システマティック・レビュー
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証拠(科学的根拠またはエビデンス)の強さは、上に行くほど強くなる。上に向けて蓄積されていくので二次研究が一次研究を拾いきれないラグも起こりうる。また効果のみを評価し副作用を考慮していない場合もある。 .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  診療ガイドライン   メタアナリシスシステマティックレビュー)   ランダム化比較試験 (RCT)   コホート研究   症例対照研究   症例報告   in vitro(試験管)など
(ニューヨーク州立大学作成[1]

システマティック・レビュー(英語: systematic review)または系統的レビューとは、文献をくまなく調査し、ランダム化比較試験(RCT)のような質の高い研究のデータを、出版バイアスのようなデータの偏りを限りなく除き、分析を行うことである[2]根拠に基づく医療(EBM)で用いるための情報の収集と、吟味の部分を担う調査である[3]。世界大学ランキングで5位にランクされているカロリンスカ研究所[4]によると、系統的レビューは研究者と博士課程向けであり、構造的文献レビューは修士と大学向けである。

系統的レビューは2人以上で取り組む必要があるため、1人だと構造化文献レビューや系統的文献レビューを行うしかない[5]。系統的レビューは複雑な質問への回答を探す代わりに、有効性に焦点を合わせている[6]。厳密な学術誌『PLoSONE』によれば、系統的レビューはガイドラインを策定するための最良の証拠を提供するものであり[7]、2015年のあるメタ分析では、系統的レビューは当時すでに大きな進歩を遂げており、その質の向上は目を見張るものがあり、研究間の異質性が大きい場合にはメタ分析ではなく系統的レビューのみを行うことが合理的な選択であるとしている[8]

メタ分析という言葉は、情報の収集から吟味解析までの系統的レビューと同様に用いられることがある[2]。系統的レビューの手法は、イギリスで1992年に国民保健サービス(NHS)から始まったコクラン共同計画から発展してきたもので、アメリカ合衆国では、あまり用いられない言葉である[2]。系統的レビューの手順には、データの解析であるメタ分析が含まれるが、コクラン共同計画では、これを厳密に区別する[2]。2003年には、世界に系統的レビューが4,600件あり、そのうちコクラン共同計画は1,600件であるとされる[2]
コクラン共同計画

コクラン共同計画における系統的レビューは、主題ごとに定期的に手入れされ、情報にアクセスできることも意図されている[3]。コクラン共同計画を冠しているアーチボルド・コクラン(英語: Archie Cochrane)の提唱したことの一部は、正しいデータを導くランダム化比較試験(RCT)を重視し、また各々のランダム化比較試験を定期的に批判的吟味することである[3]。系統的レビューの作業以外に、こうした調査を必要な人々に遅れなく「伝える」ことを加えた全体の機能が、コクラン共同計画の目的である[3]

1993年7月に、イギリスのコクランセンターがBMJ(イギリス医師会雑誌, British Medical Journal)と共同で会議を開き、1994年に論文となったものが、『系統的レビュー』(Systematic Reviews)として出版されている[9]。それは系統的レビューとメタ分析に関する章で構成されており、系統的レビューに関しては、バイアスとエラーを最小にする方法が議論されている[10]
研究質問

系統的レビューを行う際には、正しい研究質問をするのが最初のステップとなる。適切な研究質問が与えられれば、より関連性の高い研究文献を見つけることができるため、これは非常に重要である。とはいえ、系統的レビューにおける文献検索タスクの精度は、わずか2?3%である[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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