(英語版)

1860年の流星物体

1908年ツングースカ大爆発

1913年の流星物体

1947年シホテアリニ隕石落下

1954年ホッジス隕石

1960年ガオ・ギニー隕石

1969年アエンデ隕石

1969年マーチソン隕石

1972年の昼間火球

1976年吉林隕石

2000年タギシュ・レイク隕石

2001年以降

2002年東地中海の火球

2002年シベリアの火球

2007年カランカス隕石

2008 TC3(アルマハータ・シッタ隕石)

2008年バザード・クーリー隕石

2009年スラウェシ島の火球

2012年サッターズミル隕石


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:15 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef