シドニアの騎士
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シドニアの騎士


ジャンルSFアクション
漫画
作者弐瓶勉
出版社講談社
掲載誌月刊アフタヌーン
レーベルアフタヌーンKC
発表期間2009年6月号 - 2015年11月号
巻数全15巻
新装版:全7巻
アニメ:シドニアの騎士(第1期)
シドニアの騎士 第九惑星戦役(第2期)
原作弐瓶勉
監督静野孔文(第1期)
瀬下寛之(第2期)
シリーズ構成村井さだゆき
キャラクターデザイン森山佑樹
音楽朝倉紀行
アニメーション制作ポリゴン・ピクチュアズ
製作東亜重工動画制作局、MBS
放送局第1期:毎日放送ほか
第2期:TBSテレビほか
放送期間第1期:2014年4月11日 - 6月27日
第2期:2015年4月11日 - 6月27日
話数第1期:全12話
第2期:全12話
映画:劇場版 シドニアの騎士
原作弐瓶勉
監督静野孔文
脚本村井さだゆき
キャラクターデザイン森山佑樹
音楽朝倉紀行
制作ポリゴン・ピクチュアズ
製作東亜重工動画制作局
配給東宝映像事業部
封切日2015年3月6日
上映時間133分
映画:シドニアの騎士 あいつむぐほし
原作弐瓶勉
総監督瀬下寛之
監督吉平"Tady"直弘
脚本村井さだゆき、山田哲弥
キャラクターデザイン森山佑樹、福士亮平
音楽片山修志
制作ポリゴン・ピクチュアズ
製作東亜重工重力祭運営局
配給クロックワークス
封切日2021年6月4日
上映時間110分
ラジオ:ラジオ シドニアの騎士
?綾と綾音の秘密の光合成?
配信期間2014年3月28日 - 2015年10月30日
配信サイト音泉
配信日第1 - 14・34 - 46回:毎週金曜日
第15 - 33・47 - 55回:隔週金曜日
配信回数全55回
パーソナリティ洲崎綾佐倉綾音
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメラジオ

『シドニアの騎士』(シドニアのきし)は、弐瓶勉による日本漫画作品。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて2009年6月号から2015年11月号まで連載[1]。英語表記は「Knights of Sidonia」。『シドニア』とも[2]

アニメ版第一期が2014年4月から6月まで放送され[3]、第二期『第九惑星戦役』が2015年4月から6月まで放送された。

2015年に第39回講談社漫画賞・一般部門を[4]、2016年に第47回星雲賞コミック部門をそれぞれ受賞している[5]
概要

綿密な世界観設定、過剰な起伏を抑えた感情表現、複雑に入り組んだ巨大構造物、スターシステム的な名前など、作者の要素が継承されている[6]

SF漫画であり、「ロボット」「ラブコメ要素」など新機軸を盛り込んだ王道的な構成。弐瓶を尊敬[7]する諫山創も「今までそんな引き出しは持っていらっしゃらないと思っていたのに、非常に質の高いラブコメ」「ラブコメ的日常と、それが明日なくなるかもしれない緊張感とのバランスが絶妙」と評する[8]

世界の紹介が行われている。連載時は「あらすじ」の紹介があり、単行本では章の間に「設定メモ」が挿入され各話の扉では「シドニア百景」が設けられている。

作者の弐瓶にとって『BLAME!』(1997年 - 2003年)から約5年ぶりの『月刊アフタヌーン』での連載になる。

2013年10月発刊の単行本第11巻からはオビにマンガ家の赤松健が提唱・運用している同人マークを付けた[9][注 1]
あらすじ

奇居子(ガウナ)と呼ばれる対話不能の宇宙生命体に地球を破壊され、僅かに生き延びた人間は、小惑星ほどもある世代宇宙船を建造して太陽系を脱出した。播種船(はしゅせん)シドニアはその一つで、地球に代わる惑星を求めて1000年もの長きにわたり宇宙を旅してきた。だが現在、シドニアはガウナが頻出する宙域に孤立し、存続が危ぶまれている。

配管が複雑に入り組み、誰も近づかないシドニアの基底部では、谷風長道(たにかぜ ながて)が祖父のヒロキと二人きりで、世間から隠れて暮らしていた。ヒロキは長道に対ガウナ兵器・衛人(もりと)の操縦を教え込み、衛人仮象訓練装置での長道の成績はいまやヒロキを上回っている。しかしあるときヒロキが死亡し、残された長道は遺言に背いて地上へと彷徨い出る。食料工場で米を盗んでいるところをシドニアの船員に見つかり、身柄を拘束された長道は、自分には船員としての登録記録が存在しないこと、ヒロキは17年前に死亡扱いになった人物であることを知らされる。そこに落合と名乗る男が現れ、長道を身元引受人となる、シドニア艦長・軍総司令の小林のもとへ連れていく。小林は長道に外の世界を見せ、シドニア存続のために力を貸してほしいと頼む。その申し出を受け入れた長道は、ただちに衛人操縦士訓練生に抜擢され、百年前の戦争で無名の撃墜王が搭乗した一七式衛人・継衛(つぐもり)を与えられる。時を同じくしてガウナの巣・大衆合船(しゅがふせん)が厳戒宙域に出現、小林はガウナとの戦争を宣言する。

特殊な生い立ちや上層部の特別扱い、光合成のできない人間特有の体臭が災いし、長道は他の訓練生から陰湿ないじめに遭う。星白閑(ほしじろしずか)と、中性の科戸瀬(しなとせ)イザナだけは長道に対等に接し、やがて良き友人となる。そして訓練生たちに宇宙空間を漂う氷塊の採掘任務が与えられる。非戦闘任務のはずだったが、ガウナが氷塊を突き破って出現、触手で継衛をはじきとばして長道に深手を負わせ、同期訓練生の山野を捕食する。さらにガウナは、意図は不明ながら山野を模倣し、人間のような形状に変化する。シドニア軍司令部は長道の救出を打ち切り、他の訓練生を退避させてガウナに重質量砲を発射する。しかし砲弾が直撃する直前、長道は不可解にも蘇生しガウナと交戦、シドニアへの生還を果たす。砲弾はガウナの肉・エナを大きくはぎ取るものの、本体には傷ひとつつけられず、ガウナはエナを再生してシドニアに接近する動きを見せる。百年前の第四次ガウナ防衛戦では、二体のガウナが船内に侵入したために総人口の99%が死亡している。同様の惨事を防ぐべく、司令部はシドニア屈指の正規操縦士の赤井、緑川、青井、百瀬に、ガウナ本体を唯一破壊できる槍・カビザシを与え、ガウナ討伐に赴かせるが、ガウナは討伐隊を返り討ちにし、重質量砲をも避け、シドニアに向けて突進する。シドニアは緊急回避機動を余儀なくされ、高Gによる居住区画の崩壊で数千名の犠牲者を出しながら、ガウナを紙一重でやり過ごす。しかしガウナの到来をわずかに先延ばしにしたにすぎない。司令部は守備隊総力で迎撃する態勢を整える一方で、訓練生の長道、星白、岐神海苔夫(くなとのりお)、仄焔(ほのかえん)の四名に、討伐隊が持ち出し、いまは宇宙を漂うカビザシ1本の回収を命じる。カビザシはシドニアに28本しかなく、補充も見込めないためだ。長道たちはカビザシを発見するが、ガウナにヘイグス粒子砲で狙撃される。星白の機体はヘイグス機関の損傷で爆発し、岐神と仄の機体も戦闘不能となる。長道は一人でガウナと対決、ヘイグス粒子砲の撃ち合いを制して、回収したカビザシでガウナの本体を貫く。そして帰還限界線の向こう側へ吹き飛ばされた星白を探すために、長道もまた帰還限界線を越え、消息を絶つ。長道は星白を発見するものの、継衛のヘイグス粒子はすでに尽きており、ともに宇宙を漂流する羽目になる。星白は長道の向こう見ずな行動を非難するが、生き延びるために力をあわせる中で、二人の距離は急速に縮んでいく。

二週間ののちに守備隊に救出され、シドニアに帰還した長道は、英雄のような扱いを受け、いじめも止まる。そして岐神、星白、仄焔とともに正規操縦士に任命され、前途は明るいかのように見えた。しかし長道は、密かに自身に嫉妬していた岐神の計略により、連結型ガウナの討伐で重大なミスを犯す。結果、仄焔は意識不明の重体となり、星白は機体ごとガウナに食われて死亡する。シドニアの人々は手のひらを返して長道を糾弾し、操縦士権限の凍結を叫ぶ。その最中、星白の機体を模倣した衛人型ガウナが三体同時に出現する。衛人隊がガウナに傷を負わせると、ガウナはシドニアの通信回線を通じて悲痛な叫び声を上げる。その声はまぎれもなく星白のものだった。操縦士まで模倣していたのだ。衛人隊は衛人型ガウナを二体撃破し、エナで再現された「操縦士」も一体回収する。しかし三体目のガウナ・紅天蛾(べにすずめ)は異常な戦闘能力を露わにし、衛人を次々と屠っていく。長道が戦闘に割って入り星白の名を叫ぶと、紅天蛾は攻撃を停止し、新たに出現した小衆合船・オカリナへ撤退する。回収された衛人型ガウナの操縦士・エナ星白は、外見は星白と瓜二つで、骨格や内臓も人間と変わらないことが判明する。人間だった頃の記憶さえ断片的にはあるらしく、長道の名を呼び、長道の姿を見て触手を伸ばすなど反応を示す。紅天蛾とオカリナの出現以降、ガウナは人間が考えたような複雑で高度な作戦でシドニアを攻撃するようになる。シドニアは、人工カビやガウナ本体貫通弾、弾体加速装置、新型衛人などの新兵器でこれに対抗する。繰り返される戦いの中で、長道は前大戦の撃墜王を彷彿とさせるエースパイロットへと成長していく。しかしシドニアにガウナ以外の脅威が迫っていることは、長道も、他の誰も知る由もなかった。百年前の戦争でシドニアを滅ぼしかけ、処刑されたとされるマッドサイエンティスト・科学者落合が、岐神開発次期当主の岐神海苔夫の意識と肉体を乗っ取って復活し、己の野望――究極の生命体の創造と転生――を成就するために暗躍を始めていたのだ。

外生研に標本として保管されているエナ星白は、長道と面会を重ねるにつれて人間らしい振る舞いが増え、長道もそれに入れ込むようになる。しかし、ひそかに外生研を傀儡にしていた岐神(科学者落合)の手回しにより、エナ星白は岐神開発に譲渡され、長道の前から姿を消す。しばらくの後、長道らがガウナとの戦いで窮地に陥ったとき、人型のガウナが突如出現、長道らを救う。岐神開発の新兵器・融合個体の白羽衣(しらうい)つむぎだった。岐神は、エナ星白の卵子に人工の人間の精子を受精させることで、人間とガウナの混血生物を作り出したのだ。つむぎは「人類存続のために力を尽くしてガウナと戦う」決意を表明するものの、ガウナを心底嫌悪するシドニアの人々はつむぎを拒絶し、罵声を浴びせる。長道はそんなつむぎを哀れに思い、イザナとともに彼女に手を差し伸べる。やがて、つむぎの決意が試される時がくる。小衆合船オカリナがシドニアに直接攻撃を仕掛けてきたのだ。オカリナは超高出力のヘイグス粒子砲を形成、シドニアを狙撃しようとする。命中すればシドニアは確実に消滅する。長道ら衛人隊の必死の抵抗にもかかわらず、オカリナはヘイグス粒子砲を発射するが、つむぎが射線上で身を呈してビームを屈折させる。ビームはシドニアを外れ、オカリナも撃破されるが、つむぎは深手を負う。つむぎに救われたシドニアの人々は、彼女に対する認識を改め、一日も早い回復を祈る。そして岐神の治療で一命を取り留め、復帰したつむぎは誰もから感謝され、仲間として迎え入れられる。


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