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この項目では、楽器について説明しています。レコードについては「サンプラー (レコード)」を、刺繍作品については「サンプラー (手芸)」をご覧ください。
サンプラー (Sampler) は、音楽的・非音楽的を問わずサンプリングにより標本化された音を任意に再生出力できる装置。サンプラー(AKAI MPC2000)
外部から音声をサンプリングしたり記憶装置から読み込んだりすることによりRAMに展開させ、シンセサイザーにおけるPCM音源の1つとして扱われる。大抵の機種は発音時にサンプルの再生ピッチ(音高)を変更できる[注 1]ので、鍵盤などのMIDI出力装置からの演奏情報を受け、即時に再生応答が可能である。 電子ピアノ、電子ドラムなど本技術と同様な方法が用いられている楽器があるが、それらはサンプラーとは呼ばれない。 「生演奏の楽器音を、手軽に使いたい」これが原動力となった。オーケストラのストリングスを大編成の演奏者を使って録音するのではなく、ピアノと同じ方法でするために考えられたものが、各音程毎に演奏した録音テープを鍵盤の数だけ並べ、再生ヘッドとモーターとばねを組み合わせて作り出したメロトロンという楽器である。鍵盤を押すと、再生ヘッドにテープが押しつけられ音が出て、鍵盤を離すとばねによってテープが戻される。この楽器は、物理的に問題が多く、メンテナンスも難しかった。さらに、演奏できる楽器が限られていたため普及はしなかった[注 2]。もっとも、楽器音が限られていたのは構造上の問題だけではなく、各音程のテープを多種の楽器で作成すること自体も難しかったからである。 しかしデジタル技術の進歩によって、録音・再生メディアはテープからメモリーチップに変わっていき、安定した動作が望めるようになったのである。 フェアライトCMIやシンクラヴィアといった楽器は、サンプラーよりは音声合成装置とでもいうべきものであった。しかも、重量物で可搬性が無く、動作も不安定な代物でとても楽器としての常時使用に耐え得る物ではなく、増してやステージ上での使用などは到底無理な話であった。また価格はもとより運用コスト面でも極めて高く、それらを総合的に勘案すれば、それこそ「ちょっとした1戸建て住宅が買える[注 3]」などと表現された程の経済力が必要となるものであり、音の個性や先進性は大きな魅力でも、メジャーシーンのミュージシャンでさえ個人レベルでおいそれと手を出せる様な代物ではなかった。 この状況を覆したのが、Emulator(イミュレーター)の登場である。当時の価格で300万円以上したが、前出の2台と比べれば圧倒的に安く、しかも操作は簡略化されていてミュージシャン達から支持を得た[注 4]。競合各社もサンプリングシンセサイザーを発売するが、Emulatorが売れた原因は、楽器の録音済みデータを販売したことに寄るところが大きい。 他方で、日本ではシンセ・プログラマーの先駆けである松武秀樹が1983年当時、国産初と思われるデジタル・サンプラーをスタジオで使用していた。LMD-649というそれは当時「PCM録音機」と呼ばれた、いわばハンドメイドのマシンであった。サイズは一般家庭向けのステレオのプリアンプ程度の大きさで、サンプルタイムは1.2秒程度。音源素材は6 mmのテープに保管しており、ローランドのシーケンサーMC-4によるGATE信号、またはトリガー信号で音を出す事ができた。ただし、サンプルデータの保存は出来ず、電源を切るとデータは消滅した。
概要
サンプラーの歴史
成り立ち
初期のサンプラー
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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