シェパーズ・ブッシュ・エンパイア
Shepherds Bush Empire
2011年撮影
シェパーズ・ブッシュ・エンパイア (Shepherds Bush Empire) は、ロンドン西部のシェパーズ・ブッシュにある、アカデミー・ミュージック・グループ(英語版)が運営する演奏会場のひとつ。スポンサーであるO2の名を冠して、O2 Shepherds Bush Empire と表記されることもあれば、地名のシェパーズ・ブッシュに準じて、(アポストロフィを付けて)Shepherd's Bush Empire と表記されることもある。この建物はもともと1903年にミュージックホールとして建てられたものであったが、1953年にBBCが取得して、「BBCテレビジョン劇場 (BBC Television Theatre)」と改称した[1]。後にBBCの手を離れ、1991年以降は、演奏会場として運営されている。
歴史シェパーズ・ブッシュ・エンパイア
シェパーズ・ブッシュ・エンパイアは、1903年に興行主オズワルド・ストール(英語版)が、劇場建築で知られた建築家フランク・マッチャム(英語版)の設計により建設した[2]。エンパイアでは、多様な演芸やレビューといったミュージックホール系の娯楽が舞台にかかり、そうした演目は、その種の娯楽が衰退していった1950年代はじめころまで続けられた[3]
シェパーズ・ブッシュ・エンパイアは、第二次世界大戦の戦火をかろうじて免れた建物である。シェパーズ・ブッシュ・エンパイアに隣接するシェパーズ・ブッシュ・パビリオンは、1944年に飛行爆弾の爆撃によって内部を破壊され、1955年まで再開業されなかった[4][5]。
1953年、シェパーズ・ブッシュ・エンパイアはBBCに売却され、テレビ放送用のスタジオ劇場として利用されることになり、BBCテレビジョン・シアター (the BBC Television Theatre) と改称した[2]。ここで制作された番組には、『Crackerjack』、『Hancock's Half Hour』、『The Old Grey Whistle Test』、『That's Life!』、『The Generation Game』、『The Basil Brush Show』、『Juke Box Jury』、『This is Your Life』、『Jim'll Fix It』といった、BBCの軽い娯楽番組の大部分のほか、 クリフ・リチャード、ルル、Cilla Black、Spike Milligan、ダスティ・スプリングフィールド、シャーリー・バッシー (Shirley Bassey)、ヴェラ・リン、Harry Secombe、ペトゥラ・クラークらが登場するような軽音楽系の娯楽番組の大部分や、ユーロビジョン・ソング・コンテストの国内予選にあたる『A Song For Europe』などがあった。1985年以降は、ここから毎週3夜放送されていたトーク番組『Wogan』の専用となった[6]。
BBCは、1991年にこの建物から退去した。1993年には、実業家アンドリュー・マーラー (Andrew Mahler) がこの建物を取得し、100万ポンド以上の資金を投じて建物を改修した[2]。1994年には、名称をシェパーズ・ブッシュ・エンパイアに戻し、再開業を果たした[6]。