この項目では、アメリカの百貨店について説明しています。スズキのセダンについては「スズキ・シアズ」をご覧ください。
Sears, Roebuck & Co.
種類株式会社
業種小売
設立イリノイ州シカゴ (1893)
創業者リチャード・ウォーレン・シアーズ
シアーズ(Sears )は、アメリカ合衆国イリノイ州に本部がある百貨店。かつてシアーズ・ローバック(Sears, Roebuck and Company )によって展開され、カタログによる通信販売で知られた。また衣料など日用生活品以外に工具、カー用品などDIY用品のプライベートブランドを持つ。2005年に同業のKmartと合併し、2005年から2019年まではシアーズ・ホールディングス傘下にあったが、その後エディー・ランパート(Eddie Lampert)が所有するTransformco(Transform Holdco LLC)所有になった。 シアーズはアメリカ合衆国、カナダ、メキシコで百貨店(またはGMS業態)を運営している流通業。傘下にはランズエンドなどの通信販売やその他の専門店も所有する。またシアーズで販売する商品のため多くのプライベートブランドを展開する。 なお、英語の department store は百貨店と訳されるが、ブルーミングデールズ、ニーマン・マーカス、ノードストローム、サックス・フィフス・アベニューなどの高級店と違ってシアーズは廉価量販を旨とし、店舗も郊外にあることが多い。いわゆるGMSであり、営業形態としてはイオンやイトーヨーカドーなど、日本でいう大手スーパーのそれに近い。 1973年に本社ビルとして建てられたシカゴのシアーズ・タワー(現在はウィリス・タワーに改称)は、すでに1994年に売却済であったが、建物名は売却後10年以上もそのままであった。同ビルは2013年に1 ワールドトレードセンターにその座を明け渡すまで、全米一の高さを誇る超高層ビルであり、また長く世界一の座に君臨していた。
概要
歴史(英語版
19世紀末から20世紀初頭のアメリカは農業が中心で、広大な国土に多くの農民が生活していたが、交通手段は主に鉄道や馬・馬車であり、消費者は手間をかけて都市まで行くか、個人商店、行商人から高い値段で商品を買うしかなかった。ここに着目したシアーズは、カタログを郵送して、一括仕入れで安価に商品を提供するダイレクトマーケティングを推し進めた。
初期のカタログにはやや誇大な宣伝文句とともに「満足していただけなければ返金いたします」といった良心的で誠実な保証がついており、この「満足保証」は後年まで続いた。シアーズのカタログは「消費者の聖書」と呼ばれ、大量に頒布されるカタログは農村で子供の絵本や学習帳の代用に用いられ、最後にはトイレットペーパー代わりに使われるほど身近に親しまれた。また1908年から1940年の間に組立式住宅「シアーズ・モダン・ホーム」を販売、10万棟以上が出荷され、庶民に近代的な住宅を提供した。1908年から1912年には自社ブランドの自動車もカタログ販売した。シアーズの自動車は他社のコピーではなく、操作が簡単であることを売りにしていた。そのほとんどは2人乗りの軽快な自動車だった。自動車本体の販売撤退後もパーツやアクセサリーの販売はもちろん、メンテナンス・サービス業務を引き続きおこなった。
1925年以降、シアーズ・ローバックは人口の都市への流入とモータリゼーションの到来を予見して、都市の郊外に広い駐車場を備えたデパートを開店させた。第二次世界大戦以降はショッピングセンターの中心店舗として全米の都市に出店した。また自社の顧客を対象とした保険業、金融業、不動産業などに進出。