サンフランシスコ市営鉄道
基本情報
国 アメリカ合衆国
所在地サンフランシスコ
種類バス、トロリーバス、ライトレール、路面電車、ケーブルカー
開業1912年
運営者サンフランシスコ市交通局
サンフランシスコ市営鉄道(英語: San Francisco Municipal Railway 通称 Muni)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ市の公営公共交通機関。サンフランシスコ市交通局(英語版)(San Francisco Municipal Transportation Agency, SFMTA)が運営している。
2006年現在、運営予算7億ドルで121平方キロメートルのエリアにサービスを提供している[2]。利用者数で見ると、アメリカで7番目に規模が大きい輸送システムで、2006年には合計210,848,310人が利用している[3]。 一部区間地下鉄となる路面電車(ミュニ・メトロ)を6系統、PCCカーなどのレトロカーを走らせる路面電車(Fライン)が1系統、世界的に有名なケーブルカーが3系統、路線バス・トロリーバスが55系統運行されている。 バスとミュニ・メトロのすべての路線では、車椅子の乗り降りが可能である。また、ほぼすべてのバスの前面には自転車用のラックが取り付けられていて、利用者はそこに自転車を預けることが可能である。 またGPSによる位置情報システムサービスが開始され、多くの路線でインターネットや携帯電話から、現在走行している車両の位置などを調べることが出来る。 MuniはBay Area Rapid Transit(BART)以外にもサムトランズ、ACトランジットなどの交通機関と接続して365日運転しており、サンフランシスコの公共交通に欠かせない存在である。サンフランシスコの平日昼間の人口は通常の定住人口を上回ることから分かるように、平日の利用客の多くは通勤客である。MuniはBARTと4駅を共有しており、これは訪問者が混乱する要因となっている。旅行者はサンフランシスコ国際空港やオークランド国際空港へBARTを通じてアクセスできる。 ミュニ・バスの「38 Geary」など、いくつかの路線は24時間運行されている。Muniの路線は運行予定に基づいて運行されており、運行頻度は時間帯によって変わる。 ほとんどのミュニ・バスはピーク時に5 - 15分間隔、日中は5 - 20分間隔、21時から深夜にかけては10 - 20分間隔で運行されている。深夜遅くの「owl路線」はおおよそ30分間隔で運行される。週末にはほとんどの路線が10 - 20分間隔で運行される。しかし、特に運行頻度の低い路線や古いトロリーバスの路線で「信頼性に欠ける」という不満も出ており、システムの全体的な問題とされている。地元紙サンフランシスコクロニクルの2007年2月20日の記事で、Muniは控えめに設定された目標である「定時運行実行率85%」ですら達成できていないとしている[4]。 全てのMuni路線はサンフランシスコ市内を走っているが、南接するデーリーシティの一部へ向かう数本の路線と、日曜日と特別な休日だけマリンヘッドランズへ向かう「76 Marin Headlands」の例外がある。都市間交通との乗り換えは、BARTやカルトレイン、トランスベイ・ターミナルでACトランジットのバス、ダウンタウンでゴールデンゲート・トランジットやサムトランズへそれぞれ乗り換えが可能である。 市内のバス停留所は、シェルターと電子到着案内があるもの、シェルターのみのもの、電柱や標識に黄色い印がついただけのもの、路面に黄色い印がついただけのもの、などのタイプがある。 Muniという名称は「San Francisco Municipal Railway」の「Municipal(市営の)」の短縮語であって頭字語ではない。そのため、標準テキストで書かれる場合は「MUNI」ではなく「Muni」と表記するのが正しいが、Muniで勤務する者も含めて多くのサンフランシスコ人は「MUNI」と表記している。ミュニ・メトロはよく「電車」や「路面電車」などと呼ばれる。 マーケット・ストリートとフィッシャーマンズ・ワーフを結ぶFラインについて、Muniは「文化遺産の鉄道システム」というよりはむしろ「歴史的な路面電車路線」であるとしている。 Muniのロゴは「MUNI」という語を図案化・トレードマーク化したものである[5]。このロゴは1970年代半ばに、サンフランシスコを拠点として活動していたグラフィックデザイナーのウォルター・ランダー(Walter Landor)によってデザインされた[6]。 ケーブルカーを除いた全てのMuni路線名は、「1 California」のように2つの部分で構成されており、普通は両方セットで路線名とされる。後ろの語は、その路線がルートの大部分において走っている通りの名前であり、その通りだけを走る路線であることを意味するわけではない。ミュニ・バスは数字表記、ミュニ・メトロは文字表記がついているが、ケーブルカー路線は単に名前だけで呼ばれる(Powell-Masonなど)。しかし、Muniの路線図上ではケーブルカー路線名がそれぞれPM、PH、Cと略されており、Muniの運行用としてそれぞれ59、60、61の番号も付与されている。 ミュニ・メトロ(Muni Metro)はMuniが運営しているライトレールである。1日に156,900人の乗客が利用するこのミュニ・メトロは、アメリカで2番目に混雑したライトレール路線である[7]。 主に地上を走行するが、市内中心部では、メインストリートであるマーケット・ストリートの地下を走行し、BARTとの乗り換えも出来るようになっている。駅によってプラットホームが高い駅と低い駅があり、これらは車両内のステップの高さを上下することによって対応している。 市内中心部の地下駅などには、自動改札が設置されているが、その他の多くの駅には改札は無い。これらの駅から利用する際は、乗車の時に料金を払うか、あらかじめ有効な乗車券を事前に購入しておく。 ツインピークスなど、市内にある山はトンネルで通過する。 このミュニ・メトロは、19世紀後半からサンフランシスコで運行されていた伝統的な路面電車が現代版に生まれ変わったものである。サンフランシスコや他の都市で、第二次大戦後に多くの路面電車路線がバス路線に替えられた中、ここサンフランシスコでは1970年代まで5本の路線が残され、1980年にマーケット・ストリートの地下にライトレール路線が通された時にようやく、路面電車からライトレールに替えられたのである。最近になってそのシステムは拡大しており、半世紀以上ぶりに新規の路線が引かれて2007年に完遂したThird Street Light Rail Project(Tライン)などが特徴的である。Central Subwayなどの他のプロジェクトは現在進行中である。 メトロの路線体系は次のような構成になっている。 車両については、アンサルドブレーダ社製のLight Rail Vehicles(LRV)を151両所有している[11]。
概要(全般)
名称とロゴ実際のロゴについては「w:San Francisco Municipal Railway」を参照
路線名「w:List of San Francisco Municipal Railway lines」も参照
ミュニ・メトロ
概要地下区間の駅 (カストロ駅)
標準軌線路 115.1キロメートル[8][9]
ライトレール路線 7本(通常路線6本とピーク時専用路線1本)
トンネル 3つ
地下駅 9ヶ所
地上駅 24ヶ所[10]
地上停留所 多数
基礎設備「w:List of Muni Metro stations」も参照