シタグリプチン
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シタグリプチン
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

(R)-4-oxo-4-[3-(trifluoromethyl)-5,6-dihydro[1,2,4]triazolo[4,3-a]pyrazin-7(8H)-yl]-1-(2,4,5-trifluorophenyl)butan-2-amine

臨床データ
ライセンスEMA:リンク、US FDA:リンク
胎児危険度分類

US: B




法的規制

UK: 処方箋のみ (POM)

US: ?-only

投与経路経口
薬物動態データ
生物学的利用能87%
血漿タンパク結合38%
代謝 (CYP3A4- and CYP2C8-mediated)
半減期8 to 14 h[1]
排泄 (80%)[1]
識別
CAS番号
486460-32-6
ATCコードA10BH01 (WHO)
PubChemCID: 4369359
DrugBankDB01261
ChemSpider3571948 
UNIIQFP0P1DV7Z
ChEMBLCHEMBL1422 
化学的データ
化学式C16H15F6N5O
分子量407.314 g/mol
SMILES

Fc1cc(c(F)cc1F)C[C@@H](N)CC(=O)N3Cc2nnc(n2CC3)C(F)(F)F

InChI

InChI=1S/C16H15F6N5O/c17-10-6-12(19)11(18)4-8(10)3-9(23)5-14(28)26-1-2-27-13(7-26)24-25-15(27)16(20,21)22/h4,6,9H,1-3,5,7,23H2/t9-/m1/s1 

Key:MFFMDFFZMYYVKS-SECBINFHSA-N 

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シタグリプチンリン酸塩水和物(シタグリプチンリンさんえんすいわぶつ、Sitagliptin Phosphate Hydrate)は、DPP-4 (Dipepeptidyl peptidase-4) 阻害薬に分類される経口血糖降下薬である。DPP-4はインクレチンの分解に関係する酵素であり、これを阻害することで、高血糖時のインスリン分泌を高めて血糖値を低下させるので、2型糖尿病の治療薬として利用されている。[2]GLP-1アナログ製剤であるリラグルチドと同じくインクレチン関連薬の1つであり、SU剤に代表される経口血糖降下薬に比べて低血糖のリスクが少ないとされる。上気道感染症・尿路感染症の副作用が3%に見られたが、膵疲弊の軽減の結果かHOMA-βやプロインスリン/インスリン比を改善した[3]。頻度の高い副作用としては低血糖・下痢などが知られている。
承認状況

2007年10月、アメリカで承認された[4]後、2009年9月、欧州で承認された[5]

2009年10月、日本国内で承認され[6]小野薬品工業から ⇒グラクティブとして、MSD株式会社から ⇒ジャヌビアとしてそれぞれ発売された。
作用機序

シタグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)の競合阻害薬である。DPP-4は食事に反応して分泌されるインクレチン、すなわちGLP-1およびGIP(消化管ホルモン(英語版))を分解し失活させる[7]。DPP-4の阻害によりGLP-1およびGIPの失活が妨げられると、それらのインスリン分泌促進効果ならびにグルカゴン分泌抑制効果が増強され、高過ぎる血糖値が正常域へ低下する。血糖値が正常域に達するとインスリンとグルカゴンに対するGLP-1およびGIPの効果は薄れるので、過剰な効果(低血糖)は他の一部の経口血糖降下薬よりは少ないとされる。
臨床的特徴

シタグリプチンのHbA1c低下効果は
偽薬を対照とすると約0.7%であり[8]:18、単剤使用(英語版)時にはメトホルミンよりも効果が低い。151名の日本人患者による偽薬対照臨床試験ではHbA1c 1.05%の低下をもたらしたと報告された[3]

スルホニルウレアに比べて体重増加および低血糖の発現頻度が低い。

シタグリプチンは食事療法・運動療法で効果がなく、メトホルミンで管理不充分な症例に対する第二選択薬(他剤との併用)として勧められる[9]

TECOS試験においては、シタグリプチンは偽薬と比較して心血管イベントの発生率に差が見られなかった[10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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