ザ・ワン
The One
監督ジェームズ・ウォン
脚本グレン・モーガン
ジェームズ・ウォン
製作スティーヴ・チャスマン
グレン・モーガン
チャールズ・ニューワース
ジェームズ・ウォン
製作総指揮トッド・ガーナー
ラタ・ライアン
トム・シェラック
グレッグ・シルヴァーマン
ハッピー・ウォルターズ
出演者ジェット・リー
カーラ・グギノ
デルロイ・リンドー
ジェイソン・ステイサム
音楽トレヴァー・ラビン
撮影ロバート・マクラクラン
『ザ・ワン』(原題: The One)は、2001年に公開されたアメリカのSFアクション映画。主演はジェット・リー。パラレルワールド(多次元宇宙)を舞台にした作品で、ジェット・リーVS.ジェット・リーのダイナミックな特撮カンフーアクション・シーンが見物となっている[2][3]。
この作品後、何度か共演することになるジェイソン・ステイサムとの初共演作でもあり、リーのアクションから刺激を受けたステイサムが、本格的なアクション俳優として始動するきっかけとなった作品である[4]。 この宇宙全体は125のパラレルワールドが存在する「マルチバース」で、それぞれの世界の秩序を守るため多次元宇宙捜査局(MVA)が監視に当り、その均衡を保っていた。だが、その秩序を乱し各パラレルワールドの自分を次々と殺害する者がいた。 アル・ゴアがアメリカ合衆国大統領を務める次元世界において、ロサンゼルスの囚人ロウレス(ジェット・リー)が留置場からの移送の際、他の次元から来た元MVA捜査官ユーロウ(ジェット・リー)によって殺害される。ロウレスはユーロウの殺人による123番目の被害者となった。 元MVA捜査官ユーロウは任務により最初は偶然、別の世界にいる自分を殺し、その時にその者のパワーが自分にものになるという秘密を知ったのだった。それからすべてのパラレルワールドに存在する自分自身を全て殺して唯一無二で全能の存在(ザ・ワン)になろうと企てた。 ここ2年の間に次々と他の世界の自分を123人殺したユーロウは、彼らのエネルギーを吸収しているため、ロウレスを護衛していた保安官らの反撃をすばやくかわし、その驚異的なパワーで時速80キロの車と同等の速さで逃げていく。彼は、元同僚でMVAからの追跡者ローデッカー(デルロイ・リンドー)でも歯が立たないような超人となっていた。 ローデッカーはユーロウを殺さずに生け捕りにするため、相棒で新米のファンチ(ジェイソン・ステイサム)と共に奔走し、異次元に転送可能な地点(ワームホール)に到着したユーロウを捕らえようとするが、その寸前に3人一緒にMVAの場所に転送される。 転送直後にMVAの職員らにより拘束されたユーロウは、終身刑として黄泉宇宙の犯罪者コロニーに永久追放の刑が確定する。だが黄泉宇宙への転送操作寸前に、ユーロウに気がある妖艶な傍聴人の女(カーラ・グギノ)が、尻尾に爆弾を仕掛けた鼠を放ったため、転送室のガラスが爆破で砕け、その混乱の隙にユーロウは職員らを撃退し、124番目の標的のいる別の次元に逃げてしまう。 ジョージ・W・ブッシュが大統領を務める次元世界のロサンゼルス群保安官ゲイブ(ジェット・リー)は、1人の囚人を護送する際、何者かに命を狙われる。ゲイブが間近に見たその男は自分に瓜二つの男であった。その男に追われながらも防弾チョッキにより辛うじて助かったゲイブは帰宅し、いつものように中国武術の稽古に勤しむが、妻のT.K(カーラ・グギノ)の助言により念のため病院に赴く。 ゲイブは、犯人が狙ったのは囚人でなく自分で、相手は「僕」だったと妻に話す。夫が事件の衝撃で混乱していると思ったT.Kは、MRI検査を受けるように勧めた。ゲイブが結婚指輪を妻に預けMRI検査を受けている時、密かに病院に潜んでいたユーロウが現れ、ユーロウを追って来たローデッカーとファンチが彼の犯罪を阻止するため捕らえようとする。 銃撃戦で病院は大混乱となり、ゲイブの仲間の保安官らは、ゲイブを守ろうとすると同時にゲイブが異常行動を起したと誤解し捕らえようとするが、謎の「僕」から命を狙われているゲイブは「僕」と戦うために彼らを振り切り逃げていった。ローデッカーとファンチは、ゲイブもまたユーロウと同等の超人的な力があることを知り厄介なことになると予想する。そこでローデッカーは方針を変えてファンチに新たな指示を出す。それは二手に分れて、自分はユーロウを殺し、ファンチはゲイブを殺すという指示だったが、この世界には善良な者もいるから最後の判断はファンチの判断に任せるとした。 ゲイブを見つけたファンチは、彼に多次元宇宙のことや自分がユーロウを追っているMVAの警察官だということを説明するが、ゲイブにはにわかには理解できなかった。一方、ユーロウの運転する車に乗り込み説得を試みるローデッカーだったが、結局は聞き入れられずに格闘の末にユーロウに殺されてしまう。ローデッカーが持っていた時限爆弾装置はユーロウに奪われ、その信号ランプによりファンチはローデッカーの死を悟るが、自分が殺さなければいけないゲイブの方は殺さずに守ることを決める。 保安官らに護衛され家に戻ったT.Kは、洗面所についた血から夫が家に来ていることを察知し、保安官ボビーと離れて寝室で1人になる。そして屋根裏から顔を覗かせたゲイブ(実はユーロウ)と対面し、彼から拳銃を要求される。引出しにある護身用の拳銃を渡そうとした時、庭先の方でゲイブの姿を瞬時に見たT.Kは、どちらが本物の夫か分らなくなった。とっさに、自分と夫が初めて出会った場所を「本屋」(本当はT.Kが獣医として勤務する動物病院)と言いながら、屋根裏の男がどう反応するかを試し男が偽物だと見破るが、ドアの外のボビーを呼んだ時にはもう遅く、ボビーもT.Kもユーロウに射殺されてしまう。 T.Kがユーロウに殺されるのを見たゲイブは、自分がロサンゼルス警察から指名手配になりながら逃げ、ファンチと共にユーロウを殺すことを誓うが、超人的な力でガソリンスタンドの看板ポールを蹴り折ってしまい、店主(デルロイ・リンドー)に怒鳴られる。
ストーリー