シナモン
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「カネール」はこの項目へ転送されています。「カネール」という商品名の菓子を製造する菓子屋については「聖護院八ツ橋総本店」をご覧ください。

この項目では、香辛料について説明しています。デスクトップ環境については「Cinnamon」を、その他の用法については「シナモン (曖昧さ回避)」をご覧ください。
シナモンスティック

シナモン(: cinnamon)は、ニッケイ属(肉桂属、Cinnamomum)の複数の樹木の内樹皮から得られる香辛料である。一般には、北アメリカで最も多く流通するカシアや[1]、日本で「ニッキ飴」の名称で知られる肉桂(にっけい、にっき)などと同じものである。

生物学的には主に、スリランカ南インドなど熱帯地方原産のセイロンシナモン(錫蘭肉桂、Cinnamomum verum、Cinnamomum zeylanicum)、中国やインドシナ原産のカシア(支那肉桂、Cinnamomum cassia、Cinnamomum aromaticum)、ニッキ(肉桂、Cinnamomum sieboldii)を指す[2]

特徴的な芳香成分は、シンナムアルデヒドオイゲノールサフロールなど。香り高いことから『スパイスの王様』と呼ばれることもある[3]

カシアの樹皮は、桂皮(ケイヒ)と呼ばれる生薬として、多くの漢方剤に処方されているが[4]、現代の研究では西洋医学的に重要な薬効や治療効果の証拠を見つけることができていない[2][5]

シナモンの安全性について、古くからスパイスとして用いられ、一般的な使用において問題はない。しかし過剰摂取について、カシアに多く含まれるクマリン肝機能障害を引き起こす可能性があり、長期間のグラム単位の摂取には注意が必要である[2][1][6]
概要
利用史

世界最古のスパイスともいわれ、紀元前4000年ごろからエジプトミイラ防腐剤として使われ始めた。また、紀元前6世紀頃に書かれた旧約聖書の『エゼキエル書』や古代ギリシアの詩人サッポーの書いたにもシナモンが使われていたことを示す記述がある。

中国では後漢時代(25年-220年)に書かれた薬学書『神農本草経』に初めて記載されている。

日本には8世紀前半に伝来しており、正倉院宝物の中にもシナモンが残されている(「桂心」という名称で、薬物として奉納されたもの)。しかし樹木として日本に入ってきたのは江戸時代享保年間のことであった。
香辛料

香辛料としてのシナモン(シンナモンとも)は上記のシナモンの樹皮をはがし、乾燥させたもの。独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味がありカクテル紅茶コーヒー等の飲料や[7]アップルパイシナモンロールなどの洋菓子の香り付けに使われる。南アジア中東北アフリカでは料理の香りづけに頻繁に用いられる。インド料理の配合香辛料ガラムマサラの主要な成分でもある。インドのチャイの香りづけにもかかせない。

粉末状に加工したいわゆるシナモンパウダーのほか、樹皮のまま細長く巻いた形のシナモンスティック(カネール(フランス語: cannelle)とも)が広く流通する。
語源

「シナモン」という言葉はその中茶色をも指す。シナモンは複数の植物種とそれらの一部が作り出す商業的香辛料の名称である。それらは全てクスノキ科のニッケイ属 (Cinnamomum) に属する[8] 。数種のニッケイ属植物のみが香辛料のために商業的に育てられている。セイロンニッケイ (Cinnamomum verum) は「真のシナモン」と見なされることもあるが、国際通商におけるほとんどのシナモンはその近縁種のシナニッケイ (Cinnamomum cassia) に由来する。シナニッケイ由来の香辛料はカシア (cassia) とも呼ばれる[9][10]

15世紀から英語に実際の用例が確認できる英単語の"cinnamon" は、ギリシア語のκινν?μωμον (kinnam?mon) からラテン語及び中世フランス語を経て取り入れられた。ギリシア語の単語はフェニキア語からの借用語であり、これは近縁関係にあるヘブライ語の単語 ?????? (qinnamon) と似ていた[11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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