サ行変格活用
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サ行変格活用(サぎょうへんかくかつよう)とは、日本語の口語文法および文語文法における動詞活用の型の一つである。活用語尾五十音図サ行の音をもとにして変則的な変化をする。サ行変格活用を略して「サ変(活用)」とも言う。

サ行変格活用の動詞としては、「する」(文語では「す」)とその複合語がある。文語の「おはす」もサ行変格活用である。

口語(現代語)のサ変動詞の語尾変化は、原則としてサ変動詞「する」と同じである。ただし、語幹が音読み漢字一字かつ促音で終わる場合や、語尾が「ずる」の場合など、例外がある。

外国人を対象にした日本語教育においては、動詞活用を区分するうえで、サ行変格活用とカ行変格活用を合わせて「グループ3」と呼ぶことがある。
目次

1 サ変動詞の構成

2 語尾が濁音の場合

3 サ行変格活用の例

3.1 する(口語)

3.2 発する(口語)

3.3 愛する(口語)

3.4 論ずる(口語)

3.5 す(文語)


4 変化の傾向

サ変動詞の構成

サ変動詞の多くは、漢語名詞に「する」が付いた複合語である。この他、外来語語幹とするもの(例:「キャッチする」)、和語の名詞+「する」の形のもの(例:「早起きする」)、擬態語+「する」の形のもの(例:「どきどきする」)が見られる。「達する」「全うする」など、「する」の前の部分(語幹)が単独では単語として使われない形のものもある。

歴史的には、形容詞連用形と「す」を複合した「重くす」「全くす」なども見られたが、現在の口語では「全うする」など語形の変化した形を除けば用いられない。

「する」を付けることでサ変動詞となる名詞は、古くは動作性の名詞だけであったが、近年は「煙草する」「お茶する」「学生する」「OLする」「青春する」「グルメする」「哲学する」「科学する」のように物や身分や抽象理念を表す名詞に「する」の付いた形も用いられるようになってきている(規範的な言い方として認められるところまでは行っておらず、揺れている用法と言っていいだろう)。

コンピュータの漢字変換ソフトウェアでは、後ろに「する」を続けることができる動作性の名詞を「サ変名詞」「ザ変名詞」などに分類し、ユーザによる辞書登録時もこれらを指定できるものがある。
語尾が濁音の場合

「論ずる」「重んずる」のように、濁音で活用するものもサ行変格活用の一種である。

これら「?ずる」型の動詞の活用は、サ変動詞「する」の1音目を濁音化したものが基本となるが、次の差異・特徴がある。

「する」には五段活用に由来する未然形「-さ」があるが、これに相当する形「-ざ」は通常使われない。

サ変型の活用形の他に、ザ行
上一段活用の活用形も使われている(例えば、「論ずる」に対する「論じる」)。

サ行変格活用の例
する(口語)

未然形: し(-ない、-よう)、せ(-ず)、さ(-せる、-れる)

連用形: し

終止形: する

連体形: する

仮定形: すれ

命令形: しろ、せよ

発する(口語)

ここでは、五段活用の「発す」の活用形と見なせる形も合せて示している(*印)。

語幹:発(はっ)

未然形: -し(-ない、-よう、-させる、-られる[
要検証ノート])、-せ(-ず、-られる、-よう[要検証ノート])、-さ(-ない*、-ず*、-せる、-れる)、-そ(-う)*


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