サントリーレッド
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サントリーレッド
サントリーレッド
(画像は2002年 - 2017年までの仕様)
基本情報
種類ウイスキー
(ブレンデッドウイスキー)
度数39%
主原料モルトグレーン[1]
原産国 日本
製造元サントリースピリッツ
販売元サントリー酒類(二代目)
詳細情報
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サントリーレッドは、サントリースピリッツが製造し、サントリー酒類(二代目)が販売するブレンデッド・ウイスキーの一つである。

1930年に「サントリー赤札」として発売されるも、一時製造中止を経て、1964年に再度発売され、以降サントリーウイスキーの定番銘柄としてその名を知られている。
目次

1 歴史

1.1 前史

1.2 「不遇の子」の復活

1.3 定番銘柄へ


2 その他

3 脚注

4 外部リンク

歴史
前史

寿屋の創業者、鳥井信治郎1907年(明治40年)に「赤玉ポートワイン」を発売し、同社の土台を築くと、1923年(大正12年)より新規事業として、スコットランドで本場のスコッチウイスキーの製造を学んだ竹鶴政孝を招聘し、同年三島郡島本町山崎に山崎蒸留所を竣工し、翌1924年(大正13年)よりウイスキーの製造を開始する。

当時はまだウイスキー製造が手探りの状況で、原酒の熟成度合いや、ブレンド、市場のニーズ等を十分に把握していなかった中で、資本投下ばかりが続き、出資者から収益が出ないことに批判が上がったこともあり、まず1929年(昭和4年)に国産ウイスキー第1号となる製品を「白札」(現在のサントリーホワイト)と名付けて販売した。

しかし白札は、スコッチ特有のピート臭が強すぎたこともあり、消費者から不評を買うと共に、失敗に終わった。諦めずに鳥井と竹鶴は、ブレンドを変えた「赤札」、現在のサントリーレッドを翌1930年(昭和5年)に発売するが、急場しのぎでつくられた代替品が、白札の不評を跳ね返せるはずもなく、これも消費者に見向きもされることなく終わり、赤札は製造中止を余儀なくされることになる。

この後、寿屋は1937年(昭和12年)に発売された「サントリーウイスキー12年」(現在のサントリー角瓶)で、国産ウイスキー事業を成功に導くと共に、1950年(昭和25年)に発売されたサントリーオールドで、その絶頂を極めるが、戦後になっても、赤札は復活することなく、「不遇の子」として扱われ続けることになる[2]
「不遇の子」の復活

1962年2月20日、創業者の鳥井は社長の座を、次男の佐治敬三に禅譲し、息を引き取る。新たに社長の座に就いた佐治は、翌1963年(昭和38年)に、社名を寿屋からサントリーに改めると共に、新たな経営方針を打ち出してゆく。打ち出した事業として、戦前に父・鳥井信治郎が当時経営難にあった横浜の日英醸造を買収するも、数年で撤退を余儀なくされたビール市場への再挑戦、そして鳥井と共に国産ウイスキー事業の立ち上げに尽力した竹鶴が、寿屋を去って後に興したニッカウヰスキーが猛追していた最中でもあり、同社の主力であるウイスキーの銘柄の拡充を中心とするものであった。その中には戦前発売されるも、不遇の子として扱われ続けた、赤札の名も存在したのである。佐治の手により、赤札はサントリーレッド[3]と名を変えて、1964年(昭和39年)に再度市場に投入されることになった。

佐治が赤札を復活させる切っ掛けとなったのは、同年ニッカから発売され、現在まで発売され続けているウイスキー、ハイニッカの市場投入があったことが大きいとされる[4]
定番銘柄へ

市場への復活と同時に、傘下の広告制作プロダクション、サン・アドによりCMが制作される。俳優の宇津井健が出演し、当時人気を得ていたコーラスグループ、デューク・エイセスがCMソングを担当。週末に部下と共に楽しむウイスキーとしてCMが制作され、レッドは拍手を持って迎えられる(その後、宇津井の降板後のCMキャラクターには大野しげひさが起用された)。当時ホワイトが1本1000円という価格だったのに対し、レッドは当時の希望小売価格で1本500円に設定されたこともあり、お徳用ウイスキーというイメージを視聴者に浸透させると共に発売に際しては「2本分入って、100円安い。」ダブルサイズ(1本900円)が大いに売れることになった。

その後、1970年代中期以降は新たな洋酒メーカーの参入や、1971年の舶来ウイスキーの自由化に伴い、ブランドも増えてゆくと、レッドもまた新たなイメージを求められることになる。1977年には当時博報堂のCMプランナーとして活躍していた藤井達朗の企画により、女優の大原麗子が出演し、映画監督の市川崑が演出を担当した、愛する旦那に振り回されつつも、健気に尽くす女性を演じるシリーズCMが大いに評判となる。このシリーズCMにおける藤井の考案したキャッチフレーズ「すこし愛して、なが?く愛して。」と「ときどき隣りに、おいといて。」は長年にわたってレッドの人気を決定付けることになった。

この後も現在まで食卓で晩酌に飲むウイスキーとしてのイメージを持ちながら、基本となる640mlボトルの他に1920mlボトル、また2L、4Lのペットボトルサイズなどで発売され続けている。


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