ザ・サード
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ザ・サード
ジャンル
SF[1]、アクション[1]
小説
著者星野亮
イラスト後藤なお / きみしま青
出版社富士見書房
掲載誌月刊ドラゴンマガジン
レーベル富士見ファンタジア文庫
連載期間1999年3月号 - 中断
刊行期間1999年1月19日 -
巻数既刊20巻(本編12巻+短編7巻+外伝1巻)
(2011年12月現在)
漫画:
ザ・サード ?砂漠の星のアプレンティスガール?
原作・原案など星野亮
作画伊藤有子
出版社角川書店
掲載誌月刊ドラゴンエイジ
レーベル角川コミックスドラゴンJr.
発表号2005年12月号 - 2006年12月号
巻数全2巻
アニメ:ザ・サード ?蒼い瞳の少女?
監督神谷純
シリーズ構成大西信介
キャラクターデザイン山岡信一
メカニックデザイン鷲尾直広
音楽大橋恵
アニメーション制作XEBEC
製作ザ・サード製作委員会
放送局WOWOW
放送期間2006年4月13日 - 10月26日
話数全24話
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベル漫画アニメ
ポータル文学漫画アニメ

『ザ・サード』 は、星野亮日本ライトノベルイラスト後藤なおであったが、短編集第7弾の「青の記憶」からきみしま青に変わった。富士見ファンタジア文庫富士見書房)から刊行された。第10回ファンタジア長編小説大賞〈準入選〉作品[1]

2013年6月現在、本編である長編10作(12巻)、短編集7巻、さらに本編の準主人公ともいえるキャラクター、パイフウやMJという男性を主人公として描いている長編(外伝)『ザ・サード0(ゼロ)』1巻が刊行されている。短編集には必ず中編が書き下ろされている。著者は「とにかく元気な女のコの話を書きたかった」と語っている。

月刊ドラゴンエイジ』にて伊藤有子作画によるコミック版が2005年12月号から2006年12月号まで連載された。また、WOWOWノンスクランブル枠で2006年4月からアニメ化された。

2015年10月より出版社を毎日新聞出版、イラストを士郎正宗に変えた「完全版」を刊行開始している。
あらすじ

大戦という大きな戦争の代償として、世界の多くが砂漠化してしまった惑星。天宙眼(てんちゅうがん)と呼ばれる紅い第三の瞳を額に宿す人類「ザ・サード」が、大戦の再来を防ぐために現生人類の技術的進化を管理・抑制している混迷の時代。刀使い(ソードダンサー)という二つ名の所以である一振りの刀を手に、相棒である機械知性体のボギーとなんでも屋として砂漠を駆け回る少女・火乃香(ほのか)。ある日、砂漠の真っ只中での野営中に戦車のレーダーが反応。示された場所には鮮やかな金髪と透き通るような緑の瞳を持つ青年・イクスがいた。彼との出会いにより、火乃香は運命とでもいうべき時代の大きな奔流に巻きこまれていく。
登場人物
主人公
火乃香(ほのか)
- 豊口めぐみ[2]本作の主人公[3]。黒髪黒瞳。主に砂漠を越えての人物のエスコートや学術調査、ボディーガードなどをこなす「なんでも屋」を営む17歳(後に18歳)の少女。額に「蒼い」第三の瞳である天宙眼を持ち、体内外を問わず流動する気やオーラと呼ばれる力を感知し、気功術に類似した能力を使いこなす。養父に習った剣術(主に抜刀術)と自身の特殊能力を合わせることで超人的な力を行使でき、戦車や人型自立ロボット・自動歩兵の装甲すら紙のように斬ることが出来る。常にを携行しており、その刀および卓越した抜刀術が知り合いの傭兵、ケヴィンに付けられた「刀使い(ソードダンサー)」という二つ名の由来となっている。家族構成は養父のウォーケン(故人)と養母のレオノーラ、そして実父と実母。また確認されてはいないが10歳ほど歳の離れた妹がいるらしい。とりあえず考える前に行動、という頭より体が先に動くタイプの人物。しかし、異常に勘が鋭く、凄まじい洞察力を発揮することもある。砂漠に生息している生物やデューンラン(砂漠走行)のエキスパートであり、深い知識と経験を持っている。それらの知識を生かし「なんでも屋」としては3本の指に入ると言われている。砂上戦車を所有しており、仕事も生活も戦車にて行っている。趣味は砂漠をフラつくこと、経済活動詩人ダナ・マイフリーの詩集を読むこと。かつて、額の蒼い天宙眼からザ・サードとしての能力を疑われ、詳細な検査の結果それを完全に否定された、という過去がある。イクスに対しては恋愛感情に近いものを抱いており、浄眼機やジョーイ、パイフウなどからも好意を持たれているが、火乃香自身が鈍いため自分自身の感情にすら気づいていない。
イクス
声 - 浪川大輔[2]砂漠の真っ只中で火乃香が出会った青年。外見は金髪で碧眼の優男だが、実は人類が初めて接触した(と浄眼機は語ったが、ハデスの生い立ちから疑問の声も上がっている)外宇宙からの知的生命体である。火乃香と最初に接触して以来、彼女と行動を共にする。「観察者」(声 - 家弓家正)と呼ばれる、星におけるあらゆる記憶を記録していた存在から、その記憶の全てを引き継いだ存在がイクスで、「決定者」とも呼ばれる。そのため、あらゆる生物、物体、事象、事件について凄まじいまでの知識を持つが、逆に日常的なことで抜けている部分がある。火乃香に対しては好意を抱いているように思われるが、恋愛沙汰には疎い(むしろ興味がない)らしく「朴念仁」と呼ばれるほど。ただ浄眼機が彼女に好意を抱いていることは指摘している。非常に大きな力を持っていると思われるが、惑星で起こる事態には積極的に関わろうとはしない(が、火乃香の影響を受けたのか今では「ばれなければ大丈夫」と事態に干渉することもある)。胸を銃で撃たれたことがあるが、撃たれた部分の服の素材が新しくなっただけでまるで効果がなかった。手をかざすことで人体の回復力を補助することができるヒーリング能力を持っており、何度か火乃香の危機を救ったことがある。クエスとは過去に何らかの因縁がある。
火乃香を取り巻く者達
ボギー
声 -
石塚運昇[2]火乃香の相棒にして機械知性体。火乃香の砂上戦車の統括を任されている。火乃香の養母、レオノーラが率いるキャラバン(部隊)を統括する機械知性体であるイルザのパーソナルをコピーし、株分けされたのがボギーである。火乃香のお目付け役ということで、火乃香がウォーケンのキャラバン(現在のレオノーラキャラバン)にやってきた時に生み出され、以後火乃香を見守ってきた。火乃香の相棒であり、保護者であり、また親友でもある。本人曰く、「砂上戦車の操作、システム管理、事業運営、戦術作成、実務支援、火乃香の生活管理、人生設計その他を担当している」とのこと。ボギーの本体はコアブロックに収容されており、戦車から取り外して持ち運ぶことが可能である。冷静沈着で、行動の全ては理知的な理論に基づいて行っている、とは本人の言であるが、火乃香に関わることになると熱くなることもしばしば。しかし非常に優秀なパイロットであり、補佐役でもある。感情を表に出すことはほとんどないが、独特のユーモアなどは持ち合わせている。ガチガチの理論家だが、火乃香の直感や第六感には信頼を置いている。
パイフウ
声 - 小林沙苗[2]元暗殺者で、現在は学校の保健婦という異色の経歴を持つ女性。長い黒髪と切れ長の瞳、およびそのスタイルの良さで男性を惹きつけるが、真性の同性愛者で男性とは友人の関係になる事すら稀である。学校の生徒からは親しみをこめて「パイ先生」と呼ばれている。左利き。ある事件をきっかけに火乃香と出会い、火乃香を見守っている。実は火乃香に一目惚れなのだが、火乃香には全く気付かれていない。感情が非常に希薄で、火乃香から「無感動症」と言われている。常に死を匂わせる雰囲気を纏い、どこか浮世離れした感じを受ける。気を操る能力に長け、それを応用した体術とあらゆる銃火器を使いこなす知識と技術を有する。携行している武器はウェポンシステムと呼ばれるもので、普段は拳銃として機能し、バレルを交換するアタッチシステムを使うことで長距離用ライフルなど、様々な状況に対応するよう変更可能。しかしこの武器に頼りきるということはなく、最も得意としているのは格闘である。気を感知する能力や用いる気の総量は火乃香には及ばないが気を操る技術に秀でており、体外に練り上げた巨大な気圏から槍の如く気を噴出させる「龍気槍」や、気塊を配置して自らの位置を誤認させる「残影」など、火乃香の気功とは異なるアプローチからなる多彩な技を見せる。火乃香に出会い、共に数々の死線を潜り抜けることで、能力的にも人格的にも成長を見せる。人に近い、人の亜種で幼い頃から潜在的に凄まじい力を持っており、それに目を付けたハデスと呼ばれる人物に暗殺者として育てられた。基本的に怠惰で、保健婦の仕事中は寝ていることが多い(が、訪問者が来るとその気を感知して目を覚ますため、この事はばれてはいない)。いわゆる濡れ場を見せている唯一のキャラクター。火乃香に出会う前は貞操観念が薄い女たらしで、気に入った女性を手篭めにして強引に関係を持ち、飽きたら捨てるという事を繰り返していたようである。
ミリィ
声 - 坂田有希[2]パイフウの勤める学校に通うポニーテールの似合う小柄な8歳の少女。本名はミリアムだが、愛称でミリィと呼ばれている。火乃香の影響を強く受けている。火乃香の妹のような存在で、親友でもある。彼女とはテクノス(技術者)の父親ザンカンを通じて知り合った。以前はザンカンと共に各地を放浪していたが、ブルーブレイカーにザンカンを殺害され、現在はエンポリウムに住む叔母のエスメルの元に身を寄せている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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