シクロオキシゲナーゼ
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シクロオキシゲナーゼ
識別子
EC番号1.14.99.1
CAS登録番号9055-65-6
データベース
IntEnzIntEnz view
BRENDABRENDA entry
ExPASyNiceZyme view
KEGGKEGG entry
MetaCycmetabolic pathway
PRIAMprofile
PDB構造RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum
遺伝子オントロジーAmiGO / QuickGO

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cyclooxygenase 1
Crystallographic structure of prostaglandin H2 synthase-1 complex with flurbiprofen.[1]
識別子
略号PTGS1
他の略号COX-1
Entrez(英語版)5742
HUGO9604
OMIM176805
PDB1CQE (RCSB PDB PDBe PDBj)
RefSeqNM_080591
UniProtP23219
他のデータ
EC番号
(KEGG)1.14.99.1
遺伝子座Chr. 9 q32-q33.3
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cyclooxygenase 2
Cyclooxygenase-2 (Prostaglandin Synthase-2) in complex with a COX-2 selective inhibitor.[2]
識別子
略号PTGS2
他の略号COX-2
Entrez(英語版)5743
HUGO9605
OMIM600262
PDB6COX (RCSB PDB PDBe PDBj)
RefSeqNM_000963
UniProtP35354
他のデータ
EC番号
(KEGG)1.14.99.1
遺伝子座Chr. 1 q25.2-25.3
テンプレートを表示

シクロオキシゲナーゼ (Cyclooxygenase, COX ;EC1.14.99.1) は、アラキドン酸プロスタノイドと呼ばれる生理活性物質の一群に代謝する過程に関与する酵素である。プロスタノイドにはプロスタグランジントロンボキサンなどのアラキドン酸代謝物が含まれる。COXには3つのアイソザイムがあり、それぞれCOX-1、COX-2、及びCOX-3と呼ばれる。正確によぶとプロスタグランジンエンドぺルオキシドシンターゼとなる。
概要

生体膜由来のアラキドン酸はアラキドン酸カスケードと呼ばれる代謝経路を経て生理活性物質に変換されることが知られている。膜結合蛋白質であるCOXは同一酵素内にCOX活性部位とペルオキシダーゼ活性部位を有し、COX活性はアラキドン酸からプロスタグランジンG2 (Prostaglandin G2,PGG2) を生成する過程に、ペルオキシダーゼ活性はPGG2をPGH2に変換する過程に関与している。

詳細にはホスホリパーゼA2により細胞膜のリン脂質から切り出されて細胞外に存在しているアラキドン酸が膜に存在するCOXによりPGG2に代謝されるとPGG2は二重膜構造をとっている細胞膜の膜間スペースに移動する。するとPGG2はまたCOXによる代謝を受けるが今度はペルオキシダーゼ活性によりPGH2へと変換される。その後細胞質へ移動したPGH2は各種酵素により種々のプロスタグランジン類及びトロンボキサンA2 (Thromboxane A2,TXA2) へ代謝され、種々の生理活性を示す。非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) はCOX活性を阻害して抗炎症効果を示すがペルオキシダーゼ活性の阻害は行わない。シクロオキシゲナーゼの反応メカニズム
COX-1とCOX-2

COX-1とCOX-2の2つのアイソザイムアイソフォーム)はそれぞれ約600アミノ酸残基からなる蛋白質でありアミノ酸配列の類似性は高いが(約60%の相同性)、組織における発現は異なる。COX-1は全身の組織に広く分布し、小胞体に発現している酵素であり構成型と呼ばれる。また、ステロイドによってはその活性はほとんど抑制されない。

COX-1は細胞内に恒常的に一定量存在しており、特定の刺激によっても誘導され得る。一方COX-2は脳や腎臓などで恒常的に発現するがその他の組織では普段は発現が低く、炎症組織において発現が誘導されることから誘導型と称される。COX-1とは異なり、COX-2は主に核膜に存在し、ステロイドによって活性が強く阻害される。

また、COX-1と僅かに異なり、脳内に多く存在するCOX-3が発見され、研究が進められている。COX-3は、アセトアミノフェンに特異的に阻害され、痛みの知覚に関与すると言われている。
炎症とCOX-2

COX-2はサイトカイン増殖因子などの刺激により発現が誘導されることが知られている。炎症時にはCOX-2を介したPGE2やPGI2等の産生が亢進する。PGE2は血管透過性の亢進、血管拡張及び発痛に、PGI2は血管拡張及び発痛に関与し、炎症反応をそれぞれ進行させる。COX-2を介した作用として、細胞の増殖、運動性、接着、アポトーシス抑制の亢進などが明らかにされてきたが、それらの作用機序は、いまだ不明な部分が多い。

シクロオキシゲナーゼ
COX-1 COX-2
遺伝子 第9染色体q32-33 第1染色体q25.2-25.3
遺伝子サイズ 22kb 8.3kb
アミノ酸数 576 603-4
発現細胞 ほぼ全ての細胞 炎症関連細胞(刺激後)、癌細胞
役割 胃粘膜保護、血流・血圧維持、血小板凝集 炎症、癌の増殖
基質特異性 高い 低い
グルココルチコイドによる阻害 阻害されない 発現抑制

がんとCOX-2


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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