『ザ・サークル』(原題: The Circle)は、2017年にアメリカ合衆国で公開されたスリラー映画である。監督はジェームズ・ポンソルト(英語版)、主演はエマ・ワトソンとトム・ハンクスが務めた[5]。本作はデイヴ・エガーズ(英語版)が2013年に上梓した同名小説を原作としている。
本作はビル・パクストンとグレン・ヘドリーの遺作となった[6][7]。 メイ・ホランドは友人アニー・アラートンの仲介により、『True You』という画期的なSNSを開発した世界一のSNS企業“サークル(The Circle)”への転職に成功する。メイの入社から約1週間後、CEOのイーモン・ベイリーが新たなサービス『SeeChange』を発表した。あらゆる場所に設置可能な小型カメラの映像を統括する『SeeChange』により、世界中のアカウンタビリティーが向上するとイーモンは主張する。 メイは仕事と社内コミュニティへの参加で充実した日々を過ごすだけでなく、多発性硬化症を患う父親も会社の保険によってサポートされ幸福の只中にいたが、内心では『SeeChange』が社会へ与える影響に不安も感じていた。そんなある日、名前を知らない社員と親しくなったメイは、彼に案内されて『SeeChange』の及ばない地下階層に招かれる。彼は『True You』を開発したタイ・ラフィートであり、収集した情報を独占する“サークル”の方針を危険だと感じていた。タイはメイを信用に値すると感じて“サークル”を変える必要があると説くが、メイにはその言葉の意味がよく分からなかった。 後日、メイのもとに地元の友人マーサーが訪ねてくる。メイは彼が鹿の角で作ったシャンデリアの写真を数日前に『True You』へ投稿したのだが、好意的に受け取られる一方でマーサーを「鹿殺し」と決め付ける人間も多く、殺害予告まで送られてくる状況にマーサーは身の危険を感じていた。メイは事態を解決するとマーサーを宥めるものの、マーサーはSNS上での繋がりが第一である“サークル”の体質に染まったメイに嫌気が差し去っていく。消沈するメイはその晩、フェンスを乗り越えて軽装のままカヤックで夜の海へと漕ぎ出して転覆してしまうが、『SeeChange』がその様子を映していたことですぐに救助される。 翌朝、メイを呼び出したイーモンは、図らずも『SeeChange』の有用性を示した彼女を広告塔に抜擢し、小型カメラを身に付けたメイの私生活を全世界に公開する「透明化」を発表する。『SeeChange』に命を救われたことで“サークル”に心酔するようになったメイはこれを受け入れるが、両親とは誤って性行為の場面を映してしまったことで音信が途絶え、アニーはメイの友人ということで多忙な日々がさらに忙しくなりメイと距離を置くようになっていた。 重要な会議に出席することになったメイは、国民の大半が持つ“サークル”のアカウントを投票システムに結びつけるという案を発展させ、“サークル”で全ての行政手続きを処理する「完全化」を提案する。メイの提案が現実味を帯びていく一方で、世界中の人々を利用して特定の人物を見つけ出す『SoulSearch』という仕組みが構築される。『SoulSearch』の発表会でテストの対象となったマーサーは、追い立てる人々に恐怖して車で逃走する途中、飛び出してきたドローンを避けようとして死んでしまう。 悲しみに暮れるメイは実家に戻って3日間塞ぎ込むが、“サークル”を辞めたアニーとの通話で自分のやるべき事を悟り会社へ戻っていく。復帰を歓迎されたメイは再びカメラを身に付けて発表会に現れると、タイの協力でイーモン達の所業を全て公にしたことを明かす。メイは世界中の全てをオープンにするため、世界の手本になるように“サークル”を作り変えると語ると、会場を後にした。 ※括弧内は日本語吹替[8]。
ストーリー
キャスト